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警察・自治体、「自転車運転者講習制度」の広報始める - 改正道路交通法

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自転車による交通事故の抑制を目的とした「自転車運転者講習制度」が6月から始まる。2年前に改正された道路交通法の規定によるもので、施行を前に警察や自治体が広報を始めた。
 
「自転車運転者講習制度」の施行を知らせる警視庁の案内チラシ
 
■3年以内に2回以上摘発で受講
自転車運転者講習の対象となるのは、信号無視や一時停止違反など14項目の「悪質運転危険行為」によって3年以内に2回以上摘発された人。対象者には管轄の公安委員会から受講命令が下され、受講しない場合は5万円以下の罰金が科される。
受講時間は3時間で、運転者としての資質向上に関する講習や個別指導などが行なわれる予定。受講料は各地の公安委員会が独自に定めることができるが、標準額は5700円だ。都内の場合、講習は運転免許試験場(鮫洲・府中)、交通安全教育センター(喜多見)で実施。受講の日時と場所は「受講命令書」で通知される。
新たな制度の施行が迫るのにあわせて、各地の警察や自治体のウェブサイトには自転車運転者講習に関する情報が掲載され始めている。
 
■違反検挙が容易に
悪質運転危険行為に指定された14項目は、いずれも既に道交法で罰則が定められており、摘発時には警察から「赤キップ」が交付される。14項目の指定で、現場の警察官による違反検挙を容易にする狙いもあるとみられる。
14項目の内、例えば「通行区分違反」は、車両である自転車の車道通行を定めた道交法第17条の第1・4・6項の規定によるもの。また「交差点での右折車優先妨害」は、自転車が右折する際、直進する車両を妨害した際に適用される。
さらに「安全運転義務違反」は、例えばスマートフォンを操作しながら運転したことが原因で交通事故を起こした場合などが想定されている。
自転車などの軽車両による違反検挙では信号無視がもっとも多く、2012年の検挙総数(約8千件)の2割を占める。新制度の施行で検挙数が一挙に増えることが予想される一方、取締りに当たる警察の対処能力が限界に達するのでは、との見方もある。(斉藤円華)
<参考リンク>
警視庁 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/bicycle/kousyu.htm
東京都中野区 http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/508000/d020690.html
神奈川県警察 http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0207.htm#no9