ニュース
UCIワールドツアーのクリテリウム・デュ・ドーフィネでアスタナのフルサングが最終日逆転総合優勝!
レース
2017.06.11
フランスで開催されていた第69回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は、6月11日にアルベールビルから標高1508メートルでカテゴリー超級のプラトー・ド・ソレゾン山頂までの115kmで最終ステージを競い、デンマークのヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム)が区間2勝目を上げ、逆転総合優勝を果たした。
この日、総合リーダーのマイヨ・ジョーヌを着ていたオーストラリアのリッチー・ポート(BMCレーシングチーム)は、フルサングよりも1分15秒遅れてゴール。総合で2人のタイム差はちょうど1分15秒だったが、フルサングが区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得したため、ポートは最終日に総合首位の座を守ることができなかった。
総合3位には、最終区間で2位に入って6秒のボーナスタイムを獲得したアイルランドのダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ)が、総合8位からジャンプアップして入った。前日まで総合2位だったディフェンディングチャンピオンのクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、総合4位でレースを終えている。
最終ステージは115kmと短かったが、最初のセズィエール峠から総合を争う選手たちが攻撃を開始。アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)やクリストファー・フルーム(チームスカイ)がアタックし、マイヨ・ジョーヌのポートはチームメートを失って孤軍奮闘せざるを得なくなってしまった。
2つ目のアラビス峠でもフルームは攻撃の脚を休めなかったが、ポートも何とか応戦できた。つづくコロンビエール峠でバルベルデがアタックし、ファビオ・アルー(アスタナプロチーム)とともに先頭に立った。マイヨ・ジョーヌのグループからはさらにマーティンとフルサングが抜け出し、前の2人を追った。
ゴールまで残り34.5kmのコロンビエール山頂をバルベルデとアルーが先頭で通過し、30秒遅れてマーティン、ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)、フルサングの3人が続いた。フルームは山頂の手前でポートを引き離し、1分10秒遅れて通過。ポートはフルームよりも10秒遅れていた。
フルームは下りでさらにポートを引き離し、前を行く選手たちに合流した。11.3km続く最後のプラトー・ド・ソレゾンをアルーとバルベルデが先頭で上り始めたとき、11人に膨らんだフルームのグループは10秒後方に迫っていたが、ポートは1分15秒遅れていた。
残り10kmでフルームのグループはアルーとバルベルデを捕らえ、先頭になった。その後方では、ポートがたった1人で追走を続けていた。ゴールまで残り7kmでマーティンがアタックし、フルサングが合流。しかし2kmと走らずにマーティンは付いていけなくなり、フルサングが独走を始めた。
追走グループを引き続けていたフルームは残り4kmで力尽き、マイヨ・ジョーヌのポートに捕まってしまった。しかし、その時すでにフルサングはポートに1分12秒差を付けていた。
最終ステージが始まる前、ポートと総合3位のフルサングのタイム差は1分15秒だった。最大のライバルだと思っていたフルームをとらえることができたと安堵したのもつかの間、ポートは先頭を走り続ける伏兵フグルサンを追いかけなければならなくなってしまった。
しかし、フルサングがフラム・ルージュを通過した時、タイム差はすでに1分15秒に開いてしまっていた。フルサングは失速することなくフィニッシュラインを通過し、祖国デンマークに初のドーフィネ優勝をもたらした。
■総合初優勝を果たしたフルサングのコメント「素晴らしい。何と言えば良いのかわからない。信じられないよ。競技キャリアでマイヨ・ジョーヌには何度も近くまで行っていた。我々は総合成績での順位を維持しようと努力したが、それが総合優勝のための大きな闘いになった。それを計画し、アルーがコロンビエールでアタックし、すべてが思い通りに運んだ。本当に賢く走った。アルーとバルベルデが行ったから、フルームは引かなければならなかったからね。
僕は一日中冷静さを保ち、あまり無理をせずに区間優勝を狙いに行って、すべてを得た。妻にもうすぐ子供が生まれるんだ。この素晴らしい勝利は彼女のためだ。ツール・ド・フランスまではまだ長い道のりだが、自分の今のコンディションに満足している。ツールは気楽に走らなければならないからね。ツールではアルーといいコンビを組むだろう。僕たちはリーダーシップを分かち合い、いいチームにするよ」
■第8ステージ結果[6月11日/アルベールビル~プラトー・ド・ソレゾン/115km]
1 ヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム/デンマーク)3時間26分20秒
2 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+12秒
3 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+27秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)+44秒
5 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+1分01秒
6 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分02秒
7 リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/オーストラリア)+1分15秒
8 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分36秒
9 ラファエル・バルス(ロット・スーダル/スペイン)+1分41秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+3分30秒
11 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+4分10秒
103 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+26分22秒
DNF 別府史之(トレック・セガフレード/日本)
[第69回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー) 個人総合最終成績]
1 ヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム/デンマーク)29時間05分54秒
2 リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/オーストラリア)+10秒
3 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+1分32秒
4 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分33秒
5 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+1分37秒
6 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+2分04秒
7 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)+2分32秒
8 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+3分12秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+4分08秒
10 ラファエル・バルス(ロット・スーダル/スペイン)+4分40秒
11 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+5分20秒
82 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+1時間05分01秒
[各賞]
■ポイント賞:アルノー・デマール(FDJ/フランス)
■山岳賞:クーン・ボーマン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)
■新人賞:エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)
■チーム成績:AG2R・ラモンディアル(フランス)
(http://www.letour.fr/criterium-du-dauphine/2017/us/)
UCIワールドツアーランキング2017
■個人ランキング
1 グレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシングチーム/ベルギー)2528pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)2105pts
3 リッチー・ポート(BMレーシングチーム/オーストラリア)1867pts
4 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)1851pts
5 ミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ/ポーランド)1701pts
6 フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ/ベルギー)1670pts
7 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)1565pts
8 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)1536pts
9 ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)1305pts
10 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)1213pts
■チームランキング
1 クイックステップフロアーズ(ベルギー)8890pts
2 BMCレーシングチーム(米国)7138pts
3 モビスターチーム(スペイン)5714pts
4 チームスカイ(英国)5371pts
5 オリカ・スコット(オーストラリア)5341pts
(http://www.uci.ch/road/ranking/)