【速報】ジロ第16ステージはインチャウスティが区間初優勝
第96回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月21日にフランスのバロワールからイタリアへ戻り、イブレアにゴールする238kmで第16ステージを競い、スペインのベニャト・インチャウスティ(モビスター)が三つ巴のゴール勝負を制して区間初優勝した。2位はタネル・カンゲルト(アスタナ)、3位はプジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダ)だった。マリア・ローザのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は14秒遅れのグループでゴールし、総合首位の座を守った。
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2度目の休養日が明け、今年のジロもいよいよ最終週に突入した。第16ステージは日曜日に一度越えた雪のモン・スニ峠を序盤に再度通過。その後は平坦だが、ゴール手前にカテゴリー3のアンドラーテが設定されていた。この最後の上り坂で集団は1つだったが、山頂手前でコロンビアのカルロスアルベルト・ベタンクール(AG2R・ラモンディアル)がアタックし、山頂を先頭で通過。下りでサムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ)が追いついたあと、マリア・ローザのニーバリも合流したが、ライバルたちを出し抜くことはできなかった。3人は追走グループに捕まり、先頭は15人ほどになった。ここで遅れを取ったのは、総合4位だったイタリアのマウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア)だった。彼はこの日、2分半近く遅れてゴールし、総合6位に後退してしまった。
先頭集団からゴールまで残り7.5kmでアタックしたのは、ニーバリのアシストをつとめるエストニアチャンピオンのカンゲルトだった。すぐにインチャウスティ、ニエミエツ、ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ)が合流し、4人でゴールを目指した。しかしヘーシンクは、ゴールまで残り2kmでメカニカルトラブルに見舞われて脱落してしまった。フラムルージュを通過した後、3人は牽制を開始。最初にロングスパートを開始したのはニエミエツだった。しかし、ゴールまではまだ遠く、後から仕掛けたインチャウスティに抜かれてしまった。第7ステージでマリア・ローザを1日着用したインチャウスティは区間優勝も獲得し、その勝利を故シャビエル・トンドに捧げた。「ボクはステージの終わりに両手を上げることを目標に、このジロにやって来た。マリア・ローザはチームにとってとても重要だったけど、個人TTで失ったのは後味が悪かった。今日はボクの区間優勝を勝ち取ったんだ」と、インチャウスティは語っている。彼は区間優勝しただけでなく、総合成績も10位から9位に上がった。
5月22日はカラバッジョからビチェンツァまでの214kmで第17ステージが行われる。平坦区間に分類されてはいるが、ゴール手前にはカテゴリー4の丘が設定されていて、ピュアなスプリンターには不利なステージだ。
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■第16ステージ結果[5月21日/バロワール(フランス)~イブレア/238km]
1 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)5時間52分48秒
2 タネル・カンゲルト(アスタナ/エストニア)
3 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダ/ポーランド)
4 ラムナス・ナバルドースカス(ガーミン・シャープ/リトアニア)+14秒
5 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+14秒
6 フランコ・ペッリゾッティ(アンドロニジョカットリ・ベネズエラ/イタリア)+14秒
7 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+14秒
8 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+14秒
9 ホセ・エラダ(モビスター/スペイン)+14秒
10 カルロスアルベルト・ベタンクール(AG2R・ラモンディアル/コロンビア)+14秒
12 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+14秒
■第16ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)67時間55分36秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+1分26秒
3 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+2分46秒
4 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+3分53秒
5 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダ/ポーランド)+4分13秒
6 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)42分57秒
7 カルロスアルベルト・ベタンクール(AG2R・ラモンディアル/コロンビア)+5分15秒
8 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+5分20秒
9 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+5分47秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+7分34秒
[各賞]
■ポイント賞:マーク・カベンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ/英国)
■山岳賞 :ステファノ・ピラッツィ(バルディアーニバルボレ・CSFイノックス/イタリア)
■新人賞 :カルロスアルベルト・ベタンクール(AG2R・ラモンディアル/コロンビア)
(http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2013/it/)
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ジョルジュはBサンプルでも陽性
5月10日に行わたジロのドーピング検査でヘプタミノールの陽性になったフランスのシルバン・ジョルジュ(AG2R・ラモンディアル)は、B検査でも同様の結果となり、陽性が確定したとUCIが発表した。ジョルジュは今後、フランス車連の懲罰手続きを受けることになる。