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ブエルタ第9ステージは頂上ゴールでドゥムランがフルームを打ち負かして区間初優勝

レース
 
スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月30日にトレビエハからクンブレ・デル・ソル(ベニタチェル)までの168.3kmで中級山岳区間の第9ステージを競い、オランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)が、カテゴリー1の頂上ゴールで英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)を打ち負かし、グランツールで区間初優勝した。

リーダージャージのマイヨ・ロホを着たコロンビアのエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)は、59秒遅れの区間15位でゴール。10秒のボーナスタイムを獲得したドゥムランが、総合首位の座に返り咲いた。総合2位にはこの日区間3位に入った地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が浮上し、チャベスは総合3位に後退した。

 
マイヨ・ロホを獲得したドゥムラン
マイヨ・ロホを獲得したドゥムラン
最後の坂でアタックしたドゥムラン
最後の坂でアタックしたドゥムラン
第10ステージのコースプロティール(MAP:Unipublic)
第10ステージのコースプロティール(MAP:Unipublic)
第9ステージは前日の事故で負傷したスロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)と、落車で手首の舟状骨を骨折したまま区間優勝したベルギーのジャスパー・ストゥイヴェン(トレック)が出走しなかった。

序盤から14人が逃げ出し、山岳賞のマイヨ・デ・ルナレスを着た地元スペインのオマール・フライレ(カハルラル)も加わっていた。フライレは126.4km地点で通過したカテゴリー2のアルト・デ・プイグ・リョレンサを先頭で通過して5ポイントを獲得。山岳賞の総合首位を守り、敢闘賞も獲得した。

ゴールへと続く4.1kmのアルト・デ・プイグ・リョレンサ(カテゴリー1)の登坂が始まったとき、先頭にはまだ逃げ集団の選手たちが残っていたが、すぐメイン集団に吸収されてしまった。

しかし、序盤のキツい勾配で集団もバラバラになり、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がアタックを試みたが成功しなかった。そしてゴールまで残り2.7kmでアタックしたのがドゥムランだった。この時は抜け出すことができなかったが、彼は1km先でもう一度アタックし、後続にタイム差を付けた。メイングループの後方ではフルームが一度脱落したが、彼はまだ終わっていなかった。

ゴールまで残り1.3kmで、ドゥムランはマイヨ・ロホを着たチャベスもいる9人の追走グループに9秒差を付けていた。しかし、息を吹き返したフルームが追走グループの前を引き、ドゥムランを捕らえてしまった。

最後に先頭はフルーム、ロドリゲス、ドゥムランの3人になり、そのままフルームが区間優勝するのではないかと誰もが思っていた。ところが残り100メートルで後方からドゥムランがスパートしてフルームを追い抜くと、そのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。タイムトライアルのスペシャリストだと思われていた24歳のドゥムランが、上りでの可能性を見せつけた瞬間だった。

「このステージの間、とても調子がいいと感じていた。昨日は最高の1日ではなかったから、期待はしていなかった。けれどこのステージは驚くほどうまく行った。最後の上り坂での僕の作戦は、平坦な部分でアタックして、キツい部分ではしがみついているというものだった。こんな風に区間優勝できるなんて想像もしていなかったよ」と、ドゥムランはこの日のステージをふり返った。

「このブエルタでは、何が期待できるか正確にはわからなかったから、最初の1週間と自分のコンディションには本当に満足している。リーダージャージを取り戻すことができて誇りに思う。ここからどうなっていくには、日に日にわかるだろう。まだ厳しい山岳は走っていないけれど、僕のクライミングスキルは上達しているよ」


8月31日はバレンシアからカステリョンまでの146.6kmで第10ステージが競われる。中級山岳ステージだが頂上ゴールではなく、序盤にカテゴリー3の峠越えが1カ所と、終盤にカテゴリー2の峠越えが1カ所あるだけだ。


■第9ステージ結果[8月30日/トレビエハ~クンブレ・デル・ソル(ベニタチェル)/168.3km]
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)4時間09分55秒
2 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+2秒
3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+5秒
4 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+16秒
5 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+18秒
6 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+20秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+20秒
8 ニコラス・ローチ(チームスカイ/アイルランド)+31秒
9 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+33秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+34秒
15 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+59秒
141 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+16分55秒

■第9ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)35時間22分13秒
2 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+57秒
3 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+59秒
4 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)+1分07秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分09秒
6 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+1分13秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分17秒
8 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分18秒
9 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分47秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+1分52秒
76 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+52分28秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)
 


Summary - Stage 9 (Torrevieja / Cumbre del Sol... 投稿者 la_vuelta