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自転車旅人・西川昌徳「中南米縦断自転車旅レポート」第2弾

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世界を自転車で旅し、学校講師の経歴を生かし、途中で授業も行う独自のスタイルで旅を続けている自転車旅人・西川昌徳さんからレポート第2弾が届いた。

現在は自転車で中南米大陸縦断中で、9月13日現在はメキシコ・ユカタン半島プラヤデカルメンに滞在している。


 

旅の概要

前回の旅を区切ったメキシコより、約6カ月かけて中南米大陸を縦断する自転車旅。 各地で起こる出来事や生まれる物語、その国の現実を共有するプログラムを西川さんが講師を務める小中学校で行う。LIVE でつなぐテレビ電話だけでなく、メッセージアプリを利用した生徒との直接的な会話やりとりや、動画のやりとりなどをすることで、よりリアルに近いかたちでその国の実情や旅を伝えることを目的とする。 
 

自転車旅のコンセプト

テント、調理道具などアウトドアで使用するキャンプ装備を持ちながら、最低限のパッキングサイズで旅をするための可能性を探る。具体的には、バイクパッキングと呼ばれる自転車に荷台を取り付 けず、フレームやハンドルにバッグを直接取り付けるパッキングスタイルを選ぶことにより、シンプルで軽く、走る場所を選ばない自転車旅の可能性を広げるスタイルでの長期ツーリングを確立する。 バイクは悪路での走破性もあり、オンロードでもしっかり走るKONA社のグラベルロード「ROVE ST」を使用する。 
 

学校授業のコンセプト

これまで実施してきた「世界を伝える」というコンセプトだけでなく、子どもたちの知らない世界への興味関心を生み出すきっかけづくりや、自分の思いや考えを表現するという部分をしっかりと育んでいけるよう、授業の枠にとらわれない関わり方を目指す。具体的には、子どもたちが自由に使える iPad のメッセージ機能を利用し教室と旅先の西川をつなぐ、直接的なコミュニケーション環境を作ったり、メッセージのやりとりだけでなく写真や動画のやりとりをすることでより分かりやすく伝えられる環境づくりを行う。インターネットテレビ電話での交流には状況に応じて、iPad、iPhoneを使い分けて実施。インターネット環境は現地キャリアSIMやWi-Fiを利用。 
 

旅の進捗状況



6月26日よりメキシコシティから自転車旅をスタートし、9月13日現在はメキシコ・ユカタン半島プラヤデカルメンに滞在中。約3週間かけてキューバを旅し、メキシコに戻る。総走行距離は4040km。

キューバにて財布の盗難に遭い、クレジットカードを紛失。現在日本からの荷物の到着を待ちながら、ユカタン半島に滞在中。カンクンにて荷物を受け取ったあと、ベリーズグアテマラに向けて旅の再開予定。
 

学校授業レポート

夏休み期間に入ったこともあり、テレビ電話 LIVE授業は実施しなかった。夏休み中の児童・生徒とのコミュニケーションツールとして旅の近況報告やその返信を動画で送りあい、旅の状況や彼らの質問に答えたりした。

アプリには iOS のメッセージおよび、Facebook などを使用。キューバではネット環境が一般的に普及しておらず(国の政策)、公共の公園などで現地通信会社のNETカードを購入し Wi-Fi に接続。通信速度はそこまで遅くなかったものの、Skypeをはじめとしたビデオチャットアプリはセキュリティの設定なのか使うことができなかった。

 

旅での出会い

キューバでは、本当にたくさんの出会いに恵まれた。道が分からない、注文の仕方が分からない、買いたいものがあるとき、そして走っているとき。その時々で、多くの方が声をかけてくださり、またその多くの方が自分の時間を使うことをいとわず僕のために動いてくださった。

社会主義を背景とした、どこか時代から取り残されたような風景や暮らしのイメージのあったキューバだが、これまで旅してきたどの国よりもその人間らしさを感じた気がした。
 

旅の心模様

ずいぶん前からいつか訪れたいと思っていたキューバ。その本質は、クラシックカーや時代が止まったかのような街並みとは別のところにあるような気がした。社会主義の国づくりに加え、アメリカから経済封鎖による影響でまるで時代に取り残されたような生活がそこにはあるが、しかしその反面で人間らしさのようなものを感じない日がないくらいに、多くの出会いに恵まれた。

豊かさとは何だろう。物質的な制限の多い国で、人々は何を思うのか。この国にもインターネットが普及し始め、海外旅行者は彼らが見たこともない現代をこの国に持ち込んでいくのを目の当たりにするのだ。

しかし、その生活にはあふれる色と表情がある。通りを歩けば家は開けっ放しで、暮らしがそのまま窓やドアから見える。軒先でミルクをあげる母親、ベランダ同士で話をする若者たち、ただ歩いている僕を見かけ、声をかけ、素直に喜んでくれたり、びっくりしてくれた人たち。そして僕のことを助けてくれた人たち。普通は家で完結するはずの、暮らしが家の外に完全にはみ出している。そしてそれが隣の家や歩く人々と混ざり合って、繋がっていく。それは見た目だけでなく、人の心も同じように僕にはうつった。ありのまま。

もちろん不満や不安はあるだろう。何人かの人にはこの国の暮らしについての愚痴も聞いた。けれども、僕らよりよっぽど生きる上での選択肢が狭く、制限の多いこの国で生きる人は、受け入れることを知っている。心を大きく持つことをしっている。そんな気がした。そんな彼らの心に触れながら、僕はどんどん自分の心が満たされていくのを感じ、また自分は自分ができることをやっていこうという勇気をもらえた。等身大の自分の入れ物に、すっぽり自分が収まった。全てがしっくりくるような感覚とともに、そんな僕を取り戻させてくれたキューバに心から感謝をしたい。

 

自転車旅人・西川昌徳「中南米大陸縦断自転車旅レポート」
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