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今夏公開!ランス・アームストロングを描いた映画「疑惑のチャンピオン」

レース
現代ツール・ド・フランスにおいて最大の英雄であり問題児。ランス・アームストロングを名匠スティーヴン・フリアーズ監督が描いた映画『The Program』(原題)が2016年夏、日本で公開される。

選手として前途洋々の20代に癌を発症し、睾丸から脳まで冒され選手生活はおろか生存の危機に瀕しながらみごとに復活。世界最大の自転車レース《ツール・ド・フランス》で7度の栄冠に輝いたアームストロング。癌患者への献身的なサポートも惜しまず、自転車界のヒーローとして確固たる地位を築いた。しかし、その裏には勝利のために手段も選ばない執着心が渦巻いていた。

その壮絶なストーリーを、「スポーツライター・オブ・ザ・イヤー」4度受賞を誇るサンデー・タイムズ紙(英国)のスポーツ記者 デビッド・ウォルシュ氏の著書をもとに、”プログラム”を持ち込んだ医師(ミケーレ・フェラーリ)、チーム監督(ヨハン・ブリュイネール)、EPO陽性でツール優勝を剥奪されたチームメイト(フロイド・ランディス)というキーパーソンとの関係をからめながら描き出していく。プロトン最強の”ブルートレイン”「USポスタル」では一体何が行われていたのか?

 


当時「リブストロング」のリストバンドを購入し、ツイッターのアカウントにマークを付け、最後までランスをクリーンだと信じ続けたファンには正直きついストーリーかもしれない。ガン患者への気遣いをうかがわせるシーンが織り込まれているのがせめてもの救いだ。彼がそこまで利己主義に徹して手に入れたかったもの、それは果たして何だったのだろうか。

自転車方面の監修はデヴィッド・ミラー。ファンにとっては、俳優が選手に似ているかどうかも気になるところ・・・。一方でサイクルロードレースに興味がない人でも、ジャーナリストが真実を暴いていくスリリングな展開にすんなり入り込めるはず。名優ダスティン・ホフマンがちょい役で登場しピリッとスパイスを効かせている。

ロードレースファンとしては「もっと突っ込んだ、掘り下げたストーリーにして欲しい!」。映画好きとして「もう少し丁寧な描写、伏線、ストーリー構成が織り込めなかったのか!」という思いもこみ上げる。いずれにせよ、良きにつけ悪しきにつけ、見たならば誰かと議論せずにはいられない作品であることは間違いない。


原題:The Program
監督:スティーヴン・フリアーズ「クイーン」「あなたを抱きしめる日まで」
原案:Seven Deadly Sins:My Pursuit of Lance Armstrong:デビッド・ウォルシュ著
出演:
ベン・フォスター(ローン・サバイバー)
クリス・オダウド(ヴィンセントが教えてくれたこと)
ギョーム・カネ(ターニング・タイド 希望の海)
リー・ペイス

■これは、世界で最も勝利に貪欲な男の、真実の物語。ツール・ド・フランス7連覇のレジェンド、その名はランス・アームストロング。

2015年/イギリス/英語/103分/シネマスコープ/カラー
配給:ロングライド 宣伝:ブレイントラスト

2016年夏、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
公式サイト http://www.theprogrammovie.com/
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