【速報】ジロ個人TTでダウセットが優勝/マリア・ローザはニーバリ!
第96回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月11日にガビーチェ・マーレからサルターラまでの54.8kmで個人タイムトライアルを競い、英国のアレックス・ダウセット(モビスター)が、同じ英国出身のブラッドリー・ウィギンス(スカイ)よりも10秒上回る好タイムでサプライズな区間初優勝を果たした。ウィギンスはパンクで途中自転車を交換しなければならなかったのがタイムに響いた。マリア・ローザはダウセットより21秒遅れで区間4位になった地元イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が獲得している。彼はアップダウンのある前半を上手く走りこなし、26km地点の中間計測ポイントでダウセットよりも8秒上回っていたが、後半は平坦なコースだったため、タイムが伸びなかった。
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区間優勝した24歳のダウセットは昨年までスカイに所属し、ウィギンスのチームメートだった。「ボクにとって、これは自分がするべきことをするだけのレースだった。ボクはたくさんの選手を捕らえた。まるでニンジンが目の前にぶら下げられているような感じだった。でも彼らは気楽に走っているんだと知っていた。待機しているのはひどい気分だった。際立った場面は3回あった。カンゲルトがボクのタイムにとても近づいたとき、そして中間計測ポイントでボクがウィギンスより上回っていたとき。彼のタイムは良くなるだろうと思っていたけど。そして3回目はニーバリで、自分が逆転されるかもしれないと思った時だ。彼は曲がりくねったスタートを上手く走った。けれどその後のパワーを必要とするセクションでは、ボクの方が優っていた。それが勝因だったよ」と、ダウセットはこの日のレースを振り返った。そして彼は「ボクはスカイで過ごした時間を楽しんだ。プロとして最初の2年を過ごすには、最高の場所だった。けれど、ビッグレースを走らせてはもらえなかった。モビスターはボクを必要としてくれた。一番重要だったのは、彼らがボクをビッグレースに参加させたがったことだった。チームにはとても感謝している。彼らはこのステージの前に、ボクを可能な限り休ませてくれた。彼らの信頼に応えることができてうれしいよ」と、喜びを語っていた。
マリア・ローザを獲得した28歳のニーバリは「リズムが何度も変わる難しいTTだった。クライマー向きだったよ。こういった長いTTでは、エヴァンスやヘシェダールのような選手がうまくやるだろうと思っていた。ボクは軽いから最初の25kmでは強かったけど、彼らは後半で盛り返してきた。このマリア・ローザを守るつもりだ。彼らはきっと攻撃してくるだろう」と、語っている。
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この日、ウィギンスは区間優勝こそ逃したが、前日の遅れを取り戻して1分16秒遅れの総合4位に復帰した。彼は「このステージは勝ちたかったから、ちょっとがっかりしたよ。昨日の落車と復帰があったから、挑戦をしなければならない日だった。しかし、簡単なコースではなかった。ずっと言っていたけど、スタートがとてもテクニカルなコースだから、3分や4分も差を付けられる類のステージではなかった。しかもパンクに遭って自転車を交換しなければならなかったから、明らかにリズムを崩された。でも、後半は本当にボク向きのコースだったから、そこでタイムを取り戻すことができたんだ。このレースはこうあるべきで、今やっとボクたちは正しい位置に戻った。次の2週間は地獄のレースになるだろうね」と、語っている。
5月12日はサンセポルクロからフィレンツェまでの170kmで、中級山岳区間の第9ステージが行われる。コースは中盤にカテゴリー2のコンスーマ峠とカテゴリー1のバッロンブローザ峠を越え、終盤にはカテゴリー3と4の丘を1つずつ越えたあと、フィレンツェの街を一望できる丘にあるミケランジェロ広場でゴールする。ゴールまで残り2kmは平均勾配3%の上り坂だ。(MAP: RCS Sport)
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■第8ステージ結果[5月11日/ガビーチェ・マーレ~サルターラ(個人TT)/54.8km]
1 アレックス・ダウセット(モビスター/英国)1時間16分27秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+10秒
3 タネル・カンゲルト(アスタナ/エストニア)+14秒
4 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+21秒
5 ステフ・クレメント(ブランコプロ/オランダ)+32秒
6 ルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)+35秒
7 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+39秒
8 マヌエーレ・ボアロ(チームサクソ・ティンコフ/イタリア)+45秒
9 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+53秒
10 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+53秒
11 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+1分22秒
12 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+1分48秒
18 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+2分23秒
41 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)
■第8ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)29時間46分57秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+29秒
3 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+1分15秒
4 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+1分16秒
5 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+1分24秒
6 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+2分05秒
7 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+2分11秒
8 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+2分43秒
9 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダ/ポーランド)+2分44秒
10 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+2分49秒
11 ピーテル・ウィーニンフ(オリカ・グリーンエッジ/オランダ)+2分50秒
12 タネル・カンゲルト(アスタナ/エストニア)+3分02秒
13 ウィルコ・ケルデルマン(ブランコプロ/オランダ)+3分26秒
14 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+3分36秒
15 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+3分43秒
17 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+4分09秒
[各賞]
■ポイント賞:マーク・カベンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ/英国)
■山岳賞 :ジョバンニ・ビスコンティ(モビスター/イタリア)
■新人賞 :ウィルコ・ケルデルマン(ブランコプロ/オランダ)
(http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2013/it/)
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