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ジロ第11ステージはウリッシが区間2勝目/ドゥムランがリタイア

レース
 
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月18日にモデナからアーゾロまでの227kmで第11ステージを競い、イタリアのディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)が、マリア・ローザのボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ)とアンドレイ・アマドール(モビスター)をスプリント勝負で下し、今大会2勝目をマークした。

これでウリッシのジロでの区間優勝数は通算6勝になった。区間3位になったユンゲルスはマリア・ローザを守っただけでなく、13秒遅れでゴールしたライバルたちにわずかなタイム差を付けることもできた。


ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、13分15秒遅れの集団でゴールしている。

この日はオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)がレース中盤で途中リタイアした。彼はサドル擦れに苦しんでいて、前日のステージでは終盤の峠越えでメイン集団から脱落し、11分42秒遅れの総合29位にまで陥落していた。

ゴールまで残り30kmを切ってから、集団では大落車事故が発生し、地元イタリアのドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)が巻き込まれて遅れてしまった。彼は結局メイン集団に戻ることができず、タイムを1分半失ってしまった。



第11ステージは終盤に設定されていたカテゴリー4のフォルチェッラ・モスタッチンの丘がレース展開に大きく影響した。ここでメイン集団はオランダのスティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ)が先頭を引き、最後まで逃げていたベガルトスターケ・ランゲン(IAM)を頂上の手前で吸収した。

クルイスウエイクの加速で先頭は9人の小さなグループになってゴールまで残り19kmの頂上を越えたが、総合を争う選手たちは顔を揃えていた。そこから下りでイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がアタックし、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)とエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)とともに先行したが、抜け出すことはできなかった。

つづいてカウンターでアタックしたのは、前日にも終盤に仕掛けたアマドールだった。しかし、マリア・ローザのユンゲルスは見逃さず、しっかり彼の後に付き従った。2人は後続に10秒前後のタイム差をつけたまま、ゴールを目指して疾走した。

しかし、ゴールまで残り4kmのカテゴリーのついていない上り坂で、2人は追走グループから抜け出してきたウリッシに追いつかれてしまった。スプリントになればウリッシが有利であることは目に見えていたが、マリア・ローザのユンゲルスは先頭を引き続け、後続に13秒差を付けてゴールにたどり着くことができた。

そして最後は3人でのゴール勝負を難なくウリッシが勝ち取り、イタリアに今大会4つ目の区間優勝をもたらした。「プロ1年目の時は、とても受け身になって、しばしばレースの終わりにスイッチがオフになってしまったものだった。でも今は、ボクはずっとスイッチが入るようになっている。だからチームがボクのために働くモチベーションもより高いんだ。ボクは自分の力を理解し、アタックする勇気をもっているのさ」と、ウリッシは語っている。

一方、マリア・ローザを着て区間優勝するチャンスを失ってしまったユンゲルスは「落車のせいでボクのチームは大勢が遅れ、他のチームも同様だった。その後でアマドールがアタックしたとき、ボクは彼に付いて行かなければならなかった。ウリッシが追いついてきた時、ボクにはもう区間優勝のチャンスはほぼなくなってしまったから、タイムを稼ぐことに決めたんだ。去年のブエルタでドゥムランがやったように、今年のジロでボクができるとは思わないけど、調子はとてもいいと感じているよ」と、語っている。
 
 
■第11ステージ結果[5月18日/モデナ~アーゾロ/227km]

1 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ/イタリア)4時間56分32秒
2 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)
3 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
4 ジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード/イタリア)+13秒
5 ソニー・コルブレッリ(バルディアーニ・CSF/イタリア)+13秒
6 マッテーオ・トレンティン(エティックス・クイックステップ/イタリア)+13秒
7 サシャ・モドロ(ランプレ・メリダ/イタリア)+13秒
8 エンリーコ・バッタリン(チームロトNL・ユンボ/イタリア)+13秒
9 ティム・ワロンス(ロット・ソウダル/ベルギー)+13秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+13秒
31 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+1分30秒
32 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分30秒
151 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+13分15秒
■第11ステージまでの総合成績
1 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)45時間16分20秒
2 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+24秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分07秒
4 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分07秒
5 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分09秒
6 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+2分01秒
7 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+2分25秒
8 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+2分43秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+2分45秒
10 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ/イタリア)+2分47秒
11 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+3分12秒
14 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+4分01秒
173 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+1時間53分14秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/イタリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
 
 
5月19日はノアーレからビビオネまでの182kmで、いわゆるパンケーキ・フラットと言われる平坦な第12ステージが競われる。週末に控えた厳しい山岳ステージの前に、スプリンターたちの熱い闘いが見られるはずだ。