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ジロ・デ・イタリア2019 第14ステージはカラパスが制し、エクアドル初のマリア・ローザ!

レース
 
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月25日にサン・ヴァンサンからモンブラン南斜面のクールマイユールまでの131 kmで、カテゴリー3頂上ゴールの第14ステージを競い、エクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が逃げ切り、第4ステージに続いて今大会2度目の区間優勝を果たした。

区間2位には1分32秒遅れで英国のサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が入り、メイングループは1分54秒遅れでイタリアのヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)を先頭にゴール。マリア・ローザを着ていたスロベニアのヤン・ポランツェ(UAEチーム・エミレーツ)は、7分41秒遅れでゴールした。

区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得したカラパスは、総合成績でスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)にたった7秒差で首位に立ち、祖国エクアドルに初めてのマリア・ローザをもたらした。
 
 
第14ステージは151選手が出走。スタートからアタックが続き、メイン集団はすぐに小さくなった。13.8kmのカテゴリー2の峠をマリア・アッズーラを着たジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が先頭で通過した直後、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・メリダ)が飛び出した。下りでチッコーネ、ファウスト・マスナダとマッテーオ・カッタネオ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)、アンドレイ・アマドール(モビスターチーム)、イバン・ソサ(チームイネオス)らが追いつき、先頭は8人になった。

ゴールまで残り86kmで、逃げグループはチームユンボ・ビスマがコントロールするメイン集団に3分半のタイム差を付けていた。ここで集団からユベール・デュポンとトニー・ガロパン(AG2R・ラモンディアル)が飛び出し、続いてヨン・イサギレ(アスタナプロチーム)、カルーゾが追いつき、4人の追走グループを作った。

この日2つ目の峠だったベッローニェ山頂(残り79.5km)を、逃げグループがチッコーネを先頭に通過した時、追走する4人とは1分20秒差、メイン集団とは2分35秒差だった。続くカテゴリー2のトゥルク・ダルベ峠で追走グループは逃げグループに合流し、先頭は12人になった。トゥルク・ダルベ峠の山頂もチッコーネが先頭で通過した。

残り35kmでこの日最難関のコッレ・サン・カルロ峠(カテゴリー1)が始まった時、逃げはまだ1分半以上のタイム差を付けていた。コッレ・サン・カルロ峠の登坂が始まると、マリア・ローザのポランツは遅れ始めた。先頭はバーレーン・メリダが引き始め、メイン集団は小さくなっていった。ここでニバリがアタックを開始し、総合争いの闘いが始まった。前日素晴らしい走りを見せたバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)は、ここで遅れてしまった。
 
 
先頭の逃げでは残り33.6kmでカッタネオがアタックし、チッコーネとソーサが付いていったが、メイングループが10数秒差に迫ると、チッコーネだけが抵抗を続けることを選択した。メイングループでは残り30kmでロペスがアタックし、イェーツが付いて行けなくなってしまった。

総合争いのメイングループはゴールまで残り28.6kmでチッコーネを吸収し、先頭グループになった。カルーゾが引くこの先頭グループから、残り27.8kmでカラパスがアタックしたが、誰も追走はしなかった。ゴールまで残り25kmの山頂を単独で通過したカラパスは、メイングループに30秒ほどのタイム差を付けていた。下りで一時タイム差は20秒台になったが、ゴールのクールマイユールへと続く登坂が始まると、カラバスとメイングループのタイム差は次第に広がっていった。前日のステージ終了時点で、総合2位のログリッチェと総合6位のカラパスのタイム差は1分57秒だった。

メイングループには、下りでイェーツがジョー・ダンブロウスキー(EFエデュケーションファースト)と一緒に追いついた。イェーツはゴールまで残り2.8kmでアタックしたが、彼はすでに総合で大きく遅れていた為、誰も追わなかった。カラパスはタイム差をどんどん広げて逃げ切り、区間優勝とマリア・ローザの両方を手中に収めてしまった。表彰台の上で彼は、初めて袖を通したマリア・ローザに何度もキスをしていた。


■祖国エクアドルに初のマリア・ローザをもたらした25歳のカラパスのコメント
「我々は、チームによってうまく計画された戦略を使った、というのが真実だ。我々はボクとランダの調子が良い事を知っていたから、アタックするのに適切な瞬間をとらえなければならなかった。ボクは計画通り、全てをやり遂げた。自分がマリア・ローザだなんて信じられない。マリア・ローザはボクが15歳で初めて自転車競技に興味を持った時からの夢だった。その時ボクは、携帯電話でジロを観ていたんだよ」
 
 
■第14ステージ結果[5月25日/サン・ヴァンサン~クールマイユール(スカイウエイ・モンテ・ビアンコ)/131 km]
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 4h 02’ 23”
2. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 01’ 32”
3. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 54”
4. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 01’ 54”
5. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 01’ 54” 
6. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 01’ 54” 
7. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 01’ 54” 
8. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 01’ 54” 
9. DOMBROWSKI Joseph Lloyd (EF EDUCATION FIRST / USA) 01’ 54”
10. CARUSO Damiano (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 02’ 01”

12. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 04’ 04”
20. ZAKARIN Ilnur (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) 07’ 20”
28. POLANC Jan (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 07’ 41”
144. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 40’ 55”

■第14ステージまでの総合成績
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 58h 35’ 34”
2. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 0’07”
3. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 47”
4. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 02’ 10”
5. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 02’ 50”
6. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 02’ 58”
7. POLANC Jan (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 03’ 29”
8. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 04’ 55”
9. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 05’ 28”
10. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 05’ 30”
11. ZAKARIN Ilnur (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) 06’ 04”
149. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 3h 15’ 01”


[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA) 
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS)

ジロ公式サイト

 

第15ステージはミニ・ロンバルディア・ステージ

5月26日はイブレアからコモまでの237kmで “ミニ・ロンバルディア・ステージ” と呼ばれる第15ステージが行われる。前半は平坦だが、後半には5大クラシックの1つであるイル・ロンバルディアのコースに登場するギザッロ峠(カテゴリー2)、ソルマーノ峠(カテゴリー2)、チビリオ峠(カテゴリー3)を通過する。
 
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)

第14ステージのハイライト映像