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ブエルタ第9ステージは激坂ゴールを制したモレノがリーダージャージも獲得!

レース

第68回ブエルタ・ア・エスパーニャは、9月1日にアンテケラからバルデペニャス・デ・ハエンまでの163.7kmで第9ステージを競い、激坂ゴールを制した地元スペインのダニエル・モレノ(カチューシャ)が今大会区間2勝目を上げた。2位はアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)、3位はホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)だった。リーダージャージのマイヨ・ロホを着たアイルランドのニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ)は8秒遅れの区間4位でゴール。第8ステージ終了の時点で17秒遅れだったモレノは、区間1位のボーナスタイム10秒を獲得していたため、たった1秒差でローチを逆転し、マイヨ・ロホも獲得した。
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第9ステージは194選手が出走。スタートしてすぐにオランダチャンピオンのジョニー・ホーヘルラント(バカンソレイユ・DCM)とルーク・ロウ(スカイ)がアタックし、ロイド・モンドリ(AG2R・ラモンディア)、フランシスコハビエル・アラメンディア(カハルラル)、アントニー・ルー(FDJ.fr)が合流して逃げグループを作った。5人は27km地点で集団に6分34差をつけたが、この日の区間優勝を狙っていたBMCとカチューシャが先頭で仕事を開始し、タイム差はそれ以上開かなかった。

ゴールまで残り24km、標高1340メトールでカテゴリー2のフライレス峠のふもとで、5人の逃げは全員捕まった。フライレス峠ではクロアチアチャンピオンのロベルト・キーゼルロブスキー(レディオシャック・レオパード)が単独アタックを試みたが、山頂まで残り1kmで集団から飛び出したエドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ)に抜かれてしまった。

ボアソンハーゲンは単独で山頂を通過。数十秒差を守って独走を続けたが、ゴールまで残り1.7kmでカチューシャが引くメイン集団に吸収されてしまった。そして残り1kmから“バルデペニャスの壁”と呼ばれる激坂がスタート。イタリアのイバン・バッソ(キャノンデール)が先頭で壁を上り始めた。しかし、勾配がもっともキツい27%のエリアでアタックしたのは、ポイント賞のマイヨ・ベルデを着たモレノだった。モレノがそこで後続に差をつけると、バルベルデが追撃したが、その後ろにはモレノのチームメートであるロドリゲスがピタリと付いていた。モレノは後続に飲み込まれることなく、そのまま独走でゴールへと飛び込んだ。
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「もちろんこの勝利はとてもうれしいし、自分がマイヨ・ロホを獲得したこともうれしい。今日はプリト(ロドリゲス)と話し合って、この作戦を計画した。ボクは2011年に彼がアタックしたのと同じ場所でアタックしなければならなかった。そしてボクはそれをやった。プリトとチームのおかげで、ボクはこの信じられないような成績を獲得できたんだ」と、モレノは喜びを語っている。

9月2日は、いよいよシエラネバダ山脈を舞台に、今年最初の本格的な山岳区間である第10ステージが行われる。前半にカテゴリーの付いた峠はないが、終盤に標高1465メートルでカテゴリー1のモナチル峠を越えたあと、標高1650メートルでカテゴリー超級のアザリャナス峠山頂にゴールする。今年最初のカテゴリー超級ゴールは、全長15.8km、平均勾配は5%だが、中盤と終盤に18%の難所を2ヶ所越えなければならない。
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■第9ステージ結果[9月1日/アンテケラ~バルデペニャス・デ・ハエン/163.7km]

1 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)4時間18分57秒

2 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+4秒

3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+4秒

4 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+8秒

5 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+8秒

6 リナルド・ノチェンティーニ(AG2R・ラモンディア/イタリア)+8秒

7 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+8秒

8 フィリップ・ジルベール(BMC/ベルギー)+13秒

9 ワレン・バルグイユ(アルゴス・シマノ/フランス)+13秒

10 イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+15秒

11 イバン・バッソ(キャノンデール/イタリア)+15秒

12 イバン・サンタロミータ(BMC/イタリア)+15秒

13 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+18秒

17 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+18秒

19 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+26秒

25 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+43秒

33 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+49秒

38 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+58秒

■第9ステージまでの総合成績

1 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)35時間58分34秒

2 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+1秒

3 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+19秒

4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+22秒

5 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+28秒

6 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+56秒

7 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+1分09秒

8 アイマル・スベルディア(レディオシャック・レオパード/スペイン)+1分10秒

9 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+1分22秒

10 イバン・サンタロミータ(BMC/イタリア)+1分25秒

12 イバン・バッソ(キャノンデール/イタリア)+1分36秒

16 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+2分22秒

18 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+2分27秒

22 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+3分28秒

25 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+3分48秒

[各賞]

■ポイント賞:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)

■山岳賞:ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)

■コンビネーション賞:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)

■チーム成績:モビスターチーム(スペイン)

(http://www.lavuelta.com/)