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ジロ・デ・イタリア第17ステージはフランスのローランが逃げ切り区間優勝
レース
2017.05.25
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月24日にティラーノからカナッツェーイ(バル・ディ・ファッサ)までの219kmで第17ステージを競い、逃げ集団からゴールまで残り7.8kmでアタックしたフランスのピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム)が逃げ切って区間初優勝した。
集団は7分54分遅れでゴールしたが、マリア・ローザはオランダのトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)が守った。
第17ステージは168選手が出走。スタートと同時にローラン、パヴェル・ブルット(ガスプロム・ルスベロ)、マテイ・モホリッチ(UAE・チームエミレーツ)がアタックし、4km地点で3分以上のタイム差を付けた。
38km地点の2つ目の峠で40人ほどの選手が集団から抜け出し、先頭の3人を追った。60km地点の山頂で3人と追走集団は2分34秒差、マリア・ローザのメイン集団は8分52秒差だった。
先頭では下りでモホリッチがアタック。ブルットは彼に合流したが、ロランは追走集団を待った。ステージのちょうど中間あたりにあった中間スプリントポイントで先頭の2人とローランが加わった追走集団のタイム差は5分以上あり、マリア・ローザのメイン集団とは11分21秒だった。その後、追走集団は2つに分裂した。
つづくカテゴリー3の峠でブルットは遅れ、モホリッチが137kmの山頂を単独で通過。ブルットは1分近く遅れ、追走集団は3分45秒遅れ、マリア・ローザのメイン集団は14分近く遅れていた。
集団から先行して逃げていた選手の中で最も総合成績が上位だったのはスロベニアのヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ)で、ドゥムランよりも12分13秒遅れの総合13位だった。ポランツェがバーチャルリーダーになると、メイン集団は追い上げを開始し、タイム差は少しずつ縮まっていった。
モホリッチは158km地点で追走集団に吸収され、先頭は13人になった。そこにさらに追走していた選手たちが合流し、ゴールまで残り45kmで先頭は25人の集団になった。
ゴールまで残り20kmを切ると、先頭の逃げ集団では区間優勝争いのアタックがスタート。しかし、決定的なアタックはなかなか決まらなかった。終盤はゆるやかな上り坂で、ゴールまで残り7.8kmで遂に抜け出すことに成功したのがロランだった。後続は協力して追いかけることができず、残り4kmでローランは30秒のアドバンテージを得ていた。
ローランはそのまま逃げ切り、今大会で初めてフランスに区間優勝をもたらした。彼はツール・ド・フランスで2011年と2012年に区間優勝したことはあったが、ジロで区間を勝ち取ったのはこれが初めてだった。
フランスが加わり、今年のジロはここまで11カ国の選手が区間優勝し、2010年に作られた最多記録に並んだ。
■ジロで区間初優勝したローランのコメント「とてもハッピーだ。この瞬間を、そりゃあもう長いこと待っていたからね。昨年は難しいシーズンで、望んでいる勝利を得るために何度もトライした。今日は最初の逃げに加わっていたが、それを行かせて2つの峠の後の次のアタックを待ったのが良い決断だった。最後は勇気の問題だった。僕は的確な瞬間をつかむことができた。それが最大の救いだ」
■マリア・ローザを守ったドゥムランのコメント「昨日の僕のトラブルのニュースがオランダでどれだけ大事になっているかを気にしないように努力している。今朝はちょっと不安を感じていて、心配だった。でもレースの間はずっと完璧に元気だった。2つ目の峠からゴールまではとても長い道のりであることはわかっていた。総合を争う選手がそんな遠くから飛び出そうとしていたら驚いただろう」
100回記念大会のジロも残り4ステージ。5月25日にはモエーナからオルティセイ(ザンクト・ウルリヒ)までの137kmで、ドロミテ山岳区間の第18ステージが行われる。5つの峠を越えた後、標高1219メートルのオルティセイ山頂にゴールする過酷なステージだ。
「明日はスタートからアタックがかかるかもしれない。僕たちは全てに準備万端でなければならない。茂みの中に座って歴史を作るためにここにいるわけではない。ミラノにマリア・ローザを持って帰る歴史を記すためにここにいるんだ」と、ドゥムランは語っている。
■第17ステージ結果[5月24日/ティラーノ~カナッツェーイ(バル・ディ・ファッサ)/219km]
1 ピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/フランス)5時間42分56秒
2 ルイ・コスタ(UAE・チームエミレーツ/ポルトガル)+24秒
3 ゴルカ・イサギレ(モビスターチーム/スペイン)+24秒
4 ローリー・サザーランド(モビスターチーム/オースラトリア)+24秒
5 マッテーオ・ブザート(ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア/イタリア)+24秒
6 ドリス・ デヴェニンス (クイックステップフロアーズ/ベルギー)+24秒
7 フェリクス・グロッシャルトナー(CCC・スプランディ・ポルコウィツェ/オーストリア)+24秒
8 オマール・フライレ(チームディメンションデータ/スペイン)+24秒
9 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/カナダ)+24秒
10 ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード/フランス)+24秒
21 ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)+2分14秒
■第17ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)76時間05分38秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+31秒
3 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分12秒
4 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+2分38秒
5 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分40秒
6 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+3分05秒
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+3分49秒
8 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+4分35秒
9 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+6分20秒
10 ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)+6分33秒
11 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)+7分00秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/)