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頂上ゴールのジロ・デ・イタリア第8ステージでマリア・ビアンカのカラパスが区間初優勝
レース
2018.05.13
第101回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月12日にプライア・ア・マーレから標高1260メートルのモンテベルジーネ・ディ・メルコリアーノ頂上(カテゴリー2)までの209kmで第8ステージを競い、ゴールは土砂降りの雨になったが、新人賞のマリア・ビアンカを着たリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が独走で制し、エクアドルにジロの区間優勝を初めてもたらした。
メイン集団は7秒遅れでゴール。個人総合リーダーのマリア・ローザは、英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が守った。カラパスは10秒のボーナスタイムも獲得し、総合11位から8位へと順位を上げた。
この日はゴールまで残り5.3kmのヘアピンカープの上り坂で、集団の中盤にいたクリストファー・フルーム(チームスカイ)が転倒するアクシデントがあったが、すぐ集団に追いつき、事なきを得た。しかし、総合順位はカラパスに抜かれて8位から9位へと後退している。
第8ステージは171選手がスタート。23km地点で7人の選手がアタックし、この日の逃げ集団を形成した。
メンバーはマッテーオ・モンタグーティ(AG2R・ラモンディアル)、ロドルフォ・トレス(アンドローニジョカットリ・シデルメック)、ダヴィデ・ヴィッレッラ(アスタナプロチーム)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・メリダ)、トッシュ・ヴァンデルサンデ(ロット・スーダル)、クーン・ボーマン(チームロットNL・ユンボ)、ヤン・ポランツェ(UAEチーム・エミレーツ)だった。
7人は残り100kmで集団に最大6分以上の差を付けたが、集団はマリア・ローザを擁するミッチェルトン・スコットがコントロールして、終盤に向けて次第に減っていった。ゴールまで残り24kmを切った時点でタイム差は3分台になり、この頃から雨が降り出した。
ゴールまで残り17kmで、18カ所のヘアピンカーブがあるモンテベルジーネ・ディ・メルコリアーノの登坂がスタート。逃げグループと集団の差は2分半になっていた。残り11kmで、先頭の逃げはモンタグーティ、モホリッチ、ボーマン、ポランツェの4人に減っていた。
ゴールまで残り4kmを切り、タイム差が24秒にまで縮まった時点で、先頭からボーマンがアタック。土砂降りの中を単独でゴールを目指し、それをモンタグーティが追った。しかし、残り1kmのフラム・ルージュが近づいたところで、メイン集団からマリア・ビアンのカラパスが飛び出し、逃げていた2人をあっさり抜いてしまった。
カラパスはそのまま単独でフィニッシュラインを通過し、グランツール初優勝を果たした。メイン集団はボーナスタイムを狙ったティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が最後にスパート。区間3位になって4秒獲得し、総合順位を1つ上げている。
■エクアドルにジロ区間初優勝をもたらしたカラパスのコメント
「とても幸せで感動している。ボクの初めてのグランツールでの勝利だからね。これを得るために、懸命に努力した。上りのふもとから脚の調子が良かった。スプリントで勝つチャンスはないから、遠くからトライしなければならなかった。残り2kmで、適切な瞬間を選択した。ローマまではまだ道程は長く、自分にどんな成績が出せるかはまだわからない。でもこれでもう素晴らしいよ」
■第8ステージ結果[5月12日/プライア・ア・マーレ~モンテベルジーネ・ディ・メルコリアーノ/209km]
1. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 5h 11’ 35”
2. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 0’ 07”
3. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 07”
4. BATTAGLIN Enrico (TEAM LOTTO NL - JUMBO / ITA) 0’ 07”
5. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 0’ 07”
6. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 07”
7. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 0’ 07”
8. KONRAD Patrick (BORA - HANSGROHE / AUT) 0’ 07”
9. WOODS Michael (EF EDUCATION FIRST-DRAPAC p/b CANNONDALE / CAN) 0’ 07”
10. BILBAO Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 0’ 07”
■第8ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 31h 43’ 12”
2. DUMOULIN Tom (TEAM SUNWEB / NED) 0’ 16”
3. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 0’ 26”
4. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 41”
5. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 43”
6. DENNIS Rohan (BMC RACING TEAM / AUS) 0’ 53”
7. BILBAO Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 01’ 03”
8. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 01’ 06”
9. FROOME Chris (TEAM SKY / GBR) 01’ 10”
10. BENNETT George (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NZL) 01’ 11”
11. ARU Fabio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 01’ 12”
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):Elia Viviani (Quick-Step Floors)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):Esteban Chaves (Mitchelton - Scott)
■新人賞(マリア・ビアンカ):Richard Carapaz (Movistar Team)
序盤戦の締めくくりはカテゴリー1の頂上ゴール
グラン・サッソ・ディターリアは全長26.5km、平均勾配は3.9%だが、最後の4kmがキツく、最大13%の難所がある。グラン・サッソ・ディターリアの前には、標高1190メートルのカラシオ峠も上らなければならない。2つの登坂を合わせると約45kmになる。
(レース公式サイト)