10周年! 2015スポニチ佐渡ロングライド210
2006年から開催され、ついに今年は記念すべき10回目の迎えたスポニチ佐渡ロングライド。当日参加者数も3244人と過去最多。毎年吹く風も今年は弱く、当日は過去10年で最もよい天候だと多くの参加者が語っていた。とはいえ、走る距離が短くなるわけではない。Aコース(210km)を実走した長い長~い1日をレポートする。(写真は佐渡随一の景勝地、大野亀。多くの参加者が快走していた。)
朝3時に起床。眠い目をこすりながら集合場所の佐渡中央会館へ向かうと。そこには、朝4時台にも関わらず全国から集まった老若男女のロングライド愛好家で 埋め尽くされていた。会場への道中は、多くの参加者が自転車で宿泊先から自走で向かう様子が見られた。ちなみに集合場所では当日の朝、荷物預かりサービス を受けられる。会場近くの宿は、佐渡ロングライドの時期はすぐ満室になってしまうというから、来年参加する人は早めの予約が必須だ。
●午前5時半より、順次スタート。参加者は210kmの道のりを各自のペースですすむ
午前5時半、河原田小学校前を3244人のサイクリストがスタートしていく。ロングライドのスタートは参加者のレベル、コース別に分かれたウエーブスタートだ。島1周210kmに挑戦するAコースは自己申告で速い人からA1、A2、A3に分かれてスタート。続いて、島の北半分、大佐渡を回ってスタート地点まで戻ってくるBコース(130km)、大佐渡を周り両津BSをゴールとするCコース(100km)の参加者が出発。最後に20km地点にある相川ASで折り返してくるDコース(40km)が出発した。
スタートしてしばらくは海岸線を進む。走り始めということもあり、ウインドブレーカーを羽織っていても若干肌寒い。相川エイドステーション(以下AS)、入崎AS(40km地点)を過ぎると、最初の難所Z坂に差しかかる(57km地点)。つづく大野亀坂に差しかかると、まわりを走る参加者から、「すごい!」「美しい!」という声が上がっていた。思わず写真を撮るために立ち止まる参加者も続出。2つの難所を過ぎると、エイドまでは比較的平坦な道が続く。追い風も味方して、残りの大佐渡エリアを快走。
●相川ASでは、わかめそばが振る舞われた! 各エイドには、オレンジやバナナ、おにぎりなどの補給食が充実
午前10時前には、おんでこドームにある両津弁当ステーション(102km地点)に到着しここで昼食。会場では佐渡の伝統芸能も披露され、ここでゴールとなる100kmコースの参加者もふくめて思い思いにちょっと早めのランチタイムを楽しんでいた。両津を出ると、次のエイドは140km地点の多田ASだ。両津のトイレは混雑していたので、筆者はトイレを我慢して出発。じつは佐渡ロングライドの隠れた?魅力はトイレポイントの多さだ。ほかのロングライドイベントでは、エイドにしかトイレの用意がない大会がほとんどだが、佐渡ではイベントのために地元の施設がトイレを解放しているのだ。約30~40カ所あった。「トイレ」ののぼりが目印。
ロングライドイベントで時間のロスとなるのが、トイレ待ちの時間だ。しかし、佐渡ロングライドでは、ムリにエイドでトイレにいかなくても、「すぐにトイレがあるだろう」という安心感があるので、走りを楽しむことに集中できる。そんな参加者目線で細かいところにも気配りされているのは大会の魅力のひとつだ。
●162km地点の小木ASをすぎると、激坂が連発する区間に突入する。ここを越えれば、完走が現実味をおびてくるだけに踏ん張りどころだ
多田AS(140km地点)までは、逆風が続き思うように進まない。それでも、地元の人に言わせれば「この程度はそよ風」だそうだ。もちろん去年はもっと風が強かったらしい。今年参加して本当によかった……。小木AS(162km地点)に着くころには、さすがに疲れた表情を見せる参加者も多かった。そのせいか、ストレッチブースは行列ができるほどの大混雑。
小木ASを出ると、今大会いちばんの難所、激坂エリアが続く。160km以上走ったあとでこの仕打ち、あまりにも残酷だ。この時点で、14時半。ペースの合う人と一緒に走れたことも幸いし、足切り時間にはまだ十分余裕がある。
午後4時10分、素浜AS(180km地点)を出ると、あとはフィニッシュまで一直線! 最後は追い風も味方し、時速35km巡航でぐいぐい進む。
●佐渡ロングライド無事完走。でかしました!!
午後5時10分、半日前にスタートした河原田小学校前で、大会名物DJのタネさんによる「おかえり~!」コールをうけてフィニッシュ。完走証を持った多くの参加者が口々に、「今年は走りやすくて楽しかった。」、「また来年も参加します!」などうれしそうに話していた。来年は自分も……やっぱり210kmかな!
●益子直美さんと山本雅道夫妻も出走! 今年初めて210kmに挑戦する益子さんは「昨年、130kmに出たときは制限時間ギリギリだったので、今年は出来るか不安です」とコメントしていたが、無事に完走していた。
開催日:5月17日(日) 開催場所:新潟県佐渡市
主催:佐渡市スポーツ振興財団/佐渡市/佐渡観光協会/スポーツニッポン新聞社/佐渡汽船
共催:佐渡ロングライドクラブ 特別協力:JKA
text●西村裕貴 photo●山内潤也