トピックス
ロードバイクインプレッション「キャニオン・アルティメットCF SLXディスク8・0」
2017.03.20
待望のディスクブレーキ仕様をラインナップ
昨年投入されたエンデュレースCF SLXに続き、キャニオンは軽量レースモデルのアルティメットCF SLXにもディスク仕様を加えてきた。
そして、その性能を最も身近にした一台が、紹介する「アルティメットCF SLXディスク8・0」だ。フレームの基本設計はリムブレーキ仕様と変わらず、重量比剛性と空力性能、そして快適性をバランスして、オールラウンドを極めた走りを追求している。
ディスクブレーキの仕様は世界基準のフラットマウント台座にOLD100×142mmのスルーアクスルという組み合わせ。
リムブレーキ仕様との外観上の違いは、ディスク台座を含めた前後のエンドまわりとフロントフォークのシェイプだが、ディスク仕様は左チェーンステーとフォークレッグのカーボン素材を変更。破断に強い素材をプラスして補強を行い、さらにレジンも高耐熱性に優れるタイプを新たに用いるなどして安全性が高められている。
そして、その性能を最も身近にした一台が、紹介する「アルティメットCF SLXディスク8・0」だ。フレームの基本設計はリムブレーキ仕様と変わらず、重量比剛性と空力性能、そして快適性をバランスして、オールラウンドを極めた走りを追求している。
ディスクブレーキの仕様は世界基準のフラットマウント台座にOLD100×142mmのスルーアクスルという組み合わせ。
リムブレーキ仕様との外観上の違いは、ディスク台座を含めた前後のエンドまわりとフロントフォークのシェイプだが、ディスク仕様は左チェーンステーとフォークレッグのカーボン素材を変更。破断に強い素材をプラスして補強を行い、さらにレジンも高耐熱性に優れるタイプを新たに用いるなどして安全性が高められている。
性能面では制動性能の向上もそうだが、エンドまわりの剛性アップにより「ハンドリングの安定性と制御性を向上できる」と、開発担当のM・アドマイトは語る。気になるフレーム重量は、リムブレーキ仕様に対して100gの重量増に抑えた800g(Mサイズ)に仕上げている。プロチームではカチューシャが、春のクラシックとツアー・オブ・カリフォルニアでディスク仕様のモデルを投入する予定だという。
フロントセクションの立ち居振る舞いに差が出る
筆者は現行型のアルティメットCF SLXのリムブレーキ仕様に乗っているが、今回は同サイズの試乗車をキャニオンジャパンに用意していただいた。ホイールこそ違うものの、同サイズで両タイプの走行感を比べられるのは興味深い。
さらに今回はリムブレーキのホイール重量に近づけるべく、同社よりDTスイス・RR21ダイカットのディスク仕様も借りて付け替えて試乗した。試乗車はストック状態だとコスミックプロカーボンのホイール重量(ディスクローター付き前後で2130g)が響き、アルティメットが本来持つ、パリッとした軽さを持ちつつも、絶妙な踏みしろのあるペダリングフィールがややスポイルされ、上りの走りは重量なりに鈍くなる。
ホイールを交換すると、本来の軽快さが全域で復活する。ペダリング感覚はリムブレーキタイプと変わりないが、ディスクタイプはエンドまわりの剛性が上がっているためか、特にフロントまわりの立ち居振る舞いが若干違う。ディスクタイプのほうが、高速時やコーナー立ち上がりのダンシングの反応性にたける。
しかしその反面、上りでのダンシングは若干突っ張る印象もあり、リムブレーキのほうが淀みない走りだ。
またフロント側の乗りごこちは振動を伝えやすい印象もあるが、それも空気圧を落として(0.2~0.5bar)調整可能な範囲。ディスクブレーキを得たことによる悪天候時の制動力向上、コーナリングの進入速度が高まるといった利点も含めて考えれば、フロント側の振る舞いの違いは重箱の隅をつつくレベルの弱点だろう。
走りの味を求めるのならリムブレーキもいいが、総合的な速さはディスク仕様のほうが上手だ。
インプレッションライダー:吉本司
フリーの自転車ライター。自転車歴30年超のベテランデ、機材だけでなくレース、ツーリング、歴史、市場動向など、幅広い分野で知識が深いことで知られる。
さらに今回はリムブレーキのホイール重量に近づけるべく、同社よりDTスイス・RR21ダイカットのディスク仕様も借りて付け替えて試乗した。試乗車はストック状態だとコスミックプロカーボンのホイール重量(ディスクローター付き前後で2130g)が響き、アルティメットが本来持つ、パリッとした軽さを持ちつつも、絶妙な踏みしろのあるペダリングフィールがややスポイルされ、上りの走りは重量なりに鈍くなる。
ホイールを交換すると、本来の軽快さが全域で復活する。ペダリング感覚はリムブレーキタイプと変わりないが、ディスクタイプはエンドまわりの剛性が上がっているためか、特にフロントまわりの立ち居振る舞いが若干違う。ディスクタイプのほうが、高速時やコーナー立ち上がりのダンシングの反応性にたける。
しかしその反面、上りでのダンシングは若干突っ張る印象もあり、リムブレーキのほうが淀みない走りだ。
またフロント側の乗りごこちは振動を伝えやすい印象もあるが、それも空気圧を落として(0.2~0.5bar)調整可能な範囲。ディスクブレーキを得たことによる悪天候時の制動力向上、コーナリングの進入速度が高まるといった利点も含めて考えれば、フロント側の振る舞いの違いは重箱の隅をつつくレベルの弱点だろう。
走りの味を求めるのならリムブレーキもいいが、総合的な速さはディスク仕様のほうが上手だ。
インプレッションライダー:吉本司
フリーの自転車ライター。自転車歴30年超のベテランデ、機材だけでなくレース、ツーリング、歴史、市場動向など、幅広い分野で知識が深いことで知られる。
spec.
フレーム●カーホボン
フォーク●カーボン
メインコンポ●シマノ・アルテグラ
ホイール●マヴィック・コスミックプロカーボンディスクブレーキCL
タイヤ●マヴィック・イクシオンプロCL 700×25C
ハンドルバー&ステム●キャニオン・H36エアロコックピットCF
サドル●フィジーク・アンタレスR5スペシャルエディション
シートポスト●キャニオン・S13 VCLS CF
カラー●ステルス×アスファルトグレー、グランツーリズモブルー
サイズ●2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
試乗車実測重量●7.79kg(Lサイズ、ペダルなし)
※インプレッション車は市販モデルと仕様が異なる場合があります。
フォーク●カーボン
メインコンポ●シマノ・アルテグラ
ホイール●マヴィック・コスミックプロカーボンディスクブレーキCL
タイヤ●マヴィック・イクシオンプロCL 700×25C
ハンドルバー&ステム●キャニオン・H36エアロコックピットCF
サドル●フィジーク・アンタレスR5スペシャルエディション
シートポスト●キャニオン・S13 VCLS CF
カラー●ステルス×アスファルトグレー、グランツーリズモブルー
サイズ●2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
試乗車実測重量●7.79kg(Lサイズ、ペダルなし)
※インプレッション車は市販モデルと仕様が異なる場合があります。