雨のジロ・デ・イタリア2019第５ステージはアッカマンが２勝目をマーク

 
第102回ジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）は、2019年5月15日にフラスカーティからテッラチーナまでの130.8kmで第5ステージを競い、ポイント賞のマリア・チクラミーノを着たドイツチャンピオンのパスカル・アッカマン（ボーラ・ハンスグローエ）が、雨のゴールスプリントを制して今大会２勝目を上げた。

この日はスタートからゴールまで終日冷たい雨が降り続け、主催者は安全のため、ゴールのテッラチーナの周回コースに入る残り9.2kmの通過タイムをこの日のタイムとして計測。それ以降はニュートラルで区間順位のみが競われ、ポイント賞のポイントとボーナスタイムのみが与えられた。

総合成績に変動はなく、マリア・ローザはスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ（チームユンボ・ビスマ）が守った。

前日の落車で左膝を負傷したオランダのトム・ドゥムラン（チームサンウェブ）はこの日出走したが、痛みに耐えられず、オフィシャルスタート前のニュートラルゾーンでレースを棄権した。

　

 
第５ステージは国際自転車競技連合（ＵＣＩ）からアンチ・ドーピング規則違反の可能性があるとされ、一時的な資格停止処分を受けたスロベニアのクリスティアン・コレン（バーレーン・メリダ）が出走せず、171選手が雨の中をスタート。イタリアのジュゼッペ・コンテ首相が来場し、開幕の旗を振り下ろした。

スタートして２kmで６人が逃げ出したが、マリア・アッズーラを着たジュリオ・チッコーネ（トレック・セガフレード）はすぐ集団に戻り、５人の逃げになった。しかし、この日の逃げは雨の影響もあり、1分半程度のタイム差しか付けられなった。

逃げのメンバーは、ミゲルエドアルド・フロレス（アンドローニジョカットリ・シデルメク）、エンリーコ・バルビンとウンベルト・オルシーニ（バルディアーニ・ＣＳＦ）、イヴァン・サンタロミータ（NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ）、ルイス・ヴェルヴァーケ（チームサンウェブ）だった。

ゴールまで残り52.8kmのカテゴリー４の丘で、逃げからヴェルヴァーケがアタックし、先頭で頂上を通過した。彼はそのまま独走で逃げ続け、他の選手たちは集団に吸収された。ヴェルヴァーケもゴールまで残り23kmで捕まり、集団は１つでゴールを目指した。

この日のタイムが計測された残り9.2kmのフィニッシュラインを集団は１つで通過。ロット・スーダルとイスラエルサイクリングアカデミーが列車を組んで先頭を引き、集団は区間優勝を狙うチームと選手だけに絞られた。フラムルージュを通過した所でドゥクーニンク・クイックステップの２選手が、イタリアチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニの為に先頭で列車を組んだが、ヴィヴィアーニは最後に失速し、スプリントには加わらなかった。

最後は残り200メートルでスパートしたコロンビアのフェルナンド・ガビリア（ＵＡＥチーム・エミレーツ）をまんまと発射台として利用したアッカマンが飛び出し、区間２勝目を手中に収めてしまった。


■初出場のジロで区間２勝目を上げたアッカマンのコメント
「今日は２回のスプリントだった。ボクは残り250mでブレーキをかけなければならなかったが、ラッキーなことにガビリアがボクの完璧な発射台になった。最後にボクはたくさんのパワーがあったんだ。今日はただ嬉しいよ。雨で一日中怖かった。昨日マリア・チクラミーノを取り戻せて良かった。勝ち続けて、これをヴェローナまで持っていきたいね」
 

 
■第5ステージ結果［5月15日／フラスカーティ～テッラチーナ／130.8 km］
1. ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER) 3h 15’ 44”
2. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL) 
3. DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA)
4. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS)    
5. MOSCHETTI Matteo (TREK - SEGAFREDO / ITA)
6. GIBBONS Ryan (TEAM DIMENSION DATA / RSA)
7. SIMION Paolo (BARDIANI CSF / ITA)
8. BIERMANS Jenthe (TEAM KATUSHA ALPECIN / BEL)
9. LONARDI Giovanni (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / ITA)
10. BELLETTI Manuel (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA)
158. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 

■第5ステージまでの総合成績
1. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 19h 35’ 04”
2. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 0’ 35”
3. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 39”
4. LOPEZ MORENO Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 0’ 44”
5. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 0’ 44
6. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 0’ 49”
7. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 0’ 55”
8. CARUSO Damiano (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 56”
9. JUNGELS Bob (DECEUNINCK - QUICK-STEP / LUX) 1’ 02”
10. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 1’ 06”
168. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 36’ 54”

［各賞］
■ポイント賞（マリア・チクラミーノ）：ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
■山岳賞（マリア・アッズーラ）：CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞（マリア・ビアンカ）：LOPEZ MORENO Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL)

（ジロ公式サイト）
 

 
5月16日はカッシーノからサン・ジョバンニ・ロトンドまでの238kmで第６ステージが行われる。終盤に標高678mでカテゴリー２のコッパ・カザリネッリを越えなければならないが、ゴールは平坦だ。