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ブエルタ第17ステージはモレマがサプライズな区間優勝!

レース

第68回ブエルタ・ア・エスパーニャは、休養日明けの9月11日にカラオラからブルゴスまでの189kmで第17ステージを競い、終盤で30人ほどに減った先頭集団から残り1kmからのロングアタックを決めたオランダのバウケ・モレマ(ベルキン)が区間優勝した。2位はエドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ)、3位はマキシミリアノアリエル・リチェセ(ランプレ・メリダ)だった。マイヨ・ロホを着たイタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は先頭集団でゴールし、総合首位の座を守った。この日は強い横風の影響で集団が分断し、ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)とティボー・ピノ(FDJ.fr)が後方の集団に取り残されてしまった。彼らは1分31秒遅れでゴール。ポッゾビーボは総合5位の座をニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ)に奪われてしまった。
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ブエルタもいよいよ最終週に突入。2度目の休養日の間にレースを去る選手はなく、第17ステージは150選手がスタートした。3km地点からアタックした地元スペインのフランシスコハビエル・アラメンディア(カハルラル)とオーストラリアのアダム・ハンセン(ロット・ベリソル)は、50km地点で最大8分10秒差を付けた。 しかし集団の先頭では、集団ゴールスプリントでの区間優勝を狙うランプレ・メリダとオリカ・グリーンエッジが仕事をし、タイム差は縮まっていった。ゴールまで残り35kmで、2人と集団のタイム差は1分45秒だった。

残り27kmで、強い横風の影響で集団は3つに分裂。メイン集団は50人ほどになってしまった。いちばん後ろの集団には総合5位のドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)と総合7位のティボー・ピノ(FDJ.fr)が取り残されていた。ローチの総合順位を上げたいチームサクソ・ティンコフが、メイン集団の先頭を激しく引き続け、その差は次第に開いていった
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ゴールまで残り21kmで、アラメンディアとハンセンはチームサクソ・ティンコフが引く先頭集団に吸収された。残り18kmで、先頭集団と第2集団は22秒差、第2集団と第3集団は14秒差だった。残り14kmで、第3集団は第2集団に合流したが、先頭集団との差は40秒に開いていた。

先頭集団からは終盤にあった丘でイタリアのディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)がアタック。数秒差で先行したが、残り5kmで捕まってしまった。この丘で先頭は30人程度に減っていたが、総合上位の選手は顔を揃えていた。

最後は集団ゴールスプリントになるだろうと思われていた矢先、残り1kmのフラム・ルージュを通過後、ゴールまでまっすぐのコースで先頭から飛び出したにはモレマだった。一瞬の隙をついたモレマの奇襲は成功し、集団は一瞬ためらったかのように動きが止まった。そしてボアソンハーゲンが集団の先頭でスプリントしたときには、彼はすでに両手を上げてゴールへと飛び込んでいた。

「これが区間優勝できる最後のチャンスだと知っていた。今日は一日中、残り1kmでアタックすることを考えていたよ。風のせいで集団は小さくなった。でも、終盤の坂は遠すぎた。だから最後の瞬間まで待ったんだ。ボクのチームは3人残っていて、彼らはボクのために素晴らしい働きをしてくれた。残り1kmで集団のスピードが少し落ちて、ボクは左側から動いた。後ろのことは気にしなかった。勝てて本当に満足だ」と、モレマは喜びを語った。彼は今年のブエルタに総合優勝を目指して参加していたが、最初の山岳区間で優勝争いから脱落していた。「ツールの後だったから、ブエルタの総合でいい成績を出すのは難しいだろうと思っていた。そして最初の1週間で、本当に不可能だと理解したんだ。それで計画を変更して、区間を狙うことにしたんだ」

12日はブルゴスからペーニャ・カバルガまでの186.5kmでカテゴリー1の頂上ゴールとなる山岳区間の第18ステージが行われる。ゴールのペーニャ・カバルガは全長5.9kmで標高は565メートルしかないが、平均勾配は9.2%、もっともキツイ20%の斜面は残り1kmにある。
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■第17ステージ結果[9月11日/カラオラ~ブルゴス/189km]

1 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)4時間44分28秒

2 エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー)

3 マキシミリアノアリエル・リチェセ(ランプレ・メリダ/アルゼンチン)

4 タイラー・ファーラー(ガーミン・シャープ/米国)

5 ファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・レオパード/スイス)

6 グレガ・ボレ(バカンソレイユ・DCM/スロベニア)

7 ルーカ・パオリーニ(カチューシャ/イタリア)

8 パウル・フォス(ネットアップ・エンデューラ/ドイツ)

9 ホセ・エラダ(モビスターチーム/スペイン)

10 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)

37 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+1分31秒

39 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分31秒

■第17ステージまでの総合成績

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)68時間50分29秒

2 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+28秒

3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+1分14秒

4 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+2分29秒

5 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+3分43秒

6 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+5分09秒

7 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+6分08秒

8 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+6分17秒

9 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+7分33秒

10 タネル・カンゲルト(アスタナ/エストニア)+10分52秒

[各賞]

■ポイント賞:アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)

■山岳賞:ニコラ・エデ(コフィディス/フランス)

■コンビネーション賞:クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)

■チーム成績:エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)

(http://www.lavuelta.com/)