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ジロ・デ・イタリア第8ステージはスペインのゴルカ・イサギレが逃げ切って区間初優勝
レース
2017.05.14
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月13日にモルフェッタからペスキーチまでの189kmで第8ステージを競い、スペインのゴルカ・イサギレ(モビスターチーム)が逃げ切り、アップヒルゴールを制してジロ区間初優勝した。
マリア・ローザのボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)は12秒遅れのメイングループでゴールし、総合首位の座を守った。
第8ステージは191選手が出走。スタートからハイペースでアタックが続いたが、なかなか成功しなかった。48km地点でやっと13人の選手が集団から逃げ出した。最初の1時間の平均時速は53.8km/hだった。
集団のペースは落ち着き、ルイスレオン・サンチェス(アスタナプロチーム)、グレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)、ルーカス・ポストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)が抜け出して逃げに合流し、先頭は16人になった。しかし、84.2km地点の中間スプリント地点で、集団と逃げのタイム差は1分23秒だった。
カテゴリー2のモンテ・サンタンジェロ峠が始まると、先頭からはサンチェスがアタックして先行。集団からはヴァレリオ・コンティ(UAE・チームエミレーツ)がアタックした。
モンテ・サンタンジェロ峠でマリア・ローザの集団からはジョヴァンニ・ヴィスコンティ(バーレーン・メリダ)とダビデ・ビッレッラ(キャノンデール・ドラパック)がアタックした。100km地点の山頂はサンチェスが単独で通過し、ヴィスコンティ、ビッレッラ、コンティ、ミュールベルガー、ポストルベルガーを含めた8人のグループが1分後に続き、マリア・ローザの集団は1分半後方だった。
下りでイサギレを含めた4選手が集団から抜け出し、ヴィスコンティのグループに合流。彼らは121km地点でサンチェスに追いついて先頭グループになった。130km地点で集団は3分37秒遅れていた。
先頭の逃げグループでは、ゴールまで残り37kmでコンティがアタック。ヴィスコンティ、ミュールベルガー、イサギレ、サンチェスが付き従い、5人になった。ゴールまではこの5人がアタックを繰り返したが、脱落したのはミュールベルガーだけだった。
マリア・ローザの集団が30秒後方に迫る中、先頭の4人は残り1kmの上り坂に突入。ところが、右カーブを先頭で曲がったコンティが転倒するアクシデントが発生。後方の3人は巻き込まれずに済んだが、最後尾に付けていたヴィスコンティは追突を避けるためにスピードをゆるめざるを得なかった。最後はイサギレが先頭で12%勾配の坂を駆け上がり、ジロ区間初優勝を果たした。
■ジロで区間初優勝したイサギレのコメント「このステージはとてもハードだった。僕は逃げに乗った。平均時速はとても速かった。先頭グループで最も危険なライバルは多分ヴィスコンティだった。勝ててとてもハッピーだ。チャンスを得て、それを失わずに済んだからうれしいよ」
5月14日の日曜日は、モンテネーロ・ディ・ビザッチャから、標高1665メートルでカテゴリー1のブロッカウス山頂までの149kmで第9ステージが行われる。ブロッカウスは50年前の1967年に初めてジロのゴール地になり、ベルギーのエディ・メルクスが制した山だ。2009年にゴールだった時は、フランコ・ペッリゾッティが優勝している。
イタリア中部アペニン山脈のブロッカウス登坂は全長13km。道幅は狭く、ヘアピンカーブがいくつも続く。上り始めは7%〜6%だが、すぐに平均勾配9.4%になり、中盤に最大14%の難所がある。
エトナ山ゴールの第4ステージからマリア・ローザを守り続けているルクセンブルクチャンピオンのユンゲルスは、第8ステージ後の記者会見で、この日不注意からチームメートの後輪に当って落車し、ヒザを怪我したが、痛みはないと話している。
■第9ステージが正念場となるマリア・ローザのユンゲルスのコメント「明日のブロッカウスは厳しいゴールになるだろう。優勝候補たちが姿をあらわす時間だ。僕自身は、どれくらいそこにしがみついて、どれくらい付いて行くことができるのかが問題だ。誰も怖れてはいないが、もしも誰かが僕よりもパワーがあれば、リードを失うかもしれない。でも、火曜日はちょっと長いタイムトライアルで、簡単なものではないから、僕にはとても向いている。それを楽しみにしているよ」
■第8ステージ結果[5月13日/モルフェッタ~ペスキーチ/189km]
1 ゴルカ・イサギレ(モビスターチーム/スペイン)4時間24分59秒
2 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(バーレーン・メリダ/イタリア)+5秒
3 ルイスレオン・サンチェス(アスタナプロチーム/スペイン)+10秒
4 エンリーコ・バッタリーン(チームロットNL・ユンボ/イタリア)+12秒
5 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/カナダ)+12秒
6 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+12秒
7 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+12秒
8 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/英国)+12秒
9 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+12秒
10 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+12秒
11 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+12秒
12 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+12秒
16 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+12秒
■第8ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)38時間21分18秒
2 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+6秒
3 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/英国)+10秒
4 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+10秒
5 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+10秒
6 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+10秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+10秒
8 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+10秒
9 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+10秒
10 アンドレイ・アマドール(モビスターチーム/コスタリカ)+10秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
(第7ステージはアダム・イェーツが着用)
(http://www.giroditalia.it/)