【Tour速報】ツール第20ステージの個人TTは世界チャンピオンのマルティンが優勝!
第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月26日にベルジュラックからペリギューまでの54kmで個人タイムトライアルの第20ステージを競い、TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(オメガファルマ・クイックステップ)が圧勝した。
マイヨ・ジョーヌはイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が守り、総合優勝まで残り1ステージになった。
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第20ステージは164選手が出走。総合成績で最下位のチェン・ジ(ジャイアント・シマノ)が第一走者でスタートした。
115番目にスタートした優勝候補のマルティンには、3週間の疲労はまったくないかのようだった。彼はすべての計測ポイントでトップタイムをたたき出し、ホットシートに座っていたチェコのヤン・バルタ(ネットアップ・エンデューラ)に1分47秒差を付けてゴール。その記録を抜く選手は、最後までいなかった。
最終走者のニーバリは、19.8kmに設定されていた最初の計測ポイントでは9位通過と振るわなかったが、その後はペースを上げ、区間4位でゴールした。
パリの表彰台を争っていたジャンクリストフ・ペロー(AG2R)は、最初の計測ポイントでニーバリよりも速い区間6位で通過したが、不運にもパンクに見舞われ、自転車を交換して時間をロスしてしまった。
しかし、最大のライバルだったアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)はこの日振るわず、最初の計測ポイントでマルティンよりも2分近く遅れた44位で通過。最後は4分半も遅れてゴールし、表彰台を奪還することはできなかった。
パンクにもかかわらず、ペローはマルティンよりも2分27秒遅れの区間7位でゴールし、総合2位に浮上した。バルベルデ不調の恩恵で、TTは得意ではないティボー・ピノ(FDJ.fr)も、総合3位にとどまることができた。
これで翌日のパリの表彰台には、地元フランス勢が2人上がる結果になった。フランス人が2人表彰台に上がるのは、故ローラン・フィニョンが優勝してベルナール・イノーが2位だった1984年以来、30年ぶりの快挙になる。
この日のTTで、残念な結果になったのはバルベルデだけではなかった。前日まで総合5位だったロマン・バルデ(AG2R)は、総合6位のティージェイ・バンガルデレン(BMC)とは2分以上のタイム差があった。
しかし、途中パンクで自転車を交換したせいもあり、バルデはたった2秒差でバンガルデレンに逆転され、総合5位の座を失ってしまった。
■今大会で区間2勝目を上げたマルティンのコメント「ボクはプレッシャーを感じていた。みんながボクの勝利を期待していたからね。でも、正直言って、TTのときはいつもちょっとそうだ。このテのプレッシャーを上手く扱う方法は学んだよ」
今年のツール・ド・フランスも、3週間の長旅を終え、いよいよフィナーレを迎える。7月27日はエブリーからパリのシャンゼリゼ大通りまでの137.5kmで、最終区間の第21ステージが行われる。
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■第20ステージ結果[7月26日/ベルジュラック~ペリギュー(個人TT)/54km]
1 トニー・マルティン(オメガファルマ・クイックステップ/ドイツ)1時間06分21秒
2 トム・ドゥムラン(ジャイアント・シマノ/オランダ)+1分39秒
3 ヤン・バルタ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+1分47秒
4 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分58秒
5 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+2分02秒
6 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+2分08秒
7 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+2分27秒
8 シルバン・シャバネル(IAM/フランス)+2分36秒
9 マルケル・イリサール(トレック/スペイン)+2分39秒
10 ダニエル・オス(BMC/イタリア)+2分58秒
12 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+3分12秒
26 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+4分17秒
28 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+4分28秒
109 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+7分54秒
■第20ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)86時間37分52秒
2 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+7分52秒
3 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+8分24秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+9分55秒
5 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+11分44秒
6 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+11分46秒
7 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+14分41秒
8 アイマル・スベルディア(トレック/スペイン)+18分12秒
9 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+18分20秒
10 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+21分24秒
65 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+2時間55分04秒
[各賞]
■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)
■マイヨ・アポワ:ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)
■マイヨ・ブラン:ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)
■チーム成績 :AG2R・ラモンディアル(フランス)
■スーパー敢闘賞 :アレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール/イタリア)