【Tour News】今年のツールは最初の10日間で18選手がリタイア!
英国で開幕した第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、10日間を終えて7月15日に中東部のブザンソンで最初の休養日を迎えた。
今年は開幕から落車のケガでスター選手がレースを去るハプニングが続出している。
第1ステージのゴールでは、区間優勝が期待されていた地元英国のマーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)が転倒し、右肩と鎖骨のつなぎ目を脱臼し、靭帯を痛めてしまった。彼は翌日出走できなかった。
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英国での最終日だった第3ステージでは、雨に見舞われたレース終盤にルクセンブルクのアンディ・シュレク(トレック)が落車し、右ヒザを負傷して翌日は出走しなかった。
第4ステージでは、終盤に集団の先頭を走っていたグレッグ・ヘンダーソン(ロット・ベリソル)がコーナーで転倒し、右ヒザに12センチの深い切り傷を追ってそのままリタイアした。
さらに第4ステージでは、スタート直後にディフェンディングチャンピオンで総合優勝候補の筆頭だった英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が転倒する事故があった。
フルームの話では、前を走る選手の車輪が別の選手の車輪と接触し、彼の自転車の前輪にぶつかったのだそうだ。彼はそれを避けられずに転倒し、左手首と左脚を負傷してしまった。とくに左手首は痛みがひどかった。
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ゴール後にレースドクターが行ったレントゲン検査では、骨折は見つからず、フルームは第5ステージをスタートしたのだが、雨天となったレースの前半で2度落車し、石畳セクションがスタートする前にレースをリタイアしてしまった。
モナコの自宅に戻った後、フルームはMRI検査を受け、左手首と右腕に小さな骨折が見つかっている。彼はツール直前に走ったクリテリウム・デュ・ドーフィネでも思わぬ落車事故に見舞われ、総合連覇の夢を絶たれてしまっていた。
第7ステージでは、ゴールスプリントで2度落車があり、最初の落車で転倒したIAMサイクリングのエース、マティアス・フランクが左大腿骨を骨折。翌日はスタートできなかった。
ゴール目前に大転倒したアンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ)は、翌日も雨の下り坂で落車したが、逆境に負けずにレースを続けている。
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そして第10ステージでは、総合優勝候補の1人だったスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)がツールを去った。彼はレース前半のプチ・バロン峠の、狭くまっすぐな下り坂で転倒してしまった。
ビャルネ・リース監督の説明では、コンタドールはその時、背中のポケットに手を伸ばしていたのだそうだ。不運にも気がそれた瞬間に、路肩にあった穴かコブに自転車がひっかかってしまったのだろうと推測されている。
コンタドールは右ヒザから出血し、メディカルスタッフの治療を受け、壊れたシューズを履き替えてからレースに復帰した。不運にも、彼はすぐにカテゴリー1のプラッツァーワーゼル峠を越えなければならず、2人のチームメートに先導されてレースを続けた。
しかし、ヒザの痛みがひどく、コンタドールは20km走った後、レースをあきらめてチームカーに乗り込んだ。ゴール地点で受けたレントゲン検査で、彼は右脛骨(スネの骨)のヒザのすぐ下の場所を骨折していたことが判明した。
休養日の朝、コンタドールはチームメートたちに朝食で別れを告げたあと、チームオーナーであるオレグ・ティンコフ氏の自家用機で故郷のマドリードへ戻った。
マドリードの病院で再検査を行ったあと、コンタドールは回復が遅れるのを避けるために、手術は行わないことにした。幸い腱や靭帯は損傷しておらず、骨の亀裂もより良い場所にあるという。しかし、彼は最低でも2週間は自宅で療養し、傷が癒えるまでは脚を固定する必要がある。
コンタドールは、8月23日に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャへの参加は、ほとんど不可能だと医師に診断された。しかし、彼はまだあきらめてはいない。
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今年のツールは10日間で4チームのエースナンバーを含めた18選手がリタイアし、第11ステージはすでにファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が出走しないと公表しているが、うれしいニュースもある。
第10ステージの残り100kmで落車して負傷し、一度はラジオツールで途中リタイアが発表されたポルトガルのティアゴ・マシャド(ネットアップ・エンデューラ)は、レースを続行した。
マシャドはチームメートのアンドレアス・シリンガーに付き添われてゴールしたが、43分06秒遅れで2人ともタイムオーバーになってしまった。しかし、レースコミッセールはこの2人を特別措置で救済し、第11ステージに出走することを許可した。
これで16日に行われる第11ステージは、今のところ179選手が出走する予定だ。
●ツール・ド・フランス2014 第10ステージまでのリタイア選手
[第2ステージ]
・マーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ/英国) NP
・サシャ・モドロ(ランプレ・メリダ/イタリア) AB
[第4ステージ]
・アンディ・シュレク(トレック/ルクセンブルク) NP
・グレッグ・ヘンダーソン(ロット・ベリソル/ニュージーランド) AB
[第5ステージ]
・クリストファー・フルーム(スカイ/英国) AB
[第6ステージ]
・マキシミリアノ・リチェセ(ランプレ・メリダ/アルゼンチン) NP
・ヘスス・エルナンデス(ティンコフ・サクソ/スペイン) AB
・エゴイ・シリン(カチューシャ/ロシア) AB
・シャビエル・サンディオ(スカイ/スペイン) AB
[第7ステージ]
・ダニー・ファンポッペル(トレック/オランダ) AB
・ダーウィン・アタプマ(BMC/コロンビア) AB
・ステフ・クレメント(ベルキン/オランダ) AB
[第8ステージ]
・マティアス・フランク(IAM/スイス) NP
・バルト・ドクレルク(ロット・ベリソル/ベルギー) AB
[第9ステージ]
・エゴイツ・ガルシア(コフィディス/スペイン) AB
[第10ステージ]
・エドワード・キング(キャノンデール/米国) AB
・アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン) AB
・マテュー・ハイマン(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア) AB
[第11ステージ]
・ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス) NP*予定
※NP…出走せず/AB…完走せず
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[第10ステージまでの総合成績]
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)42時間33分38秒
2 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+2分23秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分47秒
4 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+3分01秒
5 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)+3分12秒
6 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+3分47秒
7 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+3分56秒
8 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R/フランス)+3分57秒
9 ルイ・コスタ(ランプレ・メリダ/ポルトガル)+3分58秒
10 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+4分08秒
11 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+4分18秒
13 ミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)+4分39秒
[各賞]
■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)
■マイヨ・アポワ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・ブラン:ロマン・バルデ(AG2R/フランス)
■チーム成績(黄色ゼッケン):AG2R・ラモンディアル(フランス)
■第11ステージの赤ゼッケン:トニー・マルティン(オメガファルマ・クイックステップ/ドイツ)