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ブエルタ第19ステージは逃げ切ったベルギーのデヘントが区間初優勝

レース
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
 
第72回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月8日にアストゥリアス地方のカソ(パルケ・ナトゥラル・デ・レデス)からヒホンまでの149.7kmで中級山岳区間の第19ステージを競い、逃げ切った9選手でのゴールスプリントをベルギーのトマス・デヘント(ロット・スーダル)が制した。彼はこれで3大ツアーすべてで区間優勝した選手になった。

総合上位に変動はなく、総合首位のマイヨ・ロホは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。



第19ステージも序盤から21選手が逃げ出し、集団に最大で17分以上のタイム差を付けた。この日も山岳賞ジャージを着たダヴィデ・ヴィレッラ(キャノンデール・ドラパック)が逃げに加わり、最初のカテゴリー1の峠と、次のカテゴリー3の峠を先頭で通過し、ポイントを稼いだ。

ゴールまで残り34kmで、ゴール地ヒホン出身のイバン・ガルシア(バーレーン・メリダ)が逃げ集団からアタックし、1分差を付けて独走を続けた。しかし、最後に越えたカテゴリー3の峠でロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラモンディアル)に追いつかれてしまった。

先頭には下りでニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム)とルイ・コスタ(UAE・チームエミレーツ)が追いついて4人になった。そのままゴールまで逃げ切れればヒホン出身のガルシアにチャンスはあったかもしれないが、残り2.5kmでルクセンブルクチャンピオンのボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)が引く5人の追走グループに追いつかれてしまった。

最後は9選手でのゴールスプリントになり、スパートして先頭に出たガルシアの後方から飛び出したデヘントが区間優勝をかっさらってしまった。

メイン集団では、最後のカテゴリー3の峠のふもとでチームメートのクーン・デコルト(トレック・セガフレード)を発射台にしたアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)がアタックし、単独で先行した。

第12ステージと同じように、前を逃げていたエドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)が合流してコンタドールを引き続け、一時はメイン集団に1分近いタイム差を付けることができた。しかし、2人はゴールまで残り2.4kmでチームスカイが引くメイン集団に吸収されてしまった。


■ブエルタで区間初優勝したデヘントのコメント「レース前、山岳賞ジャージとマイヨ・ベルデを含めた大きなグループがおそらく逃げるだろうと我々は考えていた。そしてその2人、トレンティンとヴィレッラがアタックを始めた。自分がスプリントで遅くはないことを知っていた。だから僕は完璧なポジションにいた。命がけでスプリントしなければならなかった。ゴールまでただ全力で行った。ゴールでそれを仕上げられて本当にうれしいよ」

 

■第19ステージ結果[9月8日/カソ(パルケ・ナトゥラル・デ・レデス)~ヒホン/149.7km]
1 トマス・デヘント(ロット・スーダル/ベルギー)3時間35分46秒
2 ハルリンソン・パンタノ(トレック・セガフレード/コロンビア)
3 イバン・ガルシア(バーレーン・メリダ/スペイン)
4 ルイ・コスタ(UAE・チームエミレーツ/ポルトガル)
5 フロリス・デティール(チームロットNL・ユンボ/ベルギー)
6 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
7 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)
8 ニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム/アイルランド)
9 ダニエル・ナバロ(コフィディス/スペイン)
10 クーン・ボーマン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+45秒
■第19ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)75時間51分51秒
2 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分37秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+2分17秒
4 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分29秒
5 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+3分34秒
6 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム/コロンビア)+5分16秒
7 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+6分33秒
8 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+6分33秒
9 ウァウテル・プールス(チームスカイ/オランダ)+6分47秒
10 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+10分26秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第20ステージはマッテーオ・トレンティン(クイックステップフロアーズ/イタリア)が着用
■マイヨ・デ・ルナレス:ダヴィデ・ヴィレッラ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)
■マイヨ・コンビナダ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第20ステージはミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ/コロンビア)が着用
■チーム成績:アスタナプロチーム(カザフスタン)
■敢闘賞:ダニエル・ナバロ(コフィディス/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・コンビナダ(コンビネーション賞)...白
(http://www.lavuelta.com/la-vuelta/2017/us/)
 
 

最終日前日はアングリル山頂ゴール!

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
アルト・デ・ラ・コベルトリア(MAP : Unipublic)
アルト・デ・ラ・コベルトリア(MAP : Unipublic)
アルト・デル・コルダル(MAP : Unipublic)
アルト・デル・コルダル(MAP : Unipublic)
アルト・デ・ラングリル(MAP : Unipublic)
アルト・デ・ラングリル(MAP : Unipublic)
 
9月9日の土曜日はコルベラ・デ・アストゥリアスをスタートし、標高1560メートルでカテゴリー超級のアングリル山頂にゴールする第20ステージが行われる。

距離は117.5kmと短いが、スタートしてすぐにカテゴリーのない登坂があり、アングリル山の手前には標高1195メートルのアルト・デ・ラ・コベルトリア峠と標高790メートルのアルト・デル・コルダル峠という2つのカテゴリー1の峠を越えなければならない。

ゴールのアングリル山は全長12.5kmで平均勾配は9.8%、終盤に23%を越える難所が待ち構えている。2013年にはフランスのケニー・エリソンドが逃げ切って区間優勝している。

ブエルタ初優勝に王手をかけたフルームは「アングリルでは荒れるだろう。しかしそれは爆発的で短いステージだ。だからスタートから攻撃が予想される。アングリルの前には厳しい峠もある。このレースのこの時点でみんな疲れているが、僕は調子がいいと感じている」と、語っている。