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ジロ・デ・イタリア2019 第17ステージはペテルスが逃げ切りプロ初優勝

レース
 
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2019年5月29日にコンメッザドゥーラ(ヴァル・ディ・ソーレ)から標高1635mでカテゴリー3のアンテルセルバ(アントルツ)頂上までの181kmで第17ステージを競い、フランスのナンス・ペテルス(AG2R・ラモンディアル)が独走で逃げ切り、プロ初優勝となる区間優勝を上げた。

フランスのAG2R・ラモンディアルは、ジロで過去に2回しか区間優勝をしたことがなく、ペテルスは2006年のトーマス・バイトクス(リトアニア)、2011年のジョン・ガドレ(フランス)の区間優勝以来、3度目の勝利をチームにもたらした。

区間2位にはコロンビアのエステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)、3位にはイタリアのダヴィデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグローエ)が入った。

総合リーダーのマリア・ローザは、この日が26歳の誕生日だったエクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が守った。
 
 
第17ステージは145選手が出走。この日最初に越えたメンドーラ峠は標高1363mだったが、山岳賞のカテゴリーは付いてなかった。その上り坂で集団は2つに分断し、峠を下り終えた60km地点で18人の逃げ集団が形成されていた。ペテルスはそこに加わっていた。前日に区間優勝し、山岳賞でも大きくリードしているジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)は、この逃げに加わってはいなかった。80km地点で逃げとメイン集団のタイム差は6分以上に開いていた。

逃げ集団で総合成績が最も上位だったのはフォルモロで、11分51秒差の総合12位だった。エルバス峠でタイム差は7分半に広がり、7分51秒遅れで総合9位だったパヴェル・シヴァコフのトップ10の座を守るために、メイン集団の先頭でチームイネオスが仕事を始めた。

2つの峠を越え、ゴールまで残り28kmの中間スプリント地点を通過した後、先頭の逃げは遅れていた選手が合流して18人に戻った。残り25.3kmで、逃げからニコーラ・コンチ(トレック・セガフレード)とヴァレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)がアタックして先行したが、21.3kmで吸収された。

ゴールまで残り16kmで今度はペテルスが単独でアタックしたが、誰も追わなかった。残り9kmでタイム差が1分になって、コンティが追撃を試み、チャベスとクリッツ・ネイランズ(イスラエルサイクリングアカデミー)が合流したが、勾配は次第にキツくなり、タイム差は一向に縮まらなかった。

ペテルスはそのまま逃げ切り、後続に1分半以上のタイム差を付けてバイアスロン競技場内のゴールへと飛び込んだ。彼は第9ステージで新人賞のマリア・ビアンカを獲得し、3日間着用していた選手だった。


後方のマリア・ローザ・グループでは、12%の勾配だった残り3km地点でミケル・ランダ(モビスターチーム)がアタックし、付いていったのはヒュー・カーシー(EFエデュケーションファースト)だけだった。ランダはこの日、ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)とプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)の2人よりも19秒早くゴールし、総合でのタイム差を縮めることができた。

マリア・ローザのカラパスは、ゴール手前でアタックしたミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)と一緒にゴールし、ニバリ、ログリッチェとのタイム差を7秒広げることができた。


■プロ初優勝がジロでの区間優勝になったペテルスのコメント
「すごいよ! ボクのジロは中盤にマリア・ビアンカを獲得してすでに成功していた。グランツールでプロ初優勝を得るなんて信じられない。逃げの中にいて、ボクは自分自身に一回だけアタックすると約束していて、そのタイミングが正しかったことが証明されたよ」

■26歳の誕生日をマリア・ローザで迎えられたカラパスのコメント
「最後にランダは調子が良かったから、表彰台を目指してタイムを得るためにアタックする決断をした。ボクも調子が良かったから、ランダのアタックから利益を得るために最善を尽くした。マリア・ローザで迎えるよりも良い26歳の誕生日なんてないよ」
 

■第17ステージ結果
[5月29日/コンメッザドゥーラ(ヴァル・ディ・ソーレ)~アンテルセルバ/アントルツ/181 km]
1. PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA) 4h 41’ 34”
2. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 01’ 34”
3. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 01’ 51”
4. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 01’ 51”
5. NEILANDS Krists (ISRAEL CYCLING ACADEMY / LAT)  01’ 51”
6. KANGERT Tanel (EF EDUCATION FIRST / EST) 02’ 02”
7. CONTI Valerio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 02’ 08”
8. BRAMBILLA Gianluca (TREK - SEGAFREDO / ITA) 02’ 08”
9. HAMILTON Christopher (TEAM SUNWEB    /AUS) 02’ 22”
10. VENDRAME Andrea (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 02’ 34”

19. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 04’ 27”
20. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 04’ 39”
21. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 04’ 39”
23. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 04’ 46”
25. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 04’ 46”
26. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 04’ 46”
29. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 05’ 06”
30. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 05’ 09”
38. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 05’ 47”
123. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 30’ 12”

■第17ステージまでの総合成績
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 74h 48’ 18”
2. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 54”
3. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 02’16”
4. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 03’ 03”
5. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 05’ 07”
6. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 06’ 17”
7. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 06’ 48”
8. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 07’ 13”
9. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 08’ 21”
10. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 08’ 59”
144. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 4h 57’ 40”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA) 
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 

ジロ公式サイト
 
 

5月30日はヴァルダオーラ(オーラング)からヴェネツィア近郊のサンタ・マリーア・ディ・サーラまでの222kmで第18ステージが行われる。中盤にカテゴリー4の丘を越えた後は平坦なコースなので、スプリンターには最後の区間優勝のチャンスになるだろう。

 
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)

第17ステージのハイライト映像