輪行ボックス「SBCON」サイクリストの聖地・広島でお披露目

ロードバイク専用の輪行ボックス「SBCON™（エスビーコン）」を手掛けるS-WORKSは10月10日、JALとせとうち観光推進機構とともに開発した自転車輸送用の受託手荷物専用ボックス「SBCON™」の実物を中国経済産業局が主催するサクラプロジェクトの関連イベント「自転車分解不要！ 航空機専用ボックス（SBCON™）お披露目会」で展示した。 

中国経済産業局やJR西日本、瀬戸内サイメディアなど、関心のあるサイクリストや事業者が集まり、実物を前に今後、中国地域でどのように「SBCON™」を活用していけるかを議論した。 

広島県には世界中からサイクリストが訪れる「しまなみ海道」のスタート地点ともいうべき「尾道」がある。また、島根を通って日本海に続くやまなみ街道のスタート地点でもあるだけに参加者たちは「自転車」や「サイクリング」というキーワードにとても敏感で理解を示していた。 
 

会場には開発者である坂本氏とともに、「SBCON™」を製造した梱包資材メーカーの下手将人氏（大昌 代表取締役社長）も来場。下手氏は「弊社61年の歴史の中で最も難しい案件。とくにピン止めや角度をつける作業は数ミリ単位の調整が必要でした。何度も修正して試してを繰り返し現在も、最新バイクが発売されると随時、調整を行っています。当初、発表した「SBCON™」から、さらに進化しました」と製造の難しさを話した。 
 
また、堀啓二氏（RIDE、副理事長）からは今後の「SBCON™」の活用について「高級ロードでのサイクリングだけでなく、セレブリティ向けに備品も全てレンタルで一流品のものを用意するサービスも展開していいのではないか」と提案があった。 

 

会場では今年の8月に開催された「SBCON™」の試験運用を目的とした「しまなみモニターツアー」に関しても話題になった。 多くのメディア陣が取材に訪れ、広島でも羽田空港から「SBCON™」に愛車をのせて飛行機輪行し松山空港に降り立ったサイクリストたちがしまなみ海道を走る様子が放映された。 

広島に拠点を置く各関係者は一層、しまなみ海道に意識を持ち、日本全国、世界各国からたくさんのサイクリストが訪れてほしいと期待を寄せている。 

 

S-WORKSでは8月、ランダムで選んだサイクリスト60人に自転車輪行に関するアンケート調査を実施した。そのアンケートでは「SBCON™」の目標でもある、「自宅から旅行・イベント滞在先など全工程での自転車運搬」はどんな人が望んでいるかも調査した。 

希望するサイクリストは60人中30人。その30人の中で21人が遠隔地のライドやイベントに参加する頻度が２か月〜１年以上の間隔があいていた。30人のうち21人が40万以上のロードバイクを所持。内13人が80万円〜200万以上のロードバイクユーザー。21人が自転車歴10年以上のベテランサイクリストという結果になった。 

この他の様々な結果を踏まえ「SBCON™」を利用する主なターゲット層は100万前後のロードバイクを所持しかつ、ロードの楽しさを知っている人となると予想している。 
 

S-WORKS CEOの坂本氏は「DHハンドルやディスクホイール、エアロバイクなど、ほとんどのサイズ、形状のロードバイクを入れられるようにさらに改良を重ねた。トライアスリート向けにも遠隔地のイベント輸送サービスの充実ができるよう各機関と連携していきたい」と今後の展開を語っている。 
 
今回のお披露目会での意見やアンケートの結果を踏まえ、S-WORKSでは自慢の愛車で日本の遠隔地にある素晴らしい場所を走ってみたいというサイクリスト・トライアスリートの願いをかなえられるよう「SBCON™」の進化と普及に一層取り組んでいく。 
 
問・S-WORKS