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ブエルタ第4ステージはモレノが区間優勝、ニーバリがふたたびマイヨ・ロホを獲得

レース


第68回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月27日にラリン(ア・エストラーダ)からフィニステラまでの189kmで中級山岳区間の第4ステージを競い、カテゴリーのないアップヒルゴールで地元スペインのダニエル・モレノ(カチューシャ)が区間優勝した。2位はスイスのファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・レオパード)、3位はオーストラリアのマイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ)だった。アップヒルゴールで長く伸びたメイン集団は区間22位で中切れし、マイヨ・ロホのクリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード)は6秒遅れの区間26位でのゴールになってしまった。このため、3秒差で総合2位につけていたイタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がふたたび総合首位に返り咲いた。ニーバリはこの日、マイヨ・ロホを取り返すつもりはなく、順位を争うこともなく区間16位でゴールしていたため、自分が総合首位になったことを知らずにゴール後はチームバスに直行してしまったハプニングもあった。
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第4ステージは196選手が出走。スタートからアタックがつづき、9km地点でダニロ・ワイス(BMC)、デニス・バネンデルト(ロット・ベリソル)、ニコラ・エデ(コフィディス)、ユッシ・ベイッカネン(FDJ.fr)が逃げ出し、3km後にアレックス・ラスムセン(ガーミン・シャープ)加わって先頭は5人になった。彼らはレディオシャック・レオパードがコントロールする集団に最大で7分半近く差を付けたが、先頭でオメガファルマ・クイックステップも仕事に加わると、その差は次第に縮まっていった。

この日の終盤に唯一設定されていたカテゴリー3のミラドール・デ・エサロのふもとで、5人と集団の差は1分37秒しかなかった。ミラドールの上り坂が始まるとラスムセンとベイッカネンがすぐに脱落。つづいてワイスとバネンデルトも遅れ、先頭はエデだけになった。残り34.4kmの山頂をエデが単独で通過した時、集団とのタイム差はたった34秒だった。その後、アメツ・チュルカ(カハルラル)らがエデに合流したが、ゴールまで残り17.5kmですてべの逃げは集団に吸収されてしまった。

メイン集団は1つのまま、ゴールへと向かうカテゴリーのない坂に到着。フラム・ルージュを目前にして最初に仕掛けたのは地元スペインのフアンアンチニオ・フレチャ(バカンソレイユ・DCM)だったが、残り500メートルで山岳賞ジャージを着たモレノが集団から抜けだして彼を追い越し、独走でゴールを目指した。その後方ではカンチェッラーラが猛追したが力及ばす、モレノが2011年につづいて2度目の区間優勝を果たした。「今年はこれまでのシーズンのようにラッキーではなかったから、ものすごくうれしい。まだ4~5年はプロで走るだろう。ボクたちはまずはこの勝利を祝って、日々残りのブエルタを取るつもりだ。まだ先は長く、ボクは第9ステージは高く評価できると思っている。ガリシアでは難しい4日間で、レースはとてもハードだった」と、区間優勝したモレノは語っている。

ふたたびマイヨ・ロホを着たニーバリは「ホーナーのチームはリーダージャージを守る目標を持っていたから、これがボクの元に戻ってきたのは驚きだった。何が起きたのかわからないよ。どこかで差が開いたんだろう。ボクは何も大きなアクションを起こさなかった。ボクたちはマクシム・イグリンスキーの区間優勝を狙っていたが、こういったとても速いスプリントでは彼をいい位置に連れて行くのは難しかった。残り30kmからはとてもナーバスなステージだった」と、語った。

8月28日はソベルからラゴ・デ・サナブリアまでの174.3kmで、カテゴリー3の峠を2ヶ所越える中級山岳区間の第5ステージが行われる。
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■第4ステージ[8月27日/ラリン(ア・エストラーダ)~フィニステラ(エタパ・フィン・デル・ムンド)/189km]

1 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)4時間37分47秒

2 ファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・レオパード/スイス)

3 マイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)

4 ジャンニ・ミールスマン(オメガファルマ・クイックステップ/ベルギー)

5 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)

6 エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー)

7 リナルド・ノチェンティーニ(AG2R・ラモンディア/イタリア)

8 ワレン・バルグイユ(アルゴス・シマノ/フランス)

9 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)

10 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)

11 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)

15 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)

16 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)

19 ロマン・クロイツィーゲル(サクソ・ティンコフ/チェコ)

23 イバン・バッソ(キャノンデール/イタリア)+6秒

26 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+6秒

■第4ステージまでの総合成績

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)14時間15分30秒

2 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+3秒

3 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+8秒

4 アイマル・スベルディア(レディオシャック・レオパード/スペイン)+16秒

5 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+21秒

6 ロベルト・キーゼルロブスキー(レディオシャック・レオパード/クロアチア)+26秒

7 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+28秒

8 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+31秒

9 ラファウ・マイカ(サクソ・ティンコフ/ポーランド)+38秒

10 ロマン・クロイツィーゲル(サクソ・ティンコフ/チェコ)+42秒

14 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+49秒

16 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+53秒

21 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+1分15秒

27 イバン・バッソ(キャノンデール/イタリア)+1分32秒

29 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+1分41秒

42 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+2分59秒

[各賞]

■ポイント賞:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)

■山岳賞:ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)

■コンビネーション賞:ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)

■チーム成績:レディオシャック・レオパード(ルクセンブルク)

(http://www.lavuelta.com/)