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新城が逃げに加わったブエルタ第13ステージはオリベイラが独走で区間優勝
レース
2015.09.05
スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月4日にカラタユドからタラソナまでの178kmで第13ステージを競い、ポルトガルTTチャンピオンのネルソン・オリベイラ(ランプレ・メリダ)が、最後の29kmを独走で逃げ切り、グランツールで区間初優勝を上げた。
オリベイラはこの日、序盤から逃げ出した24人の逃げ集団の一員だった。この逃げには日本の新城幸也がチームメートのロマン・シカール(ヨーロッパカー)とともに加わっていた。シカールは逃げていた24選手のなかで総合成績が最上位で6分41秒遅れだったため、メイン集団が大幅に遅れれば、リーダージャージのマイヨ・ロホを獲得できるチャンスがあった。
しかし、アスタナはメイン集団をしっかりコントロールし、4分48秒遅れでゴール。イタリアのファビオ・アルー(アスタナ)がマイヨ・ロホを守った。総合上位に変動はなかったが、逃げ切ったシカールとジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ)がトップ10に入り、コロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)と南アフリカのルイ・メインティス(MTN・クベカ)が順位を下げている。
しかし、この逃げに加わっていたシカールが総合成績でアルーに6分41秒遅れ、ブランビッラが6分42秒遅れだったため、メイン集団は逃げに大差を付けさせたくはなかった。残り100kmで逃げのタイム差が2分半になったところで、アスタナ勢は集団の先頭に出てコントロールを始めた。
最後のカテゴリー3の峠越えが始まったとき、タイム差は3分半だった。逃げ集団では、上りでシャバネルとオリベイラがアタックを試みたが成功せず、続いてパベウ・ポリャンスキー(ティンコフ・サクソ)が抜けだした。しかし、残り35kmの山頂を越えたあと、逃げ集団はまた1つになった。
その下り坂で再度アタックを仕掛けたのがオリベイラだった。ゴールまではまだ29kmもあり、逃げ切るのは難しいだろうとライバルたちは思っていたのだろうが、彼はTTスペシャリストで、独走はお手のものだった。さらに追走集団にはルベン・プラサとバレリオ・コンティという2人のチームメートが残っていて、オリベイラの逃げをサポートした。
タイム差は開く一方で、ゴールまで残り7kmで1分に達した。そして追走集団がいくら必死で追い上げても、その1分差はオリベイラが独走でゴールに飛び込むまで決して縮まることがなかった。
メイン集団はアスタナ勢が引き続けていたが、残り7kmで先頭とのタイム差が5分20秒にまで開いていた。残り4kmでティンコフ・サクソも先頭を引き始め、最終的には5分を切ってゴールすることができた。
「これは僕のキャリアでもっとも美しい勝利だ。ポルトガル選手権で勝ったのはとても感動的な成功ではあったが、今日のこの感動はとても表現できないたぐいのものだ。このブエルタでは調子がいいと感じていたから、クイーンステージでも前にいて、アタックを試みた。けれどいい成績は出せなかったから、今日もう一度トライしたのさ」と、区間優勝したオリベイラは喜びを語っている。
週末の9月5日からは山岳ステージが3日間続く。初日の第14ステージは、ビトリアをスタートし、標高1980メートルでカテゴリー超級のアルト・カンポー(フエンテ・デル・チボ)山頂にゴールする。しかも、ステージ距離は215kmと長い。ゴールのアルト・カンポーは全長18kmで平均勾配5.5%、ゴール手前1kmに9%の難所がある。
■第13ステージ結果[9月4日/カラタユド〜タラソナ/178km]
1 ネルソン・オリベイラ(ランプレ・メリダ/ポルトガル)4時間14分01秒
2 ジュリアン・シモン(コフィディス/フランス)+1分00秒
3 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)+1分00秒
4 シルバン・シャバネル(IAM/フランス)+1分00秒
5 ホセホアキン・ロハス(モビスター/スペイン)+1分00秒
6 リナルド・ノチェンティーニ(AG2R/イタリア)+1分00秒
7 ケビン・レザ(FDJ/フランス)+1分00秒
8 ミカエル・シェレル(AG2R/フランス)+1分00秒
9 キャメロン・マイアー(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)+1分00秒
10 マクシム・モンフォール(ロット・ソウダル/ベルギー)+1分00秒
16 ロマン・シカール(ヨーロッパカー/フランス)+1分00秒
24 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1分11秒
■第13ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)51時間33分19秒
2 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+27秒
3 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+30秒
4 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分28秒
5 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+1分29秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分52秒
7 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+1分54秒
8 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+1分58秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+2分51秒
10 ロマン・シカール(ヨーロッパカー/フランス)+2分51秒
11 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分07秒
12 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+4分15秒
66 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間15分12秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:パベウ・ポリャンスキー(ティンコフ・サクソ/ポーランド)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)