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アンドラ頂上ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第19ステージでピノーが区間2勝目
レース
2018.09.15
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月14日にリェイダからアンドラのナトゥルランディアまでの154.4kmでカテゴリー1頂上ゴールの第19ステージを競い、フランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が今大会2勝目を上げた。
総合リーダーのマイヨ・ロホを着た英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)は5秒遅れの区間2位でゴール。ボーナスタイムを6秒稼いだ上、総合のライバルたちとのタイム差を広げることに成功した。
第19ステージは159人がスタート。ルーカス・ポストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)が出走しなかった。スタートからアタックが続いたが、モビスターチームが集団をコントロールし、成功しなかった。
ゴールまで残り80kmでベンジャマン・トマ(グルパマ・FDJ)、ホナタン・カストロビエホ(チームスカイ)、トム・ヴァンアスブルック(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)が逃げ出すことに成功。ヴァンアスブルックはすぐ集団に戻ったが、他の2人は5km先で1分差を付けた。
ゴールまで残り50kmでトマとカストロビエホのタイム差は2分になった。集団はモビスターチームの加速で2つに分断。前は25人ほどになり、マイヨ・ロホのイエーツはそこに入っていなかった。しかし、チームメートたちのおかげで、イエーツはすぐ戻ることができた。
この日はアンドラにある標高2025メートルでカテゴリー1のラバサ山がゴールだった。そのふもとでトマとカストロビエホは集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。
17km続くラバサ山の上り坂を、ウィナー・アナコナ(モビスターチーム)が先頭を引いて上り始めると、集団はすぐに選別されて小さくなった。そこから残り13kmでナイロ・キンタナ(モビスターチーム)がアタックし、ジョージ・ベネットとスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)が付いていった。
残り12.2kmでベネットが仕事を終え、先頭はキンタナとクライスウェイクになり、そこにピノーが合流。3人は残り10.5kmで後続に13秒差を付けて先行し続けた。ここでメイン集団からマイヨ・ロホのイエーツがアタックし、あっという間に前の3人に追いついてしまった。
キンタナは残り8.5kmで後退し、その後、パンクで自転車を交換した。総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)がいる追走グループは、ゴールまで残り7kmでイエーツの先頭グループより25秒遅れていた。そこからウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)がアタックし、単独で先頭の3人を追いかけた。
バルベルデのグループは協力体制が取れず、残り4kmで先頭との差は1分にまで開いてしまった。先頭は残り1kmのフラム・ルージュでクライスウエイクが脱落し、ピノーとイエーツの2人になった。最後はピノーがイエーツを置いて独走でフィニッシュラインに飛び込み、第15ステージのコバドンガ区間に続いて今大会2勝目を勝ち取った。
バルベルデは最後に追走グループから脱落し、イエーツよりも1分以上遅れてゴール。総合2位には留まったが、タイム差は1分38秒に開いてしまった。
区間3位に入ったクラウスウェイクは、総合3位の座を取り戻したが、イエーツとのタイム差は1分58秒だ。翌日のピレネー最終決戦を残し、総合争いは英国のサイモン・イエーツが王手をかけた展開になった。
■区間2勝目を上げたピノーのコメント
「このブエルタはすでに日曜日に成功していた。ボクはプレッシャーを感じることなくここに来ていた。総合成績のことは念頭になく、区間優勝を望んでいたんだ。最初の勝利は、すでにとても良かった。そして2勝目を得て、ボクは打ち破ることができた。夢のブエルタだ。
ボクは最強のクライマーたちと互角に渡り合って勝てると証明した。今日、上りは長かったが急なものではなかったから、ボクの能力により適していた。サイモン・イエーツから勝利を得るために、強い上りを楽しんだよ。彼は今日、彼が最強であることを証明した」
■ピレネーで総合のリードを広げたマイヨ・ロホのイエーツのコメント
「まだこのブエルタで勝ってはいない。ボクは明日をとても気にしている。ボクたちは今日、たった1日で何が起きるかを目にした。ボクは集中し続ける努力をする。もちろん今日は楽しんだが、終わるまでは終わりではない。
ボクは調子がいいと感じたから、トライしてみた。チームはまた素晴らしい働きをした。へイグはボクがアタックする前に準備するのに良い走りをしてくれたし、アダム(イエーツ)は後続が追いついた場合に備えて後ろにいてくれた。ボクを助けてくれたピノーにも感謝しなければならない。彼は区間優勝するためにここに来ているから、後方に留まって協力しなくてもよかったはずだ」
■第19ステージ結果[9月13日/リェイダ〜アンドラ、ナトゥルランディア/154.4km]
1. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) 03H 42' 05''
2. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 05''
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 13''
4. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 52''
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 52''
6. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 52'
7. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01' 03''
8. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01' 12''
9. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 01' 15''
10. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01' 49''
14. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 02’ 20’’
■第19ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 76H 44' 41''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01’ 38’’
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 58’’
4. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 02’ 15’’
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 02’ 29’’
6. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 4’01’’
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 05’ 22’’
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 05’ 29’’
9. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 06’ 30’’
10. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 07’ 21’’
[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
■山岳賞:THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
■コンビネーション賞:SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR)
※第20ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞:JONATHAN CASTROVIEJO (TEAM SKY / ESP)
1. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) 03H 42' 05''
2. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 05''
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 13''
4. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 52''
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 52''
6. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 52'
7. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01' 03''
8. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01' 12''
9. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 01' 15''
10. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01' 49''
14. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 02’ 20’’
■第19ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 76H 44' 41''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01’ 38’’
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 58’’
4. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 02’ 15’’
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 02’ 29’’
6. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 4’01’’
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 05’ 22’’
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 05’ 29’’
9. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 06’ 30’’
10. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 07’ 21’’
[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
■山岳賞:THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
■コンビネーション賞:SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR)
※第20ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞:JONATHAN CASTROVIEJO (TEAM SKY / ESP)
ピレネー山岳最終決戦はカテゴリー超級の頂上ゴール
エスカルデス・エンゴルダニをスタートし、標高1480mでカテゴリー超級のコル・デ・ラ・ガリナ(サンチュアリオ・デ・カノリチ)山頂にゴールするコースは97.3kmしかないが、途中5つの峠越えが含まれていて、そのうち2カ所はカテゴリー1という厳しいレイアウトだ。
第19ステージで1分以上のタイムを失ってしまった地元スペインのバルベルデは「時には勝ち、時には負けるものだ。それが自転車競技の一部だ。今日ボクに起きたことが、明日彼(イエーツ)にも起きるかもしれない。このブエルタで勝つことは確かに難しい。今朝も難しかったし、今も難しい。しかし、不可能ではない。我々はトライするつもりだ。ボクはまだ自信があるよ」と、語り、明日は最終決戦に臨むつもりだ。