【速報】ジロ第11ステージはナバルドースカスが区間優勝
第96回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月15日にタルビーズィオ(カーベ・デル・プレディル)からバヨン1963/2013(エルト・エ・カッソ)までの182kmで中級山岳区間の第11ステージを競い、リトアニアのラムナス・ナバルドースカス(ガーミン・シャープ)が逃げ切って区間初優勝した。2位はイタリアのダニエル・オス(BMCレーシング)、3位はマリア・アッズーラのステファノ・ピラッツィ(バルディアーニバルボレ・CSFイノックス)だった。メイン集団は5分41秒遅れでゴールし、マリア・ローザはイタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が守った。
ナバルドースカスは75km地点から逃げ出した20人のグループの1人だった。総合上位の選手は含まれていなかったため、メイン集団はこの日の逃げを見逃した。120km地点に設定されていたカテゴリー2のチャンピゴット峠を越えたあと、下り坂で最初にアタックしたのはドイツのTTスペシャリスト、パトリック・グレッチュ(チームアルゴス・シマノ)だった。彼は逃げの仲間に1分半のタイム差を付けて先頭を独走したが、追いかけてきたナバルドースカスとダニエル・オス(BMCレーシング)の2人に残り17.5kmで捕まってしまった。グレッチュは残り11kmで脱落し、先頭はナバルドースカスとオスの2人になった。そしてバヨンへと向かうカテゴリー2の峠で、オスをふり落としたナバルドースカスはそのまま5kmの登坂を独走してゴールした。メイン集団からは、最後の坂でスペインのベニャト・インチャウスティ(モビスター)がアタック。メイン集団よりも18秒早くゴールし、総合のトップ10に復帰している。
「今日は逃げができるチャンスがあるとみんなが知っていた。だから逃げができるのに時間がかかったんだ。序盤は下りで向かい風だった。だからタイム差を広げるのは難しかった。そして長い上り坂にさしかかったとき、レースの流れは変わった。逃げが生まれて、それは逃げ切れるだろうと誰もが思っていた。総合成績で一番いい選手でも10分以上遅れていたから、優勝候補たちは大きなステージの前で気楽に走っていたからね」と、ナバルドースカスはこの日のステージを振り返った。彼は昨年チームタイムトライアルで優勝し、マリア・ローザを2日間着用したが、個人で区間優勝したのはこれが初めてだった。「去年は本当に特別で、ボクは本当にそれを楽しんだ。けれど今日は自分のために勝った。自分の名前がジロの優勝者リストに載るのは名誉なことだ。でも、マリア・ローザを着ることは、区間優勝とくらべることはできないよ。今日は勝ててとてもうれしい。まったくちがう気分だ」
5月16日はロンガローネからトレビーゾまでの134kmで、平坦区間の第12ステージが行われる。
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■第11ステージ結果
[5月15日/タルビーズィオ(カーベ・デル・プレディル)~バヨン1963/2013(エルト・エ・カッソ)/182km]
1 ラムナス・ナバルドースカス(ガーミン・シャープ/リトアニア)4時間23分14秒
2 ダニエル・オス(BMCレーシング/イタリア)+1分08秒
3 ステファノ・ピラッツィ(バルディアーニバルボレ・CSFイノックス/イタリア)+2分59秒
4 サルバトーレ・プッチョ(スカイ/イタリア)+3分07秒
5 パウル・マルテンス(ブランコプロ/ドイツ)+3分07秒
6 ダニーロ・ディルーカ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+3分07秒
7 エゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+3分07秒
8 セルジュ・パウエルス(オメガファルマ・クイックステップ/ベルギー)+3分10秒
9 エフゲニ・ペトロフ(チームサクソ・ティンコフ/ロシア)+3分11秒
10 ジャクソン・ロドリゲス(アンドロニジョカットリ・ベネズエラ/ベネズエラ)+3分25秒
■第11ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)43時間26分27秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+41秒
3 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+2分04秒
4 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+2分05秒
5 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+2分12秒
6 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+2分13秒
7 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+2分55秒
8 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダ/ポーランド)+3分35秒
9 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+4分10秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+4分17秒
11 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+4分21秒
[各賞]
■ポイント賞:カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)
■山岳賞 :ステファノ・ピラッツィ(バルディアーニバルボレ・CSFイノックス/イタリア)
■新人賞 :ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)
(http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2013/it/)
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ジョルジュがジロの検査で陽性
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ジロに参加していたフランスのシルバン・ジョルジュ(AG2R・ラモンディアル)は、5月10日の検査で採取された尿サンプルから禁止薬物のヘプタミノールが検出された。ヘプタミノールはUCIのアンチ・ドーピングルールで、暫定的な資格停止処分を課さないと指定されている物質ではあるが、チームはこの日、彼を出走させなかった。ジョルジュにはBサンプルでの再検査を要請する権利がある。(http://www.uci.ch/)
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