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中級山岳区間のジロ第6ステージでベルギーのワロンスが区間初優勝!
レース
2016.05.13
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月12日にポンテからアレモンニャにあるロッカラーゾ山(カテゴリー2)までの157kmで、今年最初の頂上ゴールとなった中級山岳区間の第6ステージを競い、ベルギーのティム・ワロンス(ロット・ソウダル)が逃げ切って区間初優勝した。
ワロンスは2日前が誕生日で、25歳になったばかりだ。彼の勝利はベルギーにとってジロでの区間160勝目だった。ベルギーは開催国イタリアについで2番目に今大会で区間優勝を上げている。
総合首位のマリア・ローザはオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)が守った。ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、最初の頂上ゴール区間を17分30秒遅れの集団でゴールしている。
ワロンスは最初のカテゴリー2の峠を越えた後の83km地点で、ピム・リフトハルト(ロット・ソウダル)、ローラン・ディディエ(トレック・セガフレード)と一緒にメイン集団からアタック。序盤から逃げていたジャコモ・ベルラート(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とエウゲルト・ズーパ(ウィリエール・サウスイースト)の2人に合流した。
その先頭グループから、残り15kmのロッカラーゾ山(カテゴリー2)の坂でワロンスが単独アタックを決めた時、メイン集団は5分近く後方にいたが、ワロンスはすでに総合成績で15分以上遅れていたため、マリア・ローザを脅かす存在ではなかった。
メイン集団では最後の坂でデンマークのヤコブ・フグルサン(アスタナ)がアタックし、カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ)とともに抜け出した。
ワロンスがグラン・ツールで初めての区間優勝を目前にしていた頃、残り4kmでメイン集団からビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がアタックしたが抜け出すことはできず、逆にドゥムランに反撃されてしまった。
ドゥムランにはドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)とイルヌール・ザカリン(カチューシャ)が合流し、先行していたフグルサンとシウツォウを捕まえた。
ワロンスはメイン集団に1分以上差をつけてフィニッシュラインを通過。すぐに自転車を降りると、愛車を頭上に高々と掲げて自らの勝利を祝福した。
メイン集団はマリア・ローザよりも3秒先行したフグルサンが2位、ザカリンが3位でゴールしてボーナスタイムを獲得。総合でフグルサンが26秒遅れの2位、ザカリンが28秒遅れの3位に浮上した。
最後の坂でドゥムランの逆襲に遭ったニーバリは、結局マリア・ローザよりも21秒遅れてゴール。総合成績は47秒遅れの9位に後退した。
山岳賞のマリア・アッズーラはイタリアのダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が18ポイントで守ったが、総合2位のワロンスとの差はたった1ポイントしかない。ただ、ワロンスは次の目標について「まずはグライペルのために働き、次は区間2勝目を目指す」とだけ語っている。
■区間初優勝したワロンスのコメント「ボクは今日、アタックする気満々でいた。でも、3人の選手が動いたのを見逃したとき、全てが終わってしまったと思っていた。集団が(最初のカテゴリー2の峠の後の)ダウンヒルでバラバラになった後、ドゥムランがボクにアタックするときだと言ってくれた。彼はクラサオ島のクリテリウムで一緒になって以来、親友なんだ」
「ボクはすぐにはそうしなかったが、ちょっと後でチームメートのリフトハルトが一緒に行こうかと言ってくれて、それでボクたちはアタックした。最後の上りはエンジン全開で行ったよ。レースのリーダーが、自分がよく知っている人物だなんて、そうあるものじゃない。彼はとても良いアドバイスをくれた。彼はマリア・ローザを家に持ち帰るに値するよ」
■第6ステージ結果[5月12日/ポンテ~ロッカラーゾ(アレモンニャ)/157km]
1 ティム・ワロンス(ロット・ソウダル/ベルギー)4時間40分05秒
2 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+1分19秒
3 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+1分19秒
4 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+1分22秒
5 カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ/ベラルーシ)+1分24秒
6 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分24秒
7 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+1分29秒
8 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+1分33秒
9 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+1分33秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分36秒
11 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分36秒
14 ミケル・ランダ(チームスカイ)+1分43秒
17 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分43秒
171 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+17分30秒
■第6ステージまでの総合成績
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)24時間22分15秒
2 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+26秒
3 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+28秒
4 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+35秒
5 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+38秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+41秒
7 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)+41秒
8 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+44秒
9 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+47秒
10 カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ/ベラルーシ)+49秒
11 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+51秒
12 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+56秒
13 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+56秒
15 ミケル・ランダ(チームスカイ)+1分08秒
183 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+45分17秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/イタリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
5月13日はスルモナからフォリンニョまでの211kmで、スプリンター向きの第7ステージが行われる。山岳ポイントは序盤にカテゴリー2が1カ所、後半にカテゴリー4が1カ所設定されている。