ニュース
雨のモルティローロを越えたジロ・デ・イタリア2019 第16ステージはチッコーネが逃げ切り区間優勝
レース
2019.05.29
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2019年5月28日にローベレからポンテ・ディ・レンニョまでの194kmで終盤にモルティローロ峠を越える第16ステージを競い、山岳賞のマリア・アッズーラを着た地元イタリアのジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が、チェコのヤン・ヒルト(アスタナプロチーム)と一緒に逃げ切り、ゴールスプリントを制して区間優勝を果たした。
チッコーネはバルディアーニ・CSFでプロデビューした2016年にジロで区間優勝していて、これが2度目の勝利だった。
マリア・ローザを着たエクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)は、1分41秒遅れのメイングループでゴールし、総合首位の座を守った。
第15ステージ終了時点で総合2位だったスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)は、モルティローロ峠でメイングループから脱落し、カラパスよりも1分22秒遅れてゴールし、2分9秒遅れの総合3位に後退した。代わって総合2位に浮上したのは、雨のモルティローロ峠でアタックしたイタリアのヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)だった。
最終週がスタート
2度目の休養日を終え、今年のジロもいよいよ最終週がスタート。第16ステージは雪崩の危険があるためガビア峠越えがキャンセルになり、距離も短縮した。米国のブレント・ブックウォルター(ミッチェルトン・スコット)が出走せず、147選手がローベレをスタートした。
スタートしてすぐにアタックが始まり、21人の逃げ集団が形成された。マリア・アッズーラを着たチッコーネはこの集団に加わっていた。逃げは65km地点でモビスターチームがコントロールする集団に4分差を付けていた。
この日最初に越えた89.6km地点のチェーボ峠(カテゴリー3)はチッコーネが先頭で通過。続く128.2km地点のアプリカ峠(カテゴリー3)もチッコーネが先頭で通過し、山岳賞のポイントをさらに追加した。アプリカ峠で逃げと集団のタイム差は5分近くに広がっていた。
ゴールまで残り40km地点で、11.9km続くモルティローロの登坂が始まった時、逃げと集団のタイム差は5分50秒あった。山頂は雨が降っていて、気温は7℃だった。先頭の逃げ集団では、ネイサン・ブラウン(EFエデュケーションファースト)が最初にアタックしたが、すぐにチッコーネが付いていった。
残り36.8km地点で、先頭はチッコーネ、ヒルト、ファウスト・マスナダ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・メリダ)、ジョー・ダンブロウスキー(EFエデュケーションファースト)、ミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット)の6人になり、さらにアタックが続いていた。
スタートしてすぐにアタックが始まり、21人の逃げ集団が形成された。マリア・アッズーラを着たチッコーネはこの集団に加わっていた。逃げは65km地点でモビスターチームがコントロールする集団に4分差を付けていた。
この日最初に越えた89.6km地点のチェーボ峠(カテゴリー3)はチッコーネが先頭で通過。続く128.2km地点のアプリカ峠(カテゴリー3)もチッコーネが先頭で通過し、山岳賞のポイントをさらに追加した。アプリカ峠で逃げと集団のタイム差は5分近くに広がっていた。
ゴールまで残り40km地点で、11.9km続くモルティローロの登坂が始まった時、逃げと集団のタイム差は5分50秒あった。山頂は雨が降っていて、気温は7℃だった。先頭の逃げ集団では、ネイサン・ブラウン(EFエデュケーションファースト)が最初にアタックしたが、すぐにチッコーネが付いていった。
残り36.8km地点で、先頭はチッコーネ、ヒルト、ファウスト・マスナダ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・メリダ)、ジョー・ダンブロウスキー(EFエデュケーションファースト)、ミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット)の6人になり、さらにアタックが続いていた。
雨のモルティローロ峠でニバリがアタック!
5分半後方のメイン集団では、ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が早々とアタックしたが、総合を争う選手たちは追走しなかった。追ってきたのは英国のヒュー・カーシー(EFエデュケーションファースト)で、1km先でニバリに合流した。残り32.7kmで、先頭の逃げとニバリは4分57秒差、マリア・ローザのグループは5分10秒差だった。
ここでミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)がアタックを開始し、モビスター勢は応戦できたが、ログリッチェは付いて行けずに遅れてしまった。この日の逃げに加わって先行していたアントニオ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が兄に合流し、雨の中を1kmほど引き続けた。
残り30kmで、先頭はチッコーネ、ヒルト、カルーゾの3人になっていた。4分半後方では、ロペスが加速してニバリとカーシーを捕まえた。モルティローロの山頂はチッコーネが先頭で通過し、山岳ポイントを獲得した。後方では逃げ集団にいたペリョ・ビルバオ(アスタナプロチーム)がロペスと共にアタックし、マリア・ローザ集団から先行して山頂を通過。しかし、先頭の逃げとのタイム差はまだ4分近くあった。
雨のモルティローロ峠を無事に下り終えたチッコーネとヒルトは、ゴールまで残り14kmでまだ集団に4分のタイム差を付けていた。カルーゾはマリア・ローザのグループに合流し、ニバリの為に先頭を引き続けた。フラム・ルージュで先頭の逃げと後続のマリア・ローザのグループは、まだ2分以上のタイム差があった。最後はチッコーネとヒルトが一騎打ちのゴール勝負を競い、マリア・アッズーラを着たチッコーネが圧勝した。
■雨のモルティローロ越え区間で優勝したチッコーネのコメント
「この2度目の区間優勝をボクは2年間待っていた。だからボクはフィニッシュラインで喜びのあまり叫んだんだ。ひどい雨と寒さで難しい一日だった。ヒルトは協力することを望まなかったから、ボクたちはちょっとナーバスになっていた。でも、最終的にはボクは全てに満足しているよ」
■第16ステージ結果[5月28日/ローベレ~ポンテ・ディ・レンニョ/194 km]
1. CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA) 5h 36’ 24”
2. HIRT Jan (ASTANA PRO TEAM / CZE)
3. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 01’ 20”
4. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 41”
5. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION FIRST / GBR) 01’ 41”
6. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 01’ 41”
7. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 01’ 41”
8. DOMBROWSKI Joseph Lloyd (EF EDUCATION FIRST / USA) 01’ 41”
9. CARUSO Damiano (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 01’ 49”
10. CATTANEO Mattia (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 02’ 03”
11. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 02’ 03”
12. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 03’ 03”
14. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 03’ 03”
15. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 03’ 03”
16. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 03’ 44”
21. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 04’ 46”
144. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 41’ 50”
■第16ステージまでの総合成績
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 70h 20’ 05”
2. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 47”
3. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 02’09”
4. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 03’ 15”
5. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 05’ 00”
6. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 05’ 40”
7. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 06’ 17”
8. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 06’ 48”
9. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 07’ 51”
10. POLANC Jan (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 08’ 06”
145. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 4h 32’ 07”
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL)
(ジロ公式サイト)
第17ステージはカテゴリー3の頂上ゴール
5月29日は、コンメッザドゥーラ(ヴァル・ディ・ソーレ)から標高1635mでカテゴリー3のアンテルセルバ(アントルツ)頂上までの181kmで第17ステージが行われる。序盤には山岳ポイントがかけられていない標高1363mのメンドーラ峠を越え、後半にはさらにカテゴリー4と3の峠を越える。累積標高は3000mで、難易度は星3つ。
アンテルセルバの頂上ゴールは、全長5.5mで平均勾配は6.9%。中盤に最大で12%の傾斜がある。ゴールはバイアスロン競技場の中だ。
アンテルセルバの頂上ゴールは、全長5.5mで平均勾配は6.9%。中盤に最大で12%の傾斜がある。ゴールはバイアスロン競技場の中だ。