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スポーツイベントによる地域活性化。さいたまスポーツコミッションの取り組み

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スポーツによる地域活性化を目指す日本初の組織「公益社団法人さいたま観光国際協会スポーツコミッション」は、2013年10月26日、世界で初めてツール・ド・フランスを冠したイベント「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」を開催した。

支出が当初予定を約1億9000万円上まわる約5億5600万円にのぼり、約1億5200万円の会計補正予算を市議会に提出したことが報じられたが、100年以上の歴史あるツール・ド・フランスのブランド力と、世界132カ国以上でテレビ放送されたPR効果は計り知れない。

その「さいたまスポーツコミッション」で事業担当 副参事を務める星野 正氏の講演が、12月5日スポルテック2013会場内にて行なわれた。

 

 

星野氏は1993年からJリーグ・浦和レッズを文化として育ててきた浦和市・政策局出身。その浦和市が大宮市、与野市と合併し、さいたま市が誕生したのは2001年のこと。

2009年「スポーツ振興まちづくり条例制定」をマニフェストに清水勇人市長が就任してからは、星野氏も条例作りに参画。2010年4月に政令市初のスポーツ振興まちづくり条例施行、2011年7月にスポーツ振興まちづくり計画策定、同年10月には本格的スポーツコミッションが設立された。

「さいたまスポーツコミッション」は''海も山もない''さいたま市に観光客を呼びこむためスポーツ資源を活用し、社会課題、行政課題をスポーツをハブにして解決しようと取り組んでいる。

その一例が荒川河川敷の区画整理で、サッカー競技場を中心に街づくりを進めた。

 

 

このような「スポーツによる街づくり」はアメリカでも盛んだが、「さいたまスポーツコミッション」は、より文化的なヨーロッパの手法に着目。

第2次大戦で壊滅的な被害を受けたオランダ第2の都市・ロッテルダムがスポーツイベント開催で成功を収めていたことから、2012年7月に現地の組織「ロッテルダムトップスポーツ」と連携協定を締結した。

ツール・ド・フランスがフランス以外の近隣諸国をグランデパール(スタート地点)とすることが増えており、ロッテルダムが2010年のグランデパールに選ばれたのも記憶に新しい。

これを実現した「ロッテルダムトップスポーツ」のアドバイスを受けて、清水市長がツールドフランスを主催するASOの社長と直接交渉。トップ同士が新たなサイクリングイベント創出で合意に至った。

 

「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」は、世界のトップ選手をさいたま市に呼ぶこと、ツールの世界観をさいたま新都心に再現することを目標とし、ASO監修によるイメージ戦略によって大きな成功を収めた(動員数20万人)。

星野氏は「スポーツの力を新たなマーケットへつなげていきたい」とコメントしている。

さいたまスポーツコミッション http://saitamasc.jp/

■サイスポ・トピックス:マイヨ・ジョーヌが日本上陸!さいたまクリテリウムbyツールドフランス http://www.cyclesports.jp/articles/detail.php?id=376