【Tour速報】ツール第12ステージは集団ゴールスプリントでクリストフが区間優勝
第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月17日にブール・アン・ブレスからサンテチェンヌまでの185.5kmで第12ステージを競い、集団ゴールスプリントでノルウエーのアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)が、マイヨ・ベールのペーテル・サガン(キャノンデール)を下して区間初優勝した。
マイヨ・ジョーヌはイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が守った。
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第12ステージは、前日30分以上遅れてゴールした米国のアンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ)が出走しなかった。彼は最初の1週間で2度落車し、第11ステージは朝から背中に痛みがあったのだが、深刻な仙腸骨炎を患っていた。これで参加選手は178選手になった。
真夏の暑さの中、序盤からアタックが続いたあと、10km地点でオランダチャンピオンのセバスティアン・ラングベルト(ガーミン・シャープ)のアタックが決まり、ダビド・デラクルス(ネットアップ・エンデューラ)、フロリアン・バション(ブルターニュ・セシェ)、サイモン・クラーク(オリカ・グリーンエッジ)、グレゴリー・ラスト(トレック)が逃げに加わった。
5人は43km地点でアスタナがコントロールする集団に4分50秒差を付けたが、集団ゴールスプリントを狙うジャイアント・シマノが先頭で仕事を始め、タイム差はそれ以上にはならなかった。
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最初の2つの丘を先頭で通過したスペインのデラクルスは、ゴールまで残り90km地点で通過した町中の右カーブで転倒し、ラングベルトを巻き込んでしまった。
オランダチャンピオンはすぐレースに復帰できたが、デラクルスは右肩を押さえて起き上がることができなかった。彼はそのままリタイアし、病院へ搬送された。検査の結果、右鎖骨を骨折してしまっていた。
集団では残り70kmになってヨーロッパカーが先頭を引き始めたが、タイム差は2分台を維持したままになった。逃げグループはバションとラストが脱落し、クラークとラングベルトの2人になった。
この日最後のグラモンの丘(カテゴリー4)に入って、集団からはペリッグ・ケムヌーとシリル・ゴチエ(ヨーロッパカー)が飛び出して先頭の2人を追撃した。
先頭ではゴールので残り25km地点で、ラングベルトがボトルの水を飲んでいる隙をついてクラークがアタックし、独走を開始した。グラモン峠の頂上を通過した直後、クラークにケムヌーとゴチエが追いつき、先頭は3人になったが、集団とのタイム差は1分を切っていた。
ゴチエとクラークは残り5kmまで逃げ続けたあと、集団に飲み込まれてしまった。前日に区間優勝した地元フランスのトニ・ガロパン(ロット・ベリソル)は、すでに集団から脱落していた。
終盤はキャノンデールのグリーン・トレインがサガンのために集団を引き続けた。ゴールまで残り3.5kmで、落車が発生し、ドイツチャンピオンのアンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)がシルバン・シャバネル(IAM)とともに落車し、区間優勝のチャンスを失ってしまった。
フラム・ルージュを集団の先頭で通過したのはベテランのルーカ・パオリーニ(カチューシャ)だった。その後、ミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ)がマッテーオ・トレンティンの発射台になったが、この日のトレンティンにはスパートする力がなかった。
最後はクリストフが飛び出し、サガンの追撃をかわしてツール区間初優勝を果たした。またもや勝てなかったサガンは、これで今大会区間2位が4度目になった。しかし、彼は「2位になるのがボクの運命のようだ。でもまあいいさ。ここにはマイヨ・ベールのために来ているからね」と、語っている。
■区間初優勝したクリストフのコメント「ミラノ~サンレモがより大きな勝利だとボクは今でも思っている。あれはワンデークラシックだ。ツールでは21区間ある。でもボクはいつもツールで区間優勝するのを夢見ていた。だから今日は、ボクのキャリアで2番目に大きな勝利さ」
7月18日からは、いよいよアルプス山岳ステージがスタートする。第13ステージはサンテチェンヌをスタートし、標高1730メートルでカテゴリー超級のシャンルース峠にゴールする197.5kmの区間だ。終盤には、カテゴリー1のパラキ峠越えもある。(MAP:ASO)
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■第12ステージ結果[7月17日/ブール・アン・ブレス~サンテチェンヌ▲/185.5km]
1 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウエー)4時間32分11秒
2 ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)
3 アルノー・デマール(FDJ.fr/フランス)
4 ミヒャエル・アルバズィーニ(オリカ・グリーンエッジ/スイス)
5 ラムナス・ナバルダウスカス(ガーミン・シャープ/リトアニア)
6 ダニエーレ・ベンナーティ(ティンコフ・サクソ/イタリア)
7 ブライアン・コカール(ヨーロッパカー/フランス)
8 ダニエル・オス(BMC/イタリア)
9 サミュエル・デュムラン(AG2R/フランス)
10 ホセホアキン・ロハス(モビスター/スペイン)
55 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)
60 マッテーオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ/イタリア)*
139 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)+5分45秒
■第12ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)51時間31分34秒
2 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+2分23秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分47秒
4 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+3分01秒
5 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+3分47秒
6 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+3分56秒
7 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+3分57秒
8 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+4分08秒
9 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+4分18秒
10 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+4分31秒
20 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)+8分57秒
99 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間28分16秒
[各賞]
■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)
■マイヨ・アポワ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・ブラン:ロマン・バルデ(AG2R/フランス)
■チーム成績 :AG2R・ラモンディアル(フランス)
■今日の敢闘賞 :サイモン・クラーク(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)
※区間6位だったマッテーオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ)は、スプリントでジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・シマノ)の進路を妨害したため降格処分となり、先頭集団最下位の60位になった。