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中級山岳のジロ第13ステージはニエベが逃げ切り優勝し、アマドールがマリア・ローザ獲得

レース
 
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月20日にパルマノーバからチビダーレ・デル・フリウリまでの170kmで4つの峠を越える中級山岳区間の第13ステージを競い、スペインのミケル・ニエベ(チームスカイ)が単独で逃げ切って2度目の区間優勝を果たした。

マリア・ローザを着たルクセンブルクチャンピオンのボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ)は、最後の峠越えでメイン・グループから脱落し、総合を争うライバルたちよりも50秒遅れでゴール。総合首位はアンドレイ・アマドール(モビスター)になり、南米コスタリカに初めてグランツールのリーダージャージをもたらした。


ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、32分43秒遅れのグルッペットでゴールしている。

 
 
厳しいドロミテ山岳ステージの前哨戦となった第13ステージは、スプリンターのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)とカレブ・ユーワン(オリカ・グリーンエッジ)が出走しなかった。グライペルのリタイアで、ポイント賞は地元イタリアのジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード)が総合首位になった。

クライマーのニエベはこの日、3つ目の峠越えのチマ・ポルズゥス峠(カテゴリー1)で、米国のジョー・ダンブロウスキー(キャノンデール)とともに先頭グループからアタックした。

登坂の途中でダンブロウスキーは脱落。ニエベはゴールまで残り31.5kmの山頂で、ダンブロウスキーとジョバンニ・ビスコンティ(モビスター)に26秒差、メイン集団には2分25秒差を付けていた。

残り20kmでこの日最後のバッレ峠(カテゴリー2)の坂が始まった時、ニエベは追走グループに42秒差を付けて逃げ続けていた。後続のメイン集団では、ここで総合争いの闘いがスタート。イタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が何度か仕掛けたが、ライバルたちを出し抜くことはできなかった。

しかし、マリア・ローザのユンゲルスはここでメイン集団から脱落。バッレ峠の山頂で、すでに総合優勝争いのグループから40秒以上遅れてしまっていた。この時点で、マリア・ローザは総合2位のアマドールに渡っていた。

先頭のニエベは、バッレ峠の山頂で追走するビスコンティに56秒差を付けていた。そのタイム差を下りでキープし、彼は2011年につづいて2度目の区間優勝を勝ち取った。ミケル・ランダのリタイアで、総合を狙うエースを失ったチームスカイには、ささやかな慰めとなった。

■区間優勝したニエベのコメント「ボクは長い逃げに乗って、区間優勝するチャンスを得た。確かにランダがいたら、ボクは今日勝つために走っていなかっただろう。その代わりに、ボクは総合争いのために彼を助けていたはずた。ボクはジロを走る予定ではなかった。(セルヒオ・エナオに代わって)直前にメンバーに入ったんだ。だから区間優勝を得られてとても満足しているよ」

■29歳で初めてマリア・ローザを着たアマドールのコメント「ボクとボクの祖国にとって、歴史的な日であることは確かだ。ボクはマリア・ローザ候補ではなかったが、13ステージ走った後でそれを持っている。幸運にも、ボクには去年のジロでの経験(総合4位)がある」

「我々はバルベルデの総合優勝を望んでこのジロにやって来た。それは変わらない。不運にもハビエル・モレノを落車で失ったこと以外は。彼はいつもなら山岳で我々にとって非常に重要な選手だった。明日はマリア・ローザを着ることを楽しむよ。バルベルデはそれを引き継ぐに値する選手だ」
 
 
■第13ステージ結果[5月20日/パルマノーバ~チビダーレ・デル・フリウリ/170km]

1 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)4時間31分49秒
2 ジョバンニ・ビスコンティ(モビスター/イタリア)+43秒
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分17秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分17秒
5 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+1分17秒
6 シュテファン・デニフル(IAM/オーストリア)+1分17秒
7 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分17秒
8 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+1分17秒
9 マッテーオ・モンタグティ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分17秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分17秒
13 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+1分17秒
14 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+1分17秒
15 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+1分17秒
17 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+2分07秒
129 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+32分43秒
■第13ステージまでの総合成績
1 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)54時間05分50秒
2 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+26秒
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+41秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+43秒
5 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+43秒
6 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+1分37秒
7 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+2分01秒
8 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+2分19秒
9 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+2分48秒
10 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+3分15秒
11 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+3分21秒
12 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+3分37秒
169 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+2時間28分30秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):ジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード/イタリア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/イタリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)

 
週末はいよいよドロミテでの厳しい山岳ステージが始まる。5月21日は、アルパーゴ(ファッラ)からコルバーラまでの210kmで、今年最初の山岳区間となる第14ステージが競われる。

選手たちが最初に挑むのは、標高2239メートルでカテゴリー1のポルドイ峠だ。その後、カテゴリー2の峠を2つ、カテゴリー3の峠を1つ越え、後半は標高2236メートルでカテゴリー1のジャウ峠を越える。終盤にもう1つカテゴリー2のバルパローラ峠を越えるが、最後は頂上ゴールではない。