ダウンヒルライダー・清水一輝が、インドネシアのパトロールマウンテンFJCに加入
インドネシアのパトロールマウンテンFJCダウンヒルチーム(以下パトロールFJC)が清水一輝を獲得、3月9日にジャカルタで記者会見を開き、チームの結成を発表した。
パトロールFJCはポポ・アリオを主軸に東南アジア圏での活動を展開しており、今季よりワールドカップへの参戦を計画、UCIグラビティチームへの登録を準備していた。昨年までイギリスのトップチーム、マディソン・サラセンに在籍した清水のチーム離脱を聞いたパトロールFJCは清水の獲得に向けて交渉を開始、これに清水が合意した。
左から監督のアンドレ、清水、ポポ、メカニックのトニ
パトロールブランドの親会社であるユナイテッドバイク社は、ジャカルタやバリ島において大規模なダウンヒルレース、アジアパシフィックダウンヒルチャレンジを開催、清水はこの大会に過去に2度出場し、ワールドカップクラスのゲストライダーも参加する中、2大会ともに3位表彰台を獲得。
インドネシア国内における知名度の向上とユナイテッド関係者との関係が良好だったことから、契約交渉はスムーズに運んた。チームメイトのポポ・アリオはジャワ島在住の28歳。XC競技出身というめずらしい経歴ながら、DHに転向後に頭角を現し、インドネシアチャンピオン獲得5回、アジア選手権でも2度優勝。インドネシアでは唯一無二の存在として君臨している。
清水の獲得を経て、チームは正式にUCIチーム登録を済ませ、今季ワールドカップ4大会の出場を計画している。
清水とポポ、組み上がったばかりのPatrol871
ジャカルタで開かれた記者会見では、ポポ、清水に加えてユナイテッド社の代表でチームオーナーのアリフィン氏が挨拶。マウンテンバイク競技の活性化に向けて、今後も努力していくとの方針を語りった。
清水の獲得については「すばらしいタイミングでチャンスが巡ってきました。日本のワールドカップライダーを迎え入れることができて誇りに思っています。我々はヨーロッパよりも先に、アジア圏での活動、知名度向上を目指しており、日本人とともに戦えることをうれしく感じます。チームにとってワールドカップ参戦の初年度となりますが、彼の経験から学べることも多いだろうと期待しています。」とコメント。
果敢な走りを見せた清水一輝。強豪がひしめくオーストラリア選手権において15位と健闘した
出席した記者から出た清水の経歴に関する質問には、チーム監督を務めるアンドレ氏から「日本を代表するトップライダーであり、国内チャンピオンも獲得している。ワールドカップ参戦の経験も抱負で、チームにとっては申し分ない人材だ。」と述べた。
清水とチームメイトとなったポポは「(清水の加入は)私にとってもすばらしいことです。インドネシアではトレーニングの相手がいませんでした。カズキは速いしテクニックも持っている。お互いに成長できるのを楽しみにしている。」と笑顔で話した。
記者会見の翌日にチームはインドネシアを離れ、オーストラリア、ヴィクトリア州ブライトで開催されたオーストラリア選手権大会に参戦。新しいチームとしていきなりのビッグレースで、清水が15位、ポポは26位と健闘した。
レースを終えた清水は「難しいレースでした。新しい環境とオーストラリア独特の路面コンディション、新しいバイク、それでも決勝は今の自分にできるパフォーマンスを発揮できたと思います。チームは監督を中心にフレンドリーにまとまっていて、とても居心地が良いです。このチームでワールドカップに挑戦するのが楽しみです。」とコメント。
「とてもハッピーで満足している。カズキもポポも、いい走りをしてくれた。チームの船出として貴重な経験になったことを喜びたい」とアンドレ監督も手応えを感じていた。
清水とポポが使用するバイクはPatrol871。27.5インチホイールを使用するトップグレードのバイクとなる
パトロールFJCがダウンヒルに投入するバイクはPatrol871。日本国内はもちろん、インドネシア国内でもまだ流通が始まっていないバイクだが、チームの活躍によって今後の知名度向上を期待している。
今季、パトロールFJCはフォート・ウィリアム、レオガン、モンサンタン、ウィンダムの4つのワールドカップに参戦する計画で準備をすすめている。
問・SL MEDIA http://www.slmedia.jp