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アルゴン18・ナイトロジェン 試乗レポート
2015.04.05
チーム「ボーラ・ アルゴン」が使用するエアロロードバイク
フレームの成り立ちは、空力を重視した翼断面形状のストレートフォークと、そのブレードの後方にミニ Vブレーキを備える。ホリゾンタルに近いメインフレームと、エアロシートポスト、フロントと同様に、Vタイプのブレーキをリヤにも採用するなど、昨今のエアロロードのトレンドがすべて盛り込まれている。
同社のアイコンともいえるヘッドシステム「3Dヘッドチューブ」 も、エアロカバーが搭載され、ベ アリング受けの圧入するタイプ「エアロ3Dヘッドチューブ」へと進化した。このカバーは空気抵抗を低減するだけでなく、ハンドルに力を入れたときにフォークコラムがたわむのを抑え、よりよい ハンドリングをもたらしてくれる。
フレーム形状の開発には米国の「A 2ウインドトンネル」というクルマのレーシングカーも実験できるほど大型の風洞実験施設が使われた。そこでのバイク単体および、ライダーが乗車した状態での テストに加えて、コンピュータ解析によるシミュレーションも用いられた。実測と仮想実験の両面か ら開発されていったのだ。
ARGON18 NITROGEN
アルゴン18・ナイトロジェン
フレームセット価格/36万円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・アルテグラDi2
ホイール●エドコ・アンブリアルライトTU
タイヤ●ハッチンソン・カーボンコンプ 23C
ハンドルバー●FSA・Kウ イング
ステム●FSA・K-フォースライト
サドル●サンマルコ・コンコール
シートポスト●アルゴン 18・ASP5000
試乗車実測重量●6.80kg(Sサイズ、ペダルなし)
サイズ●XS、S、M、L、XL
カラー●ブラック×レッド
BBはプレスフィットタイプを採用し、特徴である低重心設計も継承されている。ダウンチューブ後方はボトルを取り付けても空力性能を維持するためにフラットになっている
ブレーキはTRP製専用「ヒドゥ ンエアロブレーキ」を搭載。フロン トもリヤもフレーム後方に取り付け られ、フレーム形状と一体かのような構造にすることで空気抵抗を低減
エアロ3Dヘッドチューブへ進化した同社の独自規格。ベアリング受けの圧入がなされ、カバーがエアロダイナミクスを意識した形状に変更。スペーサーは15mmと25mmを用意
チェーンステー は上から見るとか なり幅が広い形状 で、ペダリングパ ワーをしっかり伝 達する。またリヤ トライアングルが小さいので、空力性能の面から見ても有利
シートクランプはパーツを組み替 えることでシートアングルを72度もしくは76.5度に調整できる。ロードバイクのポジションに加えて、トライアスロンやTT 用の前乗りポジションにも対応
ナカジの試乗レポート
とても気持ちよく走る。縦方向と横方向の衝撃の伝わり方に差があるのは気になるが、それによってバイクの挙動が不安定なわけではない。実測重量はもちろん軽いが走ってみてもそれを体感できる。軽いバイクに乗っているという感覚はそれだけでアドバンテージだ。上りでも下りでも気持ちよく走っていける。
ブレーキは、通常のキャリパーブレーキと比べると少し違和感がある。Vタイプとキャリパータイプで構造がそもそも違うのでしかたないが…..。他社のエアロロードでも、Vタイプのブレーキを備えるモデルには同様の感触がある。シューのセッティングやホイール選びに凝っていきたい。
ヘッドが独自の機構を備えている。一見するとエアロカバーに見えるトップキャップは、ちゃんと荷重を受け止めるようになっている。おなじ高さを通常のコラムスペーサーで支えるよりもコラムのたわみを抑えている。実際にハンドリングは扱いやすく気持ちがいい。
同社の特徴である75mmドロップのBB。定説では低いBBハイトのフレームは巡航性能はよくても、初期加速の鈍さを指摘されるが、ナイトロジェンにおいてはない。
ライバルとなるのはジャイアント・プロペルだ。アルゴンの3Dヘッドチューブに対して、ジャイアントはコラムサイズを1- 1/4と大径化している。そしてエアロVブレーキを前後に搭載。同じホイールで走り比べていないので明言できないが、以前に乗ったプロペルアドバンスドプロと比べ、加速の軽さはナイトロジェンがやや勝っている印象。あとはコストと所有欲のバランスをどう考えるかだ。