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シエラ・デ・ラ・パンデラ頂上ゴールのブエルタ第14ステージはマイカが区間初優勝
レース
2017.09.03
第72回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月2日にアンダルシア地方のエシハから標高1830メートルでカテゴリー超級のシエラ・デ・ラ・パンデラ頂上までの175kmで第14ステージを競い、ポーランドのラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)が単独で逃げ切り、区間初優勝した。
区間2位にはゴールまで残り2kmでメイン・グループからアタックしたコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ)が入り、区間3位は4秒のボーナスタイム争いのスプリントをイタリアのビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が制した。
マイヨ・ロホを着た英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は区間4位でボーナスタイムを獲得できず、ニバリとのタイム差は55秒に縮まったが、総合首位の座は守った。
区間優勝したマイカは19km地点で集団からアタックした10人の逃げグループのメンバーだった。そこには山岳賞のマイヨ・デ・ルナレスを着たダヴィデ・ヴィレッラ(キャノンデール・ドラパック)も加わり、途中通過したカテゴリー3と2の峠を先頭で通過し、ポイントを稼いだ。
マイカは12km続いたシエラ・デ・ラ・パンデラを2km上った所で1人になり、その時点でメイン集団とのタイム差は1分半を切っていた。しかし、彼はそのまま逃げ切り、ブエルタで区間初優勝を果たした。
メイン集団は、ペリョ・ビルバオ(アスタナ)が先頭を引いてシエラ・デ・ラ・パンデラを上り、イタリアチャンピオンのファビオ・アルー(アスタナプロチーム)が後方で苦しい走りを強いられる場面もあった。
終盤にまず仕掛けたのはフランスのロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラモンディアル)だったが、ツール・ド・フランスの時のような爆発力はなかった。彼はリチャルド・カラパス(モビスターチーム)と2人でしばらく先行したが、エステバン・チャベス(オリカ・スコット)、アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)、ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)に追いつかれてしまった。
そこからニバリとコンタドールがアタックし、一時はフルームに20秒ほどの差を付けたが、それはただ、フルームがまだ本気を出していなかっただけのことだった。
ゴールまで残り2kmの手前で、ニバリとコンタドールはフルームだけでなく、ペレス、ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)、イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)に追いつかれてしまった。
そこからロペスがアタックしたが、マイカに追いつくことはできなかった。しかし彼はフルームにわずかな差を付けて区間2位になり、6秒のボーナスタイムも獲得できた。
前日まで総合3位だったチャベスはフルームのグループから遅れてゴールし、総合5位へと後退した。代わってフルームと一緒にゴールしたケルデルマンが総合3位になった。
■ブエルタで区間初優勝したマイカのコメント「本当に素晴らしい気分だ。落車したツールのようなトラブルはなかった。僕はここに総合を狙ってやって来たが、病気になってしまった。家へ帰る寸前だった。だからとてもうれしいよ。自分が勝ったからというだけでなく、チームメートたちのためにもだ。彼らはいい仕事をしてくれたよ」
■厳しい山岳ステージで総合首位を守ったフルームのコメント「我々にとって実際のところ素晴らしいステージだったと思う。チャベス、ニバリ、コンタドールが攻撃を仕掛けた時、だれもパニックにならなかった。僕たちは一緒にいて、いいペースを保ち、今日できたことに満足できると思う。危険な日だった。過去にこのようなステージで攻撃を受けたことがあったが、今日は本当によく対処できた」
■第14ステージ結果[9月2日/エシハ~シエラ・デ・ラ・パンデラ/175km]
1 ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)4時間42分10秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ/コロンビア)+27秒
3 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+31秒
4 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+31秒
5 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+31秒
6 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+31秒
7 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+37秒
8 ウァウテル・プールス(チームスカイ/オランダ)+46秒
9 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+57秒
10 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+1分03秒
11 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+1分13秒
15 ダビ・デラクルス(クイックステップフロアーズ/スペイン)+1分19秒
■第14ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)58時間30分47秒
2 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+55秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+2分17秒
4 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分25秒
5 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+2分39秒
6 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+3分09秒
7 ダビ・デラクルス(クイックステップフロアーズ/スペイン)+3分11秒
8 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+3分19秒
9 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+3分23秒
10 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ/コロンビア)+3分48秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:マッテーオ・トレンティン(クイックステップフロアーズ/イタリア)
■マイヨ・デ・ルナレス:ダヴィデ・ヴィレッラ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)
■マイヨ・コンビナダ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第15ステージはビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)が着用
■チーム成績:アスタナプロチーム(カザフスタン)
■敢闘賞:ルイスアンヘル・マテ(コフィディス/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・コンビナダ(コンビネーション賞)...白
(http://www.lavuelta.com/la-vuelta/2017/us/)
第15ステージはシエラ・ネバダ山脈の頂上ゴール
9月3日はアンダルシア地方で最後の山岳ステージで、アルカラ・ラ・レアルをスタートし、標高2510メートルでカテゴリー超級のシエラ・ネバダ山脈のアルト・オヤ・デ・ラ・モラ頂上にゴールする第15ステージが行われる。距離は129.4kmと短いが、途中カテゴリー1の峠を2ヶ所越えなければならない厳しいレイアウトだ。
中盤に越えるアルト・デ・アサリャナス峠は、標高1680メートルで全長16.3km、平均勾配は5.5%。そこを下った後、まず標高1490メートルのアルト・デル・プルチェを8.5km上り、休む間もなくゴールのアルト・オヤ・デ・ラ・モラに挑む。アルト・オヤ・デ・ラ・モラは全長19.3kmで、平均勾配は5.6%だが、序盤に10%の難所がある。
総合首位のフルームは「明日は休養日前の最期のステージで、今日よりもゴールはより難しい。今日は明日のことを考えて走っていた。みんな、ちょっと脚を残していた。他のチームも来て、あまり激しく仕事はしなかった。僕たちはコントロールできた。明日は短くても厳しい1日なので、いくつかの攻撃が予想できるだろう」と、語っている。