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コンタドールがまた来年も戻ってくる!?2017ジャパンカップ トレック・セガフレード 大盛況のアフターパーティー
レース
2017.10.27
10月22日(日)、栃木県・宇都宮市で行われた大雨のジャパンカップ。その翌日、台風一過のすっかり晴れ上がった東京の夜、トレック・セガフレードのアフターパーティーが開催された。終始盛り上がりを見せた大満足のアフターパーティーの様子をお届けしよう!
text&photo:滝沢 佳奈子
text&photo:滝沢 佳奈子
雨のジャパンカップが幕を閉じ、深夜のうちに台風21号も過ぎ去った。翌日の東京は綺麗な青空。その夜、東京は青山でトレック・セガフレードのアフターパーティーが行われた。初来日のアルベルト・コンタドール選手が間近で見られるともあり、アフターパーティーへの応募は殺到。抽選で当たった幸運の持ち主たちがパーティーが始まるのを今か今かと待ち構えていた。選手たちの名前が順番にコールされると、昨年同様、白塗りのリムジンから姿を現した。
今回ジャパンカップで来日したトレック・セガフレードのメンバーは、今年のポルトガルチャンピオンでプロ1年目のルーベン・ゲレイロ選手、昨年、21歳でアメリカチャンピオンに輝いたプロ1年目のグレゴリー・ダニエル選手、今年のパリ~ルーベで4位に入ったヤスペル・ストゥイヴェン選手、今回の来日はかなわなかったジョン・デゲンコルプ選手の発射台としてもコンタドール選手のアシストとしても活躍する仕事人、クーン・デコルト選手、我らが日本のスーパースター別府史之選手、そして今回初来日であり、引退後初めてのレース参戦となったアルベルト・コンタドール選手の5人だ。監督は、選手として走る姿も記憶に新しいヤロスラフ・ポポヴィッチが務めた。
全員が揃うとポポヴィッチ監督から挨拶。「今回は長くならないから!」と付け加えて、「日本は最高です! 来年も、その次も、この先60年間は誰にもジャパンカップの監督の座を譲りません!」と話すと、会場からは大歓声。ポポ監督の「カンパイ!」の音頭で全員で乾杯。多くの参加者が選手たちのもとに乾杯をしに行っていた。
その後は各選手から挨拶。アメリカ・コロラド州出身の22歳、ダニエル選手は、「今年トレック・セガフレードに加入して1年目で、今回一緒に参加したチームメイトも偉大な選手ばかりで緊張していました。これからの成長のいい経験となっていると思います」とニコニコ笑顔を見せた。
次に、同じく若手でルイ・コスタ選手の後継者とも言われた現ポルトガルチャンピオンのゲレイロ選手が「こんばんは!」と日本語で言うと会場は大盛り上がり。「少し日本語勉強してきました」と笑う。初来日はどうですか?と聞かれると、「少し観光もしましたが、街は綺麗だし食べ物は美味しいし、何より人々が素晴らしいです!」と答えた。
さらに続けて、これで5度目の来日となったデコルト選手が会場の参加者に向けて挨拶をする。「帰ってこられてうれしいです。ジャパンカップは初めてですが、さいたまクリテリウムには2回参加しています。今回はオーストラリア人の奥さんと一緒に来ました。毎回、日本に帰ってくることを楽しみにしています。この後は1週間ほど東京に滞在し、日本を観光する予定です。日本には何回も観光でも来ているのですが、箱根や彦根、京都に行ったり、高野山も素晴らしいところでした」。
予想外の日本の地名の登場に思わず別府選手も驚きの表情。そんな別府選手とデコルト選手は年齢も1つしか変わらず、プロトン内で一緒に過ごしてきた時間も長い。デコルト選手が別府選手はチームでどんな存在か聞かれると、「日本ではスーパースターですけど、チームの中でもスーパースターですよ!」と答え、さらに会場の温度が上がった。
続けて呼ばれたストゥイヴェン選手は、「去年初来日して、今回が2回目の来日となります。ここにまた戻ってくることができてうれしく思っています。週末のレースは雨で残念でしたが、多くのファンとこういった時間を過ごせたり、美味しい和食を食べられたり、本当に楽しい時間を過ごせています」と話した。
日本の気に入ったところを聞かれると、「日本の食事はとても最高です! 特に寿司は大好きです。日本人のファンはみんな親切で、選手に対してリスペクトを持ってくれているし、日本人の人柄が大好きです」と笑った。
今年のパリ~ルーベでは4位という結果を残したが、来年については、「今年のパリ~ルーベでは4位だったけど、決して簡単なレースではありませんでした。4位になって、今後もその位置に行くことができる力があることも分かっているし、来年はポディウムとは言わず、一番高いところに立ちたいと思っています。また、ツールドフランスも大事なレースの一つです。もちろんジャパンカップでの優勝というのも一つの目標としたいです」と抱負を語ると、歓声が上がった。
毎年この時期にしか間近で走る姿を見ることができない別府選手の番になると、会場の歓声がひときわ大きくなった。「毎年のようにこんなに集まってくれてうれしいです。日本は道も綺麗だし、人も親切だし、食べ物も美味しいし、僕も日本に帰ってくることがなかなかないので、外国人のコメントになってしまいますけど……。ジャパンカップでのチームの成績としては、ヤスパーが6位でした。今年はクリテリウムでの3連覇をみんながすごい期待してくれていたんですが、結果を出せなくて自分でも悔いている部分があります。やっぱり自転車レースっていうのは絶対がないから、なかなか難しい競技ではあるんですけど、また来年に向けてしっかり勝てるように準備して戻ってきたいと思います! 来年もまた僕、呼ばれるんですかね……?」と話すと、「ええーーーー⁉︎」という声。
ジャパンカップが近くなるとチームメイトから別府選手へのオファーがあるという。「でも僕が選んでるわけじゃないので、僕に言うんじゃなくて、ルーカ(・グエルチレーナGM)に直接『ジャパンカップ出してくれ』って言ってもらわないと! さっき僕もルーカに『来年、僕大丈夫かな……?』って聞いたんです。わかんないじゃないですか! 来年ジャパンカップ漏れた……って言ってるかもしれない(笑)。ジャパンカップに向けてのセレクションは本当に接戦なんです」と、なんともうれしいチーム内でのジャパンカップの人気の高さも明かした。
そしていよいよコンタドール選手の番。会場のボルテージはマックス。「多くの人が集まってくれて本当にうれしいです。自分にとって空港に着いてから驚きの連続(空港での多くの出迎えなど)で、初めて日本に来ましたがとても良い印象を持ちました。日本に呼んでくれたトレック、トレックジャパン、セガフレードに感謝したいです」と話す。
少し喉の調子が悪いものの、「僕は歌うことが好きなんです」と言って、自身のインスタグラムでも公開している生口パクカラオケを披露し、会場を沸かせた。
ブエルタの第20ステージの優勝については、「自分の現役生活の中でも一番印象に残るレースでした」と落ち着いた笑顔を見せた。「ここにまた必ず戻ってきたいです」と話したコンタドール選手は、来年、もしかするとトレックの下部組織となるアルベルト・コンタドール財団の選手たちを引き連れて監督として再び姿を見せるかもしれない。
昨年のファビアン・カンチェッラーラ選手の時と同様に、全員がコンタドール選手とサインや写真を撮ることができる時間が設けられた。その他の選手のもとにもサインや写真目当ての長~い行列が。中には、持参したマドン9 Fumiyuki Beppuリミテッドエディションフレームを持って列に並ぶ人も!
パーティーの途中では、この限定モデルの実車をデザインを担当した奥野さんと別府選手自らが説明する時間もあった。「今年、トレックがオリジナルバイクを作ったのは、ジョン・デゲンコルプとアルベルト・コンタドールと僕。世界で3人しかいないんですよ! 長年トレックに乗ってきて、こうやってデザインをしてもらえるのは光栄なことで、本当に誇りに思います。自分のインスピレーションと自分のやってきたことをデザイナーの奥野さんに伝えて、この自転車に落とし込みました」と別府選手。
また、デザイナーの奥野さんは、「リエージュにいるときに別府さんから電話がかかってきて、いろいろな案を作ってこのデザインに落ち着きました。フミのスローガンであるI know I can というのをフランス語にしてジャパンルックにするであったり、Fumyのロゴを使ってカモフラージュにして、集団の中で仕事をするっていうことをデザインとして落とし込んだりしました」とこだわりを語った。
パーティーもそろそろ終わりの時間に近づくと、大抽選会が行われた。景品はなんと、ジャパンカップで使用した各選手のゼッケンやジャージだ。ファン垂涎ものばかりで、MCに「欲しい人ー!!?」と聞かれるたびに会場にいたほぼ全員が勢いよく手を挙げていた。当選した強運の持ち主たちは、自分の番号が呼ばれるととてつもない笑顔で壇上に上がっていった。
最後には全員で記念写真を撮影後、参加者で花道を作って選手たちとハイタッチでお別れ。最後まで笑顔が絶えることのないアフターパーティーであった。別府選手はこの後、さいたまクリテリウムに出場後、茅ヶ崎ヴェロフェスティバルにも登場予定だ。日本での自転車イベントはまだまだこれからが本番だ。別府選手が日本にいるこの機会に会いに行ってみてはいかがだろうか。
トレック・ジャパン