自転車のあるライフスタイルとシリアスレースの両立。ウエアブランド「ペダレッド」の提案とは？サイクルスポーツのニュース

日本・東京でスタートし、ユーロバイクでアワードに3度輝くなどヨーロッパで高く評価されているウエアブランド「ペダレッド」。イタリアの企業とパートナーシップを結ぶことで、現在は日本とイタリアの2カ国で生産を行っている。近年では英国のプロサイクリングチーム「JLTコンドール」の公式サプライヤーとして、ツアー・オブ・ブリテンでも実績を上げ、記憶に残っている人も多いだろう。

そういったプロレースの現場で認められることに加えて、近年熱狂的な注目を集めつつあるアマチュア超長距離ライド「トランスコンチネンタル」をサポートしているのもこのペダレッド。トランスコンチネンタルとは直訳の「大陸横断」そのままに、自転車で大陸を走り切るライドイベントだ。参加者は約2週間のうちに指定された4つのチェックポイントを通過する。もちろん外部からのサポートを受けずに、自身の力で走るというのが大前提だ。

約2週間のレースをサポートなしで走り切るためのウエアに求められる性能は、通気性や速乾性の実走時の機能面はもちろんのこと、長時間走り続けても違和感をもたせない快適性や、長期間のタフなライドにも耐える耐久性が求められる。
そこにおいてペダレットは毎年サポートライダーが使い、そこからのフィードバックを受ける事を繰り返し開発。より満足感の高いウエアをアマチュアライダーが手にできるのだ。

そんなペダレッドの背景には、「自転車のあるライフスタイルの提案」というものがある。それはデザイナー・鈴木秀人氏が2007年にブランドを立ち上げた時からの理念だ。

鈴木氏が自転車通勤を始めたときに、自分が着たいと思えるウエアが当時はなかった。レースジャージと言えば、ロゴが大きく入った派手な配色など、街中に溶け込むとは非常に言いがたく、通勤の際にそのままではカフェ等にも入ることができない。そこでデニムにあわせて、ベストを羽織って街中に溶け込むことのできるデザインのウエアを求めた。そして自身で作り挙げたというのがペダレッドの成り立ちだ。

鈴木氏は、「こうして海外のトランスコンチネンタルの広がりを生で見ていると、アマチュアのサイクリストたちはそのレース本番の数週間、休暇をとるということの為に仕事をして、トランスコンチネンタルに備えている。

短期的に見たら、それはただひとつのレースを走るということだけかもしれない。けれどその休暇を取るために仕事をして、走れる体作りをして……と長い目で見た時それはもう”ライフスタイル”そのものになっている。そんな時に選ばれるウエアでありたいし、それはすなわちライフスタイルの提案につながっている」と話す。

シリアスなレースと、自転車のあるライフスタイル。ペダレッドが目指すウエア作りは、その2つから成り立つ。それをイメージした2色のロゴから広がるこれからのペダレッドラインナップにいっそう目が離せない。（text&photo:江里口恭平）