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初日の個人TTで西谷が優勝! ツアー・オブ・ジャパン開幕

アジアツアー2.1にグレードアップしたTOJが大阪府堺市で開幕。第1ステージはあいにくの雨になったが、愛三の西谷が優勝して最初のグリーンジャージを獲得した

 
Photo: (C)TOJ2013 / cyclesports.jp

初参戦のランプレ・メリダが前哨戦のクリテリウムで圧勝!

 

新緑の日本列島を駆け抜けるツアー・オブ・ジャパンの第16回大会が、5月19日に大阪府堺市の大仙公園周回コースで開幕した。今年は国際自転車競技連合(UCI)への登録クラスが2から1へとグレードアップしたため、UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム、UCIコンチネンタルチーム、ナショナルチームとともに、トップディビジョンのUCIプロチームが参加できるようになったため、現在ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)にも参加しているイタリアのランプレ・メリダが参戦。ツアー・オブ・ジャパンのプレレースとして、第1ステージのスタート前に開催された堺国際クリテリウム(UCI未登録レース)では、アルゼンチンのマキシミリアーノ・リケーゼが優勝し、その存在感を見せつけた。リケーゼは昨年までチームNIPPOに所属していたスプリンターで、昨年の美濃ステージで優勝した選手だ。今シーズンはトップチームのランプレ・メリダに移籍し、ジロ・デル・トレンティーノ(イタリア)、ツアー・オブ・ターキー(トルコ)、ツール・ド・ピカルディー(フランス)といったステージレースを走ってTOJに臨んでいる。「今シーズン、トラックレースでは勝っていたけど、ロードはこれが最初の勝ち星だからうれしいよ。チームはみんな調子がいいし、次は去年も勝った美濃ステージを狙うつもりだ」と、リケーゼは語っていた。チームを率いるブルーノ・ビチーノ監督の話では、ランプレ・メリダは現在、ジロの他にもドイツのバイエルン一周に参戦しているため、今回はスプリンターしか来日しておらず、総合成績を争うのは難しいため、ツアー・オブ・ジャパンでは区間優勝を狙っていくという。

 

■第3回堺国際クリテリウム(UCI未登録レース/27km)

1 マキシミリアーノ・リケーゼ(ランプレ・メリダ/アルゼンチン)35分16秒

2 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)

3 アンソニー・ジャコッポ(ヒューオンサーモン・ジェネシス/オーストラリア)

4 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)

5 ウイリアム・ウォーカー(ドラパック・ポルシェ/オーストラリア)

6 アンドレアフランチェスコ・パリーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)

7 マリウス・ウィズィアック(マトリックスパワータグ/ポーランド)

8 窪木一茂(マトリックスパワータグ/日本)

9 ワンイップ・タン(チャンピオンシステム/香港)

10 大久保陣(チームUKYO/日本)+2秒

 

雨天の第1ステージ(個人TT)で愛三の西谷泰治が優勝!

 

ランプレ・メリダの鮮やかな列車がレースを支配した直後、曇り空から雨粒が落ち始めた。ツアー・オブ・ジャパンの第1ステージが行われた日曜日は、大阪地方には午後から次第に天気が崩れ、雨になる予報が出ていた。第1ステージは大仙公園周回コースの2.65kmを走る個人タイムトライアルだったため、天候の悪化を事前に考慮した愛三工業レーシングチームの監督は、エースである西谷泰治の出走時間をチーム内で2番目にした。西谷は参加95選手中、24番目にスタートした。この采配が功を奏し、彼は全力で2.65kmを駆け抜けて3分26秒のトップタイムを出した。雨脚が強くなった後半には西谷のタイムを脅かす者はなく、彼は第1ステージの区間優勝と、総合首位の証であるグリーンのリーダージャージを獲得した。「第1ステージで勝てばリーダージャージを獲得できる。それはとても大事なことだった。正直取れるとは思っていなかったのでうれしい。今季はスケジュールが合わなかったため、3月のアジア選手権から2ヶ月間レースに出ていなかった。コンディションだけはしっかり保とうと思って、トレーニングは続けていた。その結果は満点だった」と、区間優勝した西谷は喜びを語った。「チームとしては当初、美濃の区間を狙っていくつもりだった。今日取れたことは幸いだが、それでスタンスが変わることはなく、美濃でも区間を取りつつ、総合を守りたい」

 

区間2位には3秒遅れで韓国出身のソ・ジョンヤン(KSPO)が入り、今大会から新設された25歳以下の選手(2013年に満25歳となる選手)を対象とした新人賞のホワイトジャージを獲得した。ソは「雨で滑らないかと心配だったから、注意して走った。トラック競技(個人追い抜き)をしていた経験が助けになったと思う。美濃でもいい成績が出せるように頑張りたい」と、話していた。

 

■第1ステージ[5月19日/堺/2.65km(個人TT)]

1 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム/日本)3分26秒

2 ソ・ジョンヤン(KSPO/韓国) +3.70秒

3 盛一大(愛三工業レーシングチーム/日本)+4.27秒

4 野中竜馬(シマノレーシング/日本)+5.01秒

5 内間康平(チームNIPPO・デローザ/日本)+5.46秒

6 マリウス・ウィズィアック(マトリックスパワータグ/ポーランド)+6.13秒

7 アンドレアフランチェスコ・パリーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+6.41秒

8 マート・オハベー(チャンピオンシステム/エストニア)+6.55秒

9 マキシミリアーノ・リケーゼ(ランプレ・メリダ/アルゼンチン)+6.58秒

10 シモーネ・コンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ/イタリア)+7.94秒

■第1ステージまでの総合成績(グリーンジャージ)

1 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム/日本)3分26秒

2 ソ・ジョンヤン(KSPO/韓国) +4秒

3 盛一大(愛三工業レーシングチーム/日本)+5秒

4 野中竜馬(シマノレーシング/日本)+5秒

5 内間康平(チームNIPPO・デローザ/日本)+6秒

6 マリウス・ウィズィアック(マトリックスパワータグ/ポーランド)+6秒

7 アンドレアフランチェスコ・パリーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+7秒

8 マート・オハベー(チャンピオンシステム/エストニア)+7秒

9 マキシミリアーノ・リケーゼ(ランプレ・メリダ/アルゼンチン)+7秒

10 シモーネ・コンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ/イタリア)+8秒

[各賞]

■ポイント賞(ブルージャージ):西谷泰治(愛三工業レーシングチーム/日本)

■山岳賞(レッドジャージ):※第1ステージは設定ナシ

■新人賞(ホワイトジャージ):ソ・ジョンヤン(KSPO/韓国)

■チーム成績:愛三工業レーシングチーム(日本)

 

蛍光イエローがまぶしいビーニファンティーニも参戦!

 

グレードアップしたツアー・オブ・ジャパンには、ランプレ・メリダ同様、現在ジロに出場しているイタリアのUCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリアも参加している。あざやかな蛍光イエローのチームジャージは、集団のなかでもひときわ目立つ存在だ。前哨戦の堺国際クリテリウムでは、ランプレ・メリダのりケーゼと競り合ってスプリンターのミケーレ・メルローが2位に入った。彼は今年1月にベネズエラで開催されたブエルタ・ア・タチラ(アメリカツアー2.2)の平坦ステージで区間優勝し、チームに今季1勝目をもたらした選手だ。チームを率いるジュゼッペ・ディフレスコ監督は「平坦ステージではスプリンターのメルローで区間優勝を目指し、総合成績は山に強いクリスティアーノ・モングッジとピエールパオロ・デネグリで狙うつもりだ」と、語っていた。

 

■昨年のTOJで総合優勝したイタリアのフォルトゥナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)も今大会に参戦。残念ながら日本のレースではチームの格付けが優先されるため、ディフェンディングチャンピオンでありながら彼にはゼッケン1が与えられなかったが「日本ではたくさんのレースで勝っているからゼッケン1でも2でも3でも、全然問題ないよ!」と、笑っていた

 

 

 

■昨年のTOJで総合2位になり、今季はツール・ド・ランカウイ総合優勝という大金星を上げたコロンビアのジュリアンデービッド・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)は、昨年同様ビザの問題が続いていて、今年もヨーロッパのレースは走ってないという。調子はあまりよくないと言っていたが、それでも初日のTTでは、クライマーでありながらたった11秒しか遅れなかった。TOJでもコロンビア旋風を巻き起こしてくれるか?!

 

■今年はUCIプロフェッショナルコンチネンタルチームのチャンピオンシステムで参戦している西薗良太。宿泊ホテルのグレードも上で喜んでいた。彼は今大会では総合上位入賞を目指して走る。この後TOJは、21日に美濃、22日に南信州、24日に富士山、25日に伊豆、そして26日に東京でステージを行うので、是非会場へ足を運んで応援してほしい

 

問い合わせ先

ツアー・オブ・ジャパン
http://www.toj.co.jp