''剛''から''柔''へ。アルゴン18・ガリウム プロ
ガチガチのレーサーからキャラクターを一新
シートステーはとくに細くなり、フレーム重量は790g(Mサイズ)にシェイプアップ。軽くなったぶん剛性が不足するのを防ぐため、シートステーとシートチューブの接合部や、BBとシートチューブの接合部にはリブが立てられている。
シートチューブは左右非対称となり、必要な剛性を稼ぐことでレーシングバイクとして戦闘力をアップした。
最近のロードバイクはサイズが違っても同じ剛性を出すようにするなど、サイズ展開にプラスアルファの工夫をするメーカーが多い。
アルゴン18のアプローチは「3Dヘッドチューブ」という機構の採用。
これは、ヘッドチューブの長さを3段階で調節することができるもの。
通常はステムの下側をフォークコラムのみで支えなければならないのに対し、ヘッドチューブが延長できるのでヘッドの剛性低下を抑えつつ多くのポジションに対応することができる。
フレームのペイントもマット塗料のみから、マットとグロスを使い分けたデザインとなって、見た目においても他社との差別化に成功している。
ARGON18 GALLIUM PRO
アルゴン18・ガリウム プロ
フレームセット価格 37万8000円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・デュラエース9000
ホイール:エドコ・ネギアライト
タイヤ:チャレンジ・フォルテ
ハンドルバー:FSA・Kウィング エアロ31コンパクトカーボン
ステム:FSA・Kフォースライト31カーボン
サドル:サンマルコ・ゾンコラン
シートポスト:アルゴン・Asp6550
試乗車実測重量:6.1kg(Sサイズ、ペダルなし)
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
カラー:マットブラック×レッド
■左右非対称のシートチューブ。チューブの再度からBBに向かってリブが伸びているのがわかる。
■非常に細いシートステー。シートチューブとの接合部からはトップチューブにかけてリブが伸びている。しなりを演出する部分。
■フォークの前後幅を狭くし、しなりをもたせた。その分、四角断面を採用し剛性が不足するのを防いでいる。
■3Dヘッドチューブはただスペーサーを追加するのではなく、ヘッドチューブ内部までスリーブが切ってあるので、ヘッド剛性に不足はない。
■BBにはBB86規格を採用。軽さと剛性を両立するためのチョイス。BB下がりは75mmとかなり低い。
■ここ数年はマット塗装が流行していたが、グロスとの塗り分けを採用。細かいところだが、個性があり、所有する喜びをもたらす。
CYCLE SPORTS .jp・ナカジの試乗レポート
2013年モデルに試乗したときは、ペダルにしっかりとフレームの硬さが返ってくるガチガチのレーサーという印象だった。
それと2014年モデルを比べると、生粋のレーシングフレームということは変わらないが、踏み応えではなくて、しなりを生かして前に出て行く作りに大きくキャラクターを変えている。
体重62kgの自分にはこちらのほうが、フレームのしなりのリズムがマッチしているので、加速の伸びは気持ちがいい。下りで下ハンを持って前荷重でもがいてみても、フロントまわりがしっかり安定している。
低いBB位置もひと役買っているのだろう。
組み合わせるホイールだが、写真のエドコ・ネギアライトのほかに、リムハイト58mmのエドコ・フルカも試してみた。
自分なら、フレームの軽さとしなりを生かせるネギアのほうに軍配を上げたい。軽さを生かしたヒルクラ医務レースで、走りのキレを生かした短距離レースなどの用途に向いている。