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ジロ・デ・イタリア2019第6ステージは逃げ切ったマスナーダが区間優勝し、コンティが総合首位
レース
2019.05.17
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2019年5月16日にカッシーノからサン・ジョバンニ・ロトンドまでの238kmで第6ステージを競い、イタリアのファウスト・マスナーダ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)とヴァレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)の2人が、集団に7分以上の大差を付けて逃げ切った。
最後はマスナーダがゴール勝負を制して区間初優勝し、コンティが総合首位のマリア・ローザを獲得した。地元イタリアの選手がマリア・ローザを着たのは、2016年に総合優勝したヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)以来だった。26歳のコンティは、プロのレースで初めて総合リーダーになった。
第6ステージは169選手がスタート。34km地点でマリア・ローザを着たプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)とラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)が落車に巻き込まれた。ログリッチェは一時40秒ほど遅れたが、チームメートの働きで集団に戻ることができた。
この日はなかなか逃げが決まらなかったが、49km地点で最初のアタックが決まり、さらに選手が合流して13人の逃げグループが形成された。ここにマスナーダとコンティも加わっていた。13人はゴールまで残り100kmで6分22秒差を付けて逃げ続けた。13人の中で総合成績が最も上位だったのはコンティで、第5ステージ終了時点でログリッチェとのタイム差は1分59秒だった。
ゴールまで残り32.4kmから、カテゴリー2のコッパ・カザリネッレ峠の上り坂がスタート。残り28.7kmで逃げからマスナーダがアタックし、コンティだけが付いていった。この時点で集団は5分以上後方にいた。
後続グループからはルベン・プラサ(イスラエルサイクリングアカデミー)、ホセホアキン・ロハス(モビスターチーム)、ジョヴァンニ・カルボーニ(バルディアーニ・CSF)がアタックし、先頭の2人を追走したが、峠で追いつくことはできなかった。
先頭の2人はコッパ・カザリネッレ峠の山頂を通過した後も互いに協力し合って逃げ続け、追走グループに40秒近い差を付けたままゴール。最後はマスナーダが天を指差し、ジロ開幕直前に他界した叔父さんに勝利を捧げてフィニッシュラインを通過した。
UCIプロコンチネンタルチームのアンドローニジョカットリ・シデルメクがジロで区間優勝したのは、2012年のロベルト・フェラーリ以来、7年ぶりだった。
集団は7分19秒遅れてゴール。マリア・ローザは区間2位のコンティが獲得した。総合の上位は第6ステージで逃げた選手たちが占め、43秒遅れの区間5位になった23歳のカルボーニが総合2位になり、新人賞のマリア・ビアンカを獲得した。
■区間初優勝したマスナーダのコメント
「逃げ出すのに1時間半かかった。リズムはクレイジーだったよ。幸運にも、ボクは正しい動きをした。ボクたちはよく協力し合った。逃げのグループには何人か強いルーラーが居たから、上りで差を付けなければならないのはわかっていた。ボクはスプリントが強みではないからね。
コンティはそれが正しいことだと理解していて、ボクたちはゴールまで一緒に走った。今日、ボクは期待していなかったことを得た。それはボクを熱狂させ、幸せにしてくれる」
■マリア・ローザに初めて袖を通したコンティのコメント
「ログリッチェが他の誰かにマリア・ローザを渡すつもりでいることは知っていた。でも、それは集団全員が知っていた。だから大勢が逃げ出したいと望んだ。マスナーダはボクよりも強かった。
イタリア人として、マリア・ローザはこの世で最高のものだ。ボクは可能な限りこれを長く持てるように努力する。ボクの脚と心臓が止まると言うまではね」
■第6ステージ結果[5月16日/カッシーノ~サン・ジョバンニ・ロトンド/238 km]
1. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 5h 45’ 01”
2. CONTI Valerio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 0’ 05”
3. ROJAS Jose' (MOVISTAR TEAM / ESP) 0’ 38”
4. PLAZA Ruben (ISRAEL CYCLING ACADEMY / ESP) 0’ 38”
5. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA) 0’ 43”
6. SERRY Pieter (DECEUNINCK - QUICK-STEP / BEL) 0’ 54”
7. MADOUAS Valentin (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 54”
8. PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA) 0’ 57”
9. AMADOR Andrey (MOVISTAR TEAM / CRC) 0’ 57”
10. ANTUNES Amaro (CCC TEAM / POR) 0’ 57”
17. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 07’ 19”
143. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 23’ 08”
■第6ステージまでの総合成績
1. CONTI Valerio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 25h 22’ 00”
2. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA) 1’ 41”
3. PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA) 2’ 09”
4. ROJAS Jose' (MOVISTAR TEAM / ESP) 2’ 12”
5. MADOUAS Valentin (GROUPAMA - FDJ / FRA) 2’ 19”
6. ANTUNES Amaro (CCC TEAM / POR) 2’ 45”
7. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 3’ 14”
8. SERRY Pieter (DECEUNINCK - QUICK-STEP / BEL) 3’ 25”
9. AMADOR Andrey (MOVISTAR TEAM / CRC) 3’ 27”
10. OOMEN Sam (TEAM SUNWEB / NED) 4’ 57”
11. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 5’ 24”
13. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 5’ 59”
14. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 6’ 03”
15. LOPEZ MORENO Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 6’ 08”
166. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 58’ 07”
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA)
(ジロ公式サイト)
第7ステージはアブルッツォ州のラクイラがゴール
5月17日は、アブルッツォ州のヴァストからラクイラまでの185kmで第7ステージが行われる。ゴールのラクイラは、2009年の地震で甚大な被害を受けた町だ。丘越えの多いステージで、ゴールまで残り46.2km地点には標高746mでカテゴリー2のレ・スボルテ・ディ・ポポリ峠越えがある。ラクイラのゴールも2kmの上り坂で、フラム・ルージュを通過した後が平均勾配7.6%で、最大11%の傾斜が含まれている。
初日から山岳賞のマリア・アッズーラを着用しているイタリアのジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)はアブルッツォ出身で、第7ステージは中盤に彼の故郷キエティを通過する。チッコーネはこのステージでマリア・アッズーラを着ていることを目標にしていて、それを見事達成した。