狭い車道で有効! 茅ヶ崎市の自転車通行路面表示
道幅が狭く自転車レーンが設置できない車道でも、自転車通行のための路面表示が有効--。神奈川県茅ケ崎市が2012年11月から今年1月にかけて行った社会実験で、車道左側の白線の内側に「左側通行」と路面表示することにより、自転車が左側通行を守る率が高まることが明らかとなりました。
今回の社会実験では、幅が狭く自転車レーンを設置できない車道で、路面表示により自転車の走行空間を確保し、またドライバーに対しても自転車への注意を促すのが目的。市内を南北に走る「左富士通り」を使って有効性を検証しました。
路面表示は6種類のデザインを、道路の両側に合計27か所設置。日中の自転車通行台数が約2400台に上る同道路でアンケートなどを通じて調査したところ、路面表示による自転車走行位置の指示が必要と答えた人は7割以上に上り、自転車が左側通行を守る率も設置前の61.8%から設置後には72.3%に向上したことがわかりました。
また、路面表示のデザインは白い矢印と「左側通行」の文字、ならびに自転車の絵記号を組み合わせたものに決定。寸法や色などは今後決めていくとしています。
今回の社会実験は、国交省などが昨年秋に発表した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に先駆ける形で実施。茅ヶ崎市都市政策課の大谷篤課長は「道幅が狭くて自転車レーンが設置できない車道でも、路面表示によって自転車が安全に通行できる環境を整備できることがわかった」と話しています。
現在、同市内では神奈川県が茅ヶ崎中央通り(県道45号線)で自転車レーンの設置を進めるほか、市内を走る国道1号線でも国交省が自転車レーンを整備する計画。同市では今後、今回の路面表示を活用しながら、自転車レーンどうしを結ぶ自転車利用ネットワークを作っていく考えです。(斉藤円華)
車道の白線内側に設けられた、自転車の左側通行を促す路面表示
路面表示のデザイン