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1本レバーの手元変速コンポーネント「SENSAH EMPIRE」

新製品
今年はロード用コンポーネントの新興ブランドが次々と現れている。コンポーネントをワイヤレス化するユニット「Xシフター」もあるが、ここで紹介するのはSENSAHという中国企業が作ったコンポーネント「エンパイア」だ。

コンポーネントといっても、ラインナップされるのは手元変速レバーと前後のディレーラー。クランクセットやブレーキはない。前2速、後ろ11速のギヤ枚数に対応する、機械式変速のみ。最大の特徴は、操作レバーが1本しかないこと。


ロード用コンポーネントの手元変速レバーの構成は、シマノであればブレーキレバー兼シフトダウンレバーとシフトアップレバーの2本。スラムはブレーキレバーと、ダブルタップというシフトアップもダウンも1本シフトレバーでこなす機構を持つが、レバーの総数は2本。カンパニョーロは、ブレーキレバー、シフトアップレバー、シフトダウンレバーの3本だ。

エンパイアの変速方法は、スラムのダブルタップ機構を踏襲している。軽く押せばシフトアップで、大きくレバーをストロークさせるとシフトダウンになる。スラムと異なるのは、操作に割り当てたレバーがブレーキレバーを兼任している点だ。つまり、ブレーキとシフトアップダウンの3つの操作を1本のレバーで行なう。開発者に元スラムのエンジニアがおり、この方法になったそうだ。

 
エンパイアの手元操作レバー。見慣れたロードコンポーネントとは違って1本しかないので、違和感がある
エンパイアの手元操作レバー。見慣れたロードコンポーネントとは違って1本しかないので、違和感がある
セットは左右レバーと前後ディレーラー。MTB用もある
セットは左右レバーと前後ディレーラー。MTB用もある

実際に動作させている動画がこちら








 


実際にローラー台にセットしてある実機を操作してみたが、失礼ながら意外なほど普通に動作した。操作がわかりやすいのはもちろん、操作感もしっかりしているし、レバーが特段握りにくいということもなかった。耐久性などは長期間使ってみないとわからないが、ファーストインプレッションとしては高い完成度をもっていると感じた。変速のスピードは、感覚としてはシマノ・105か、ティアグラとの間くらいに感じた。

実走したときに、上りのように大きなトルクがかかっている時の変速性能や、ブレーキングしながらのシフト操作など気になる点はいろいろあるが、自転車遊びとしてこういうパーツを使ってみたいという欲求が湧き上がるのを感じた。