ニュース

【速報】ジロ第3ステージはベテランのパオリーニが逃げ切り優勝でマリア・ローザを獲得!

レース


第96回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月6日にソレントからマリーナ・ディ・アシェーアまでの222kmで第3ステージを競い、地元イタリアのルーカ・パオリーニ(カチューシャ)が、ゴールまで残り6.6km地点からのロングエスケープを決め、区間初優勝してマリア・ローザも獲得した。16秒後にゴールした追走集団はゴールスプリントで区間2位の座をカデル・エヴァンス(BMCレーシング)が獲得。3位にはライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)が入った。
*


第3ステージは序盤から7人が逃げ出して始まった。メンバーはジャクソン・ロドリゲス(アンドロニジョカットリ・ベネズエラ)、ハルリンソン・パンタノ(コロンビア)、ディルク・ベレマーケルス(ロット・ベリソル)、バルト・ドバックル(チームアルゴス・シマノ)、マヌエーレ・ボアロ(チームサクソ・ティンコフ)、ウィレム・ウォーテルス(バカンソレイユ・DCM)、ファビオ・タボッレ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア)で、ゴールまで残り129km地点で6分45秒差を付けていた。この日は後半にカテゴリー2のサン・マウロ・チレント峠と、カテゴリー3のセッラ・ディ・カトナ峠を越えるレイアウトだった。最初の峠で逃げグループからドバックルが脱落し、先頭は6人で山頂を通過。マリア・ローザを擁するスカイがコントロールするメイン集団とのタイム差は3分56秒に縮まっていた。

ゴールまで残り55kmで先頭の逃げグループから、ビーニファンティーニ・セッレイタリアのタボッレがアタックし、単独でゴールを目指した。メイン集団は残りの5人を残り32kmで吸収すると、ガーミン・シャープが先頭をはげしく引き始めた。残り26km地点、セッラ・ディ・カトナ峠の上り坂でメイン集団からゼッケン1のライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)がアタック。先行していたタボッレをあっさり追い抜いて先頭に立ったが、その後は後続の到着を待って合流した。この上り坂でマリア・ローザのサルバトーレ・プッチョ(スカイ)は、30人ほどに絞られたメイン集団から脱落。彼は結局7分以上遅れてゴールした。

セッラ・ディ・カトナ峠の下り坂はつづら折りのカーブがつづくテクニカルなコースだったが、バレリオ・アニョーリ(アスタナ)が集団の先頭からアタックし、ヘシェダール、パオリーニ、マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア)らがつづいた。しかし彼らは集団を引き離すことはできず、ゴールまで残り8kmで先頭は20人ほどの精鋭グループになっていた。ここから残り6.6kmでパオリーニがアタック。またたく間にその差を広げ、残り4kmで11秒差をつけることに成功した。精鋭グループでは下り坂でミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ)が落車に巻き込まれて自転車が破損。チームメートのシモーネ・ストルトーニの自転車を借りてライバルたちを追走したが、追いつくことはできなかった。スカルポーニはこの日、1分失ってしまった。

残り1kmのフラム・ルージュを通過したあと、後ろをふり返って勝利を確信したパオリーニは、ジロ区間初優勝をじっくり味わうかのようにゴールへと飛び込んだ。プロ14年目で36歳のパオリーニは、イタリア人でありながらこれが初めて参加したジロだったが、たった3日で区間優勝とマリア・ローザの両方を手に入れてしまった。彼は今季、ベルギーのクラシック開幕戦であるオムロープ・ヘットニュースブラッドでも初優勝している。「11月に監督たちと今年のレースプログラムを検討したとき、もしクラシックシーズンがよく走れたら、その後ジロを走ることにしたんだ。ボクはもう36歳だとわかっているけど、ジロに出たかったんだ。それでパリ~ルーベの後、7日間休んで、ツアー・オブ・ターキーを走った。それが勝因だった。ボクはジロにいいコンディションでやって来て、最初の3区間にチャンスがあるってわかっていたのさ」と、初めて走ったジロで区間優勝したパオリーニは語った。「ボクの父親のジョバンニは、今日手術で病院にいる。彼はなんとかステージの一部を見られた。ボクは父と話をして、この区間優勝を彼に捧げた。ボクにとっても彼にとってもこれは素晴らしかった。ボクたちはとても仲がいいのさ」

5月7日はポリカストロ・ブセンティーノからセッラ・サン・ブルーノまでの246kmで中級山岳ステージの第4ステージが行われる。前半は平坦だが、終盤にカテゴリー3のビーボ・バレンティーナ峠とカテゴリー2のクローチェ・フェッラータ峠を越えなければならない。(MAP:RCS Sport)
*


■第3ステージ結果[5月6日/ソレント~マリーナ・ディ・アシェーア/222km]
1 ルーカ・パオリーニ(カチューシャ/イタリア)5時間43分50秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+16秒
3 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+16秒
4 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+16秒
5 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+16秒
6 ジャンパオロ・カルーゾ(カチューシャ/イタリア)+16秒
7 ピーテル・ウィーニンフ(オリカ・グリーンエッジ/オランダ)+16秒
8 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+16秒
9 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+16秒
10 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+16秒
17 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+16秒
21 ファビオ・アル(アスタナ/イタリア)+50秒
33 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+1分00秒
77 サルバトーレ・プッチョ(スカイ/イタリア)+7分05秒
■第3ステージまでの総合成績
1 ルーカ・パオリーニ(カチューシャ/イタリア)9時間04分32秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+17秒
3 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+17秒
4 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+26秒
5 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+31秒
6 バレリオ・アニョーリ(アスタナ/イタリア)+31秒
7 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+34秒
8 ジャンパオロ・カルーゾ(カチューシャ/イタリア)+36秒
9 ユーリ・トロフィモフ(カチューシャ/ロシア)+36秒
10 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+37秒
12 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+42秒
15 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+45秒
19 ファビオ・アル(アスタナ/イタリア)+1分05秒
20 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+1分18秒
22 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+1分23秒
[各賞]
■ポイント賞:ルーカ・パオリーニ(カチューシャ/イタリア)
■山岳賞  :ウィレム・ウォーテルス(バカンソレイユ・DCM/ベルギー)
■新人賞  :ファビオ・アル(アスタナ/イタリア)
(http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2013/it/)