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頂上ゴールのジロ・デ・イタリア2019 第19ステージはチャベスが逃げ切り優勝

レース
 
第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2019年5月31日にトレヴィーゾからカテゴリー2のサン・マルティーノ・ディ・カストロッツァ山頂までの151 kmで第19ステージを競い、コロンビアのエステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)が逃げ切り、ジロで3度目の区間優勝を果たした。

区間2位はイタリアのアンドレーア・ヴェンドラーメ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)、3位はポルトガルのアマロ・アントゥネス(CCCチーム)だった。

総合上位に変動はなく、総合リーダーのマリア・ローザはエクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が守った。

 
 
第19ステージは143選手が出走。スタートしてすぐに5選手がアタックし、11人の逃げが形成された。ここにチャベスも加わっていた。彼は2016年に総合2位になっていて、本来であれば総合を争う選手だが、今年は第18ステージ終了時点ですでに1時間以上遅れ、総合39位だった。

11人の逃げをジョヴァンニ・カルボーニ(バルディアーニ・CSF)が独走で追い続け、40km地点で合流することができた。カルボーニが追いついて、先頭の逃げ集団が12人になった時、集団とのタイム差はすでに7分半開いていた。

ゴールまで残り34.5kmのラモン峠山頂で、逃げからマヌエーレ・ボアーロ(アスタナプロチーム)がアタックし、先頭で山頂を通過し、そのまま独走を続けた。彼は下りで14秒ほどのタイム差を付けて先行したが、ゴールまで残り19.5kmで吸収されてしまった。

最後のサン・マルティーノ・ディ・カストロッツァ山の登坂が始まる直前に、今度は逃げからマルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がアタック。13.6kmの登坂を、後続に11秒差を続けて独走した。この時、集団は9分以上後方を走っていた。

追走グループではアタックの掛け合いが始まっていたが、チャベスは落ち着いていた。ゴールまで残り8kmで先行していたカノラを吸収したのはチャベス、ヴェンドラーメ、ボアロ、アントゥネスだったが、さらにピーテル・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ)、フランソワ・ビダール(AG2R・ラモンディアル)も追いついてきた。

そこから残り2.7kmまで、チャベスはアタックを繰り返し、ライバルたちの力を削ぎ落としていった。残り3.6kmでは、ヴェンドラーメが自転車のチェーンが外れるアクシデントに見舞われてしまい、区間優勝争いから脱落してしまった。

満を持して最後のアタックを決めたチャベスには、もう誰も付いていくことはできなかった。彼は最後の2.7kmを独走し、コロンビアからやって来た両親が待つゴールへと飛び込んだ。チャベスは2016年と昨年もジロで区間優勝していて、これが3度目の勝利だった。

メイン集団では、前日のステージで新人賞のマリア・ビアンカを取り戻したコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)がアタックしたが、彼はまだ総合で6分以上遅れていたため、追走する選手はいなかった。

それでもこの動きで総合を争う選手が加速し、15人ほどのマリア・ローザ集団が形成された。ロペスはこのグループよりも44秒早くゴールし、総合でのタイム差をわずかに縮めることができた。マリア・ローザ集団では、ゴール手前でプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)がアタックするシーンもあったが、ライバルたちを出し抜くことはできなかった。

■両親の目前で3度目のジロ区間優勝を果たしたチャベスのコメント
「これは純粋な幸福だ。やっと重荷が降ろせた。再び勝者になってホッとする。ボクはできるんだと見せられた。最後の上りはとても険しくはなかったから、ボクは何度も何度もアタックしなければならなかった。ボクが大変だった時に支えてくれたみんなにすごく感謝している」
 
第19ステージで区間優勝したチャベス(中央)と両親 
第19ステージで区間優勝したチャベス(中央)と両親 
 
■第19ステージ結果[5月31日/トレヴィーゾ~サン・マルティーノ・ディ・カストロッツァ/151 km(頂上ゴール)]
1. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 4h 01’ 31”
2. VENDRAME Andrea (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 0’ 10”
3. ANTUNES Amaro (CCC TEAM / POR) 0’ 12”
4. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF /ITA) 0’ 24”
5. SERRY Pieter (DECEUNINCK - QUICK-STEP / BEL) 0’ 32”
6. BIDARD Francois (AG2R LA MONDIALE / FRA) 0’ 35”
7. CANOLA Marco (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / ITA) 01’ 02”
8. BOARO Manuele (ASTANA PRO TEAM / ITA) 01’ 37”
9. SENNI Manuel (BARDIANI CSF / ITA) 01’ 53”
10. LE GAC Olivier (GROUPAMA - FDJ / FRA) 02’ 33”

13. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL)  05’ 45”
14. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 06’ 29”
15. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 06’ 29”
16. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 06’ 29”
17. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 06’ 29”
131. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 23’ 48”

■第19ステージまでの総合成績
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 83h 52’ 22”
2. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA /ITA) 01’ 54”
3. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 02’16”
4. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) 03’ 03”
5. MOLLEMA Bauke (TREK - SEGAFREDO / NED) 05’ 07”
6. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 05’ 33”
7. MAJKA Rafal (BORA - HANSGROHE / POL) 06’ 48”
8. YATES Simon Philip (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 07’ 17”
9. SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS) 08’ 27”
10. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 10’ 06”
143. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 5h 21’ 10”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER) 
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 

ジロ公式サイト
 

今年のジロ最後の山岳決戦は4つの峠を越えた後、カテゴリー1の頂上ゴール/累積標高は5500m!

最終日前日の6月1日は、フェルトレからクローチェ・ダウーネ モンテ・アヴェーナまでの194kmで、カテゴリー1の頂上ゴールとなる第20ステージが行われる。第16ステージのガビア峠が積雪の影響でキャンセルされたため、2つ目に越える標高2047mでカテゴリー1のマンゲン峠にチマ・コッピ賞が設定された。マンゲン峠は全長18.9kmで、平均勾配は7.6%だ。

後半は標高1980mで全長20.6kmのロッレ峠(カテゴリー2)を越えた後、クローチェ・ダウーネ モンテ・アヴェーナへと向かう。最後のクローチェ・ダウーネは2つの上りで構成され、全長は約20km。最初の11.1kmは平均勾配5.5%で、山頂近くに最大16%の難所がある。

標高1015mの山頂を越えた後、一旦下り、残り6.9kmから標高1225mの山頂へと向かう最後の登坂がスタートする。平均勾配は7.3%だ。第20ステージの累積標高は実に5500m。クローチェ・ダウーネ モンテ・アヴェーナの頂上で今年の勝者は確定するかもしれない。
 
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)
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第19ステージのハイライト映像