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萩原麻由子トークショー「祝!歴史的快挙!ジロ・ローザステージ優勝」

レース
今年、世界最高峰の女子自転車ステージレース「ジロ・ローザ」でステージ優勝を果たした萩原麻由子(ウィグル-ホンダ プロサイクリング)がサイクルモード・インターナショナル 2015に初登場! 11月7日(土)メインステージで大勢の来場者を前にトークショーを行った。

日本人初となる偉業を成し遂げた萩原選手が、海外のレースや日本との違いなどを率直に語った30分間。MCはサイクルライフナビゲーター絹代さん。

 


■今年、全日本選手権ロードレースで優勝されました。ご両親は喜ばれたでしょう。
お母さんは安心して泣いていました。本当にこれまで心配をかけてしまいました。メダルは入れる物がないからと目薬の袋に保存しています(笑)


■チャンピオンジャージを着ていると、チーム内での対応が変わりますか?
ナショナルチャンピオンジャージは誇らしいのですが、補給の時スタッフに見落とされることが多くて、ちょっと大変でした。ヘルメットはベルギーの「LAZER」がわざわざ作ってくれました。


■タイムトライアルと山岳はどちらが得意ですか?
黙々と走るのが好きなのでTTですが、もっとフィジカルを強くしないと記録が伸びないと言われています。


■今季は転戦で移動が多かったですね。
そうですね、移動が多すぎて予想していたコンディションとズレがありました。今後の課題にしたいです。こういうことは、やって覚えていくという感じですね。


■全日本選手権は5回優勝されていますが、連勝ではないですね。
2013年はパフォーマンスが低くて、與那嶺選手がダントツに強くて悔しい全日本選手権になってしまいました。

 


■2013年にウィグル-ホンダに移籍して、一番苦労したことは何ですか?
言葉ですね。英語なので数字や単語はわかるのですが、ナチュラルなスピードで言われると何を言っているかわからなかったです。言いたいことを言って、聞きたいことを聞いているつもりでしたが.....。


■日本では女子のチーム戦を経験できないですが、そこはすぐクリアできましたか?
レースでどこを走っているかわからないし、チームメイトを見つけられないし、はぐれてしまうし、いなければならないときにいないし、チームメイトにとっては最悪の選手だったと思います。彼らがいろいろ教えてくれて、年下の選手でも「付いてこい!」と言ってくれたりして、ずいぶん助かりました。

レース前にこうして、ああしてと戦略を言われて理解しても、実際にスタートするとすべてぐしゃぐしゃ。そんな中でやっていくことに慣れる必要がありました。

男子選手はアジア地区でも数がいるので、最初からチーム戦を経験できますが、私はそれが経験ができなかった。プロとして同じミスを繰り返すと排除されてしまうので、言われたことをちゃんとやろうということから始めました。よくできたことは皆すごく褒めてくれます。


■自分の能力をあげる、スピード、持続力をあげるトレーニングはしていますか?
私のチームにはトレーナーがいないので、自分で用意しなければならないのです。この2シーズンはコーチを付けています。基本的なことしか言わないコーチなのですが、それをきちんとやるようにしていたら変わってきました。


■ベルギーのチームに在籍しているのに、ドイツに住んでいる理由は?
コーチがドイツ人なので、知り合いの方を紹介してもらってホームステイしています。選手はみんなバラバラに住んでいて、レースになると集まるのです。環境としては、欲を言えば山があるといいのですが…..クルマが少なくて練習はしやすいです。コーチはパワートレーニングなどは言わないので、とにかく走っています。


■女性ばかりの環境で問題はないですか?
みんなプロとして育っているので、レースで集まったときは最善を尽くします。そのなかでも雰囲気のいいチームなので、それが好成績に繋がりました。


■レースでチャンピオンジャージを着ているとマークされますか?
今でこそ「ウィグルの日本人は逃げるから気をつけろ!」という感じになりましたが、以前は「危ねーな」くらいにしか思われていなかったです(笑) ベルギー人の観客は、ハギワラ! マユコ!と応援してくれます。


■ジロ・ローザでは、先頭集団にいて最後は飛び出してそのまま独走でしたね
勝つつもりはなかったのですが、最終的に10人くらいしか残ってなくて、チームメイトは強い選手が2人残っていました。それで最後にもう一度荒らしてもいいかな?と思って行ってみたら、追われなかったです(笑)


■(口に手を当てる)ガッツポーズはどういう意味があるのですか?
信じられない!というポーズです。疲れきっていて、バンザイもガッツポーズもする余裕もなくて、口を押さえるのが精一杯でした(笑)  マユコは日本人の歴史を作ったぞー!とチームメイトが喜んでくれました。慣れてないのでシャンパンも開けられなかったんですが、すごくうれしかったです。


■その後、もう一度ツール・ド・ブルターニュで優勝されました
調子が良かったし、シーズン序盤のレースでふるわなかったのでこのままではダメだと思ってました。第3ステージで勝てて良かったです。ヨーロッパに行って優勝して、勝ちパターンを体感できたと思います。


■これからの目標は?
来季はオリンピックがあるので、それに出場するのは大前提です。
女子のワールドツアーがあるので、そちらもがんばっていきたいです。

 
萩原麻由子 (Wiggle-Honda Pro Cycling)
1986年、群馬県生まれ。県立伊勢崎女子高校在学中にアジア選手権ロード・ジュニア優勝。2005年に鹿屋体育大学に進み、ジャパンカップ・オープン女子優勝、アジア大会ロードレース優勝、全日本個人タイムトライアル優勝など数々の実績を挙げる。2009年よりサイクルベースあさひに所属し、全日本選手権ロード優勝、ロンドンオリンピック出場。2013年シーズンよりウィグル・ホンダに所属。2015年ジロ・ローザ第6ステージツール・ド・ブルターニュ第3ステージで優勝。

萩原麻由子 フェイスブック https://www.facebook.com/mayukoden/
wiggle HONDA pro cycling team http://wigglehonda.com/the-team/