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【ツール速報】第16ステージはコスタが逃げ切り区間優勝

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第100回ツール・ド・フランスは、いよいよ最終週に突入。最後の休養日が明けた7月16日はベゾン・ラ・ロメーヌからガップまでの168kmで第16ステージを競い、ポルトガルのルイ・コスタ(モビスターチーム)が逃げ切り、2011年につづいて2度目の区間優勝を勝ち取った。2位はクリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル)、3位はアルノー・ジャネソン(FDJ.fr)だった。マイヨ・ジョーヌのクリストファー・フルーム(スカイ)は、最後の峠でアルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)の攻撃をかわし、総合上位のライバルたちと一緒に11分8秒遅れでゴール。この日も総合首位の座を守った。

 

 

第16ステージは179選手がスタート。昨年総合10位のティボー・ピノ(FDJ.fr)と、19歳で今大会最年少のダニー・ファンポッペル(バカンソレイユ・DCM)が出走しなかった。ピノは扁桃腺炎を患い、第15ステージ終了時点で1時間以上遅れた総合52位だった。この日は序盤からアタックがつづき、最終的に23人の逃げ集団が、38km地点で2分半のタイム差を付けることに成功した。ここにさらに3人が合流し、スカイがコントロールするメイン集団とのタイム差を広げていった。26人の逃げ集団には、コスタの他にも区間優勝経験がある世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(BMC)や、オランダチャンピオンのジョニー・ホーヘルラント(バカンソレイユ・DCM)、トーマ・ボークレール(ヨーロッパカー)、ニコラス・ローチ(チームサクソ・ティンコフ)、トニ・ガロパン(レディオシャック・レオパード)、さらにこの日のゴール地だったガップで、1970年に父親が区間優勝していたマヌエーレ・モーリ(ランプレ・メリダ)が入っていた。

26人の逃げ集団には総合上位の選手が含まれていなかったため、メイン集団とのタイム差は残り90kmで7分20秒にまで開いていた。途中、メイン集団は踏切で足止めを食らう場面もあり、残り36kmでその差は10分以上になっていた。今年はまだフランス勢の区間優勝がなかったこともあり、逃げ集団から残り35kmでジャンマルク・マリノ(ソジャスン)がアタックし、ブレル・カドリ(AG2R・ラモンディアル)とともに先行した。しかし、最後のカテゴリー2のマンス峠で追ってきたアダム・ハンセン(ロット・ベリソル)に追いつかれてしまった。ハンセンは単独で先頭に立ったが、ジェローム・コッペル(コフィディス)とコスタに抜きさられてしまった。そして残り18kmでコスタはコッペルを置き去りにして独走を開始。テクニカルな下り坂を難なく下りきり、ガップのゴールに単独でゴールした。

その頃、メイン集団では最後のマンス峠で、コンタドールの攻撃がスタートしていた。彼はチームメートのロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ)と交互にアタックを繰り返したが、マイヨ・ジョーヌのフルームは動じなかった。しかし、このアタックでメイン集団からローレンス・テンダム(ベルキン)が脱落してしまった。マイヨ・ジョーヌのグループはマンス峠でフルームとリッチー・ポート(スカイ)、コンタドールとクロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ)、アレハンドロ・バルベルデとナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、バウケ・モレマ(ベルキン)の8人に絞りこまれていた。

そしてマンス峠の下り坂で、あわやという事故が発生した。ゴールまで残り7.5kmのカーブでコンタドールが落車し、それを避けようとしたフルームがコースアウトしてしまったのだ。フルームはかろうじて落車を逃れたが、2人は他のライバルたちに遅れを取ってしまった。しかし、ポートのアシストのおかげで2人は先行していた選手に合流することができた。「コンタドールは限界を越えてアタックして、ボクの前で転倒し、ボクまで巻き込むところだった。ボクは彼を避けるために、ちょっとの間道から外れなければならなかった。自転車から落ちはしなかったけれど、ペダルを外してもう一度スタートしなければならなかった。あんなたぐいの危険を冒す必要があったとは思わないよ」と、フルームは事故を振り返っている。この落車で右ヒザを負傷したコンタドールは「これは自転車レースで、ゲームは上り坂でも下り坂でも続いている。ケガが表面的なものであることを願うよ。アイシングをしておけば、明日にはよくなっていると思う。明日は重要に一日になるはずだ」と、語っている。

7月17日はアンブランからショルジュまでの32kmで、カテゴリー2の丘を2つ越える個人タイムトライアルが競われる。総合上位の選手は3分おきにスタート。コンタドールは現地時間16時27分出走で、最終走者のフルームは16時33分出走だ。水曜日のアルプス地方には雨の予報が出ているのが心配だ。(Map:ASO)

 


■第16ステージ結果[7月16日/ベゾン・ラ・ロメーヌ~ガップ/168km]

1 ルイ・コスタ(モビスターチーム/ポルトガル)3時間52分45秒

2 クリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル/フランス)+42秒

3 アルノー・ジャネソン(FDJ.fr/フランス)+42秒

4 ジェローム・コッペル(コフィディス/フランス)+42秒

5 アンドレアス・クローデン(レディオシャック・レオパード/ドイツ)+42秒

6 トム・ドゥムラン(アルゴス・シマノ/オランダ)+1分00秒

7 ミケル・アスタルロサ(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+1分01秒

8 フィリップ・ジルベール(BMC/ベルギー)+1分04秒

9 キャメロン・マイアー(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)+1分04秒

10 ラムナス・ナバルドースカス(ガーミン・シャープ/リトアニア)+1分04秒

27 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+11分08秒

28 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+11分08秒

29 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+11分08秒

30 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+11分08秒

31 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ)+11分08秒

32 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+11分08秒

33 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+11分08秒

34 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+11分08秒

36 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R・ラモンディアル/フランス)+12分08秒

38 ヤコブ・フグルサング(アスタナ/デンマーク)+12分08秒

39 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+12分08秒

43 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)+12分08秒

46 ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)+12分47秒

114 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+20分57秒

■第16ステージまでの総合成績

1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)65時間15分36秒

2 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+4分14秒

3 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+4分25秒

4 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ)+4分28秒

5 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+5分47秒

6 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+5分54秒

7 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+7分11秒

8 ヤコブ・フグルサング(アスタナ/デンマーク)+7分22秒

9 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R・ラモンディアル/フランス)+8分47秒

10 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)+9分27秒

11 ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)+9分37秒

96 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間48分28秒

[各賞]

■ポイント賞:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

■山岳賞:クリストファー・フルーム(スカイ/英国)

■新人賞:ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)

■チーム成績:レディオシャック・レオパード(ルクセンブルク)

(http://www.letour.fr/le-tour/2013/fr/)