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ジロ・デ・イタリア2019 第18ステージはチーマがサプライズな逃げ切り優勝
レース
2019.05.31
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2019年5月30日にヴァルダオーラ(オーラング)からサンタ・マリーア・ディ・サーラまでの222kmで第18ステージを競い、イタリアのダミアーノ・チーマ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が間一髪で逃げ切り、初出場したジロで区間初優勝を果たし、チームに待望のジロ区間初優勝をもたらした。
フィニッシュラインでチーマを捕まえそこなったドイツチャンピオンのパスカル・アッカマン(ボーラ・ハンスグローエ)は、ハンドルを叩いて悔しがっていたが、区間2位で稼いだポイントでポイント賞総合首位に返り咲き、区間8位に終わったフランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)からマリア・チクラミーノを奪い返すことができた。
マリア・ローザはエクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が守った。今年のジロもいよいよ残り3ステージ。頂上ゴールが2日続いたあと、6月2日の最終日にはヴェローナで個人タイムトライアルが競われる。
第18ステージは143人が出走。今年のジロでマリア・ローザを6日間着用したイタリアのヴァレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)がスタートしなかった。彼は先週から結節の痛みと闘っていて、それが前日のステージ終了後に悪化してしまった。
30km地点でカテゴリーのない峠を上り終えた後、下りで集団は3つになり、9選手が30秒ほどのタイム差を付けて逃げ出した。そこから生き残って逃げ続けたのが、ニコ・デンツ(AG2R・ラモンディアル)、ミルコ・マエストリ(バルディアーニ・CSF)、チーマだった。
3人の逃げは60km地点で集団に3分半のタイム差を付け、123km地点では5分以上に広がった。159.5kmの中間スプリント地点で、集団はマリア・チクラミーノのデマールが先頭で通過し、わずかなポイントを稼いだ。
ゴールまで残り30kmで、逃げのタイム差はまだ3分40秒あった。集団はイスラエルサイクリングアカデミーとボーラ・ハンスグローエが引いたが、その差はなかなか縮まらず、1分を切ったのは残り7.4kmだった。先頭では、残り3.7kmでデンツがアタックしたが、マエストリがそれを許さず、数100m先で捕まった。
3人がフラムルージュを通過した時、集団は16秒後方に迫っていた。最後のホームストレートで集団はゴールスプリントを開始し、逃げていた3人は最後に飲み込まれるだろうと思われたが、3人の中で最後にスパートしたチーマの後ろについたアッカマンは、彼を追い越せなかった。サプライズな逃げ切りを成功させたチーマは、そのまま両手を上げてフィニッシュした。
■初出場したジロで区間初優勝したチーマのコメント
「今起きたことが信じられない。このジロでボクはとても長い時間を逃げで費やしていた。絶対できないと思っていたが、今日ボクは勝った。クレイジーだ。これは一生の夢だ」
■第18ステージ結果[5月30日/ヴァルダオーラ/オーラング~サンタ・マリーア・ディ・サーラ/222 km]
1. CIMA Damiano (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / ITA) 4h 56’ 04”
2. ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
3. CONSONNI Simone (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
4. SENECHAL Florian (DECEUNINCK - QUICK-STEP / FRA)
5. GIBBONS Ryan (TEAM DIMENSION DATA / RSA)
6. BELLETTI Manuel (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA)
7. CIMOLAI Davide (ISRAEL CYCLING ACADEMY / ITA)
8. DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA)
9. BENNETT Sean (EF EDUCATION FIRST / USA)
10. MAESTRI Mirco (BARDIANI CSF / ITA)
11. DENZ Nico (AG2R LA MONDIALE / GER) 0’ 02”
134. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 06’ 11”
■第18ステージまでの総合成績
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 79h 44’ 22”
2. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 54”
3. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 02’16”
4. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 03’ 03”
5. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 05’ 07”
6. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 06’ 17”
7. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 06’ 48”
8. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 07’ 13”
9. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 08’ 21”
10. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 08’ 59”
143. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 5h 03’ 51”
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL)
(ジロ公式サイト)
今年のジロは残り3日! 第19ステージはカテゴリー2の頂上ゴール
5月31日は、トレヴィーゾから標高1478mでカテゴリー2のサン・マルティーノ・ディ・カストロッツァまでの151 kmで、頂上ゴールの第19ステージが行われる。サン・マルティーノ・ディ・カストロッツァは全長13.6kmで平均勾配は5.6%。中盤に最大10%の傾斜がある。
マリア・ローザのカラパスは「ボクはマリア・ローザを獲得する前にピンク色の自転車をお願いしていて、それが昨日の誕生日に届いたんだ。ボクは最後の3ステージを前にして自信を持っている。可能な限り最高の方法で対処できることを望んでいる」と、話している。
マリア・ローザのカラパスは「ボクはマリア・ローザを獲得する前にピンク色の自転車をお願いしていて、それが昨日の誕生日に届いたんだ。ボクは最後の3ステージを前にして自信を持っている。可能な限り最高の方法で対処できることを望んでいる」と、話している。