ブエルタ第13ステージは21歳の新人バルギルが区間優勝
第68回ブエルタ・ア・エスパーニャは、9月6日にバルスからカステルデフェルスまでの169kmで第13ステージを競い、72km地点から逃げ切った6人でのゴール勝負となり、21歳のネオプロでグランツール初出場だったフランスのワレン・バルギル(アルゴス・シマノ)が初区間優勝の大金星を上げた。2位はイタリアのリナルド・ノチェンティーニ(AG2R・ラモンディア)、3位はオランダのバウケ・モレマ(ベルキン)だった。メイングループは2分43秒遅れでゴールし、イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がリーダージャージのマイヨ・ロホを守った。
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第13ステージは183選手が出走。セバスティアン・ランダー(BMC)とビセンテ・レイネス(ロット・ベリソル)が出走しなかった。スタートからアタックがつづいたが、なかなか逃げ出せる選手はいなかった。10km地点で落車が発生し、パブロ・ラストラス(モビスターチーム)が鎖骨、肩甲骨、肋骨を骨折してリタイア。ローレンス・テンダム(ベルキン)もレースを続けられなかった。 72km地点でついに6人の逃げが決まり、そこにバルギル、モレマ、ノチェンティーニも含まれていた。彼らにミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ)やイタリアチャンピオンのイバン・サンタロミータ(BMC)を含めた12人が合流し、逃げは18人になった。彼らは105km地点で3分近い差をつけて逃げ続けた。
この日の後半に設定されていたカテゴリー1のラト・ペニャト峠で先頭グループからスカルポーニがアタックし山頂をトップで通過したが、下りで吸収された。メイングループではカチューシャが先頭を引いて集団を分解し、そこからホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が先行する場面があったが、総合争いに影響するような結果にはならなかった。
ゴールが目前にせまり、残り8kmで逃げグループから最初にアタックしたのはエゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ)とジェローム・コッペル(コフィディス)だった。スカルポーニが合流して3人になったが、そのまま逃げ切ることはできなかった。そしてベテラン勢の闘いを尻目に、フラム・ルージュの手前からロングアタックを決めたのは、今年デビューしたばかりのバルギルだった。
「ブエルタに来た時、チームがボクを信じてくれて、初めてのグランツールを走る機会を与えてくれただけで満足していた。だから最初の目標は、完走することだったんだ。これがチャンピオンの誕生なのかどうかはボクにはわからない。ただ、たくさんの努力と犠牲のおかげなのだとはわかっている。それが幸せをもたらしてくれた。この勝利は、最近他界した祖父に捧げる。ボクが自転車に乗っているとき、祖父がボクの脚に力をくれるのさ」と、区間優勝したバルギルは語った。彼は昨年、アマチュア版のツール・ド・フランスと言われるツール・ド・ラブニールで総合優勝している。
週末はいよいよピレネー山岳ステージだ。9月7日はバガからアンドラ公国のコリャダ・デ・ラ・ガリナまでの155.7kmで第14ステージが行われる。中盤に標高2410メートルでカテゴリー超級のエンバリーラ峠を越え、2つのカテゴリー2の峠を越えた後、ゴールは標高1550メートルでカテゴリー1の頂上ゴールだ。
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■第13ステージ結果[9月6日/バルス~カステルデフェルス/169km]
1 ワレン・バルギル(アルゴス・シマノ/フランス)4時間00分13秒
2 リナルド・ノチェンティーニ(AG2R・ラモンディア/イタリア)+7秒
3 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+7秒
4 イバン・サンタロミータ(BMC/イタリア)+7秒
5 シャビエル・サンディオ(スカイ/スペイン)+7秒
6 アメツ・チュルカ(カハルラル/スペイン)+7秒
7 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+7秒
8 エゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+7秒
9 ジェローム・コッペル(コフィディス/フランス)+24秒
10 ベニャト・インチャウスティ(モビスターチーム/スペイン)+2分34秒
■第13ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)49時間29分02秒
2 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+31秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+46秒
4 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+46秒
5 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+2分33秒
6 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディア/イタリア)+2分44秒
7 イバン・バッソ(キャノンデール/イタリア)+2分52秒
8 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+3分35秒
9 ラファウ・マイカ(サクソ・ティンコフ/ポーランド)+3分46秒
10 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+3分56秒
[各賞]
■ポイント賞:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)
■山岳賞:クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)
■コンビネーション賞:ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)
■チーム成績:アスタナプロチーム(カザフスタン)