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【Tour速報】ピレネー山岳最終日の第18ステージはマイヨ・ジョーヌのニーバリが圧勝!

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第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月24日にポーからカテゴリー超級のオタカム山頂までの145.5kmで、今年最後の山岳区間となる第18ステージを競い、マイヨ・ジョーヌのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が圧勝し、今大会で区間4勝目を上げた。彼はピレネーを終えてライバルたちに7分以上の大差を付けてしまった。

パリの表彰台争いは、終盤にマイヨ・ブランのティボー・ピノ(FDJ.fr)のアタックにスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が耐え切れずに脱落。区間2位に入ったピノが総合2位になり、ジャンクリストフ・ペロー(AG2R)が総合3位になった。

山岳最終日にバルベルデはピノに15秒差、ペローにはたった2秒差で表彰台から陥落してしまった。しかし、最終日前日には54kmの個人タイムトライアルが残っているため、総合2位以降はまだ逆転の可能性が残されている。
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第18ステージは166人がスタートしたが、すぐにハインリッヒ・ハウスラー(IAM)が胃腸炎でリタイアした。9km地点でバルトシュ・フザルスキー(ネットアップ・エンデューラ)とダニエル・オス(BMC)が逃げ出し、18人が合流した。

20人の逃げ集団は、18km地点で2分25秒差を付けていた。しかし、山岳最終日は早くからアスタナがきっちりコントロールし、17kmつづくツールマレー峠のふもとでもタイム差は3分50秒しか開いてなかった。

ツールマレーの山頂まで残り10km地点で、先頭からはシルバン・シャバネル(IAM)がアタック。しかし、1km独走しただけで、ブレル・カドリ(AG2R)とミケル・ニエベ(スカイ)に追い越されてしまった。

ゴールまで残り50kmのツールマレー山頂はカドリが先頭で通過し、ジャック・ゴデ記念賞を獲得した。

マイヨ・ジョーヌ集団では、ツールマレーの下りでバルベルデがアタック。逃げに加わっていたチームメートたちが合流したが、残り29kmで捕まってしまった。

後方では、ホセホアキン・ロハス(モビスター)がチームカーの後ろをドラフィングで長く走りすぎ、失格になってしまった。

ゴールまで残り13.6kmで、最後のオタカム山がスタートしたとき、先頭の2人とマイヨ・ジョーヌ集団のタイム差はたった1分半しかなかった。上り坂が始まるとすぐにニエベがアタックしてカドリを蹴落とし、独走を開始した。

オタカム山が始まったとき、マイヨ・ジョーヌ集団の先頭にはまだミケーレ・スカルポーニとタネル・カンゲルト(アスタナ)が残っていた。残り10.5kmでニエベとのタイム差が1分強になったとき、マイヨ・ジョーヌ集団からクリストファー・ホーナー(ランプレ・メリダ)がアタック。しかし、ニーバリは彼の攻撃を見逃しはしなかった。

ホーナーとニーバリはあっという間にライバルたちを置き去りにして先行した。そして1km先でニーバリが加速すると、ホーナーには付いていくことはできなかった。

マイヨ・ジョーヌのニーバリは残り8kmでニエベを追い越すと、先頭で一人旅を始めた。後方からはマイヨ・アポワのマイカが追撃に出たが、この日のニーバリには追いつけなかった。

総合2位争いの集団では、残り5.5kmでピノがアタックし、ペローとティージェイ・バンガルデレン(BMC)が付いて行ったが、バルベルデは取り残されてしまった。

3人はマイカに追いついてゴールを目指したが、ニーバリを視界に捕らえることはできなかった。ニーバリはマイヨ・ジョーヌの胸に貼られたアスタナのマークを誇らしげに叩きながら、フィニッシュラインを通過した。

その後方では、山岳賞ポイントを獲得するために加速したマイカをゴール手前で追い抜いたピノが区間2位で入り、総合でも2位に浮上した。しかし、マイカは区間3位で32ポイントを加算し、ニーバリよりも13ポイント上回り、ピレネー最終日にマイヨ・アポワを死守することができた。
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■ニーバリのコメント「区間4勝はファンタスティックだ。できるとは思っていなかった。今や残されたステージは多くないし、ボクのリードは強固なものだ。ボクはとても心穏やかだ。ピレネーに足跡を残したかったんだ」

「自分が最強であることを示すより、区間優勝がしたかった。オタカムには前回ツールで走ったとき(2008年)の思い出があった。ボクはアップヒルTTみたいに走ったよ。多分アタックしたのはあまにりも早かったが、ホーナーが加速したせいだった」

「ボクは区間優勝を取られるのをおそれた。だからボクはホーナーとの直接的なライバル関係で反応した。ステージが始まったときからチームメートたちが働き続けてくれたから、ボクには勝たなければいけない責任があったんだ」


■アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナのチームマネージャー)のコメント「これは素晴らしい勝利で、チーム全体の力の誇示だ。ビンチェンツォは誰がボスなのかを示したかった。彼は本当にこのステージを勝ちたがっていた」

「マイヨ・ジョーヌを着てここで勝つことは素晴らしい。我々はフルームやコンタドールのレベルになる準備をしてきたのだが、彼らがもうここにはいないのはとても残念だ。しかし、素晴らしいツールであり、残り2日間は幸運を祈るだけだ」


7月25日はモーブルゲ・ペイ・デュ・バル・ダドゥールからベルジュラックまでの208.5kmで第19ステージが行われる。(MAP:ASO)
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■第18ステージ結果[7月24日/ポー~オタカム▲▲▲▲/145.5km]

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)4時間04分17秒

2 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+1分10秒

3 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分12秒

4 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+1分15秒

5 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+1分15秒

6 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+1分53秒

7 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+1分57秒

8 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+1分57秒

9 アイマル・スベルディア(トレック/スペイン)+1分59秒

10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分59秒

11 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+1分59秒

34 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+11分54秒

■第18ステージまでの総合成績

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)80時間45分45秒

2 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+7分10秒

3 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+7分23秒

4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+7分25秒

5 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+9分27秒

6 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+11分34秒

7 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+13分56秒

8 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+14分15秒

9 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+14分37秒

10 アイマル・スベルディア(トレック/スペイン)+16分25秒

61 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+2時間46分05秒

[各賞]

■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

■マイヨ・アポワ:ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)

■マイヨ・ブラン:ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)

■チーム成績  :AG2R・ラモンディアル(フランス)

■今日の敢闘賞 :ミケル・ニエベ(スカイ/スペイン)

(http://www.letour.fr/)