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第1回ニセコクラシック、140km、70km参加レポート

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ニセコの魅力ある自然資源および地域資源を活用して、サイクリング目的の観光地として地域を盛り上げるため、2014年7月12日(土)~13日(日)に開催された「第1回ニセコクラシック」。 140kmコース、70kmコースに参加した体験レポートがサイスポに寄せられた。来年は挑戦したいと思っていた人はぜひ参考にしてほしい。

 

 

【ニセコクラシック 70キロ / 参加者・木村さんのレポート】

蘭越町豊国橋河川敷からのスタート。約2kmの上りをパレードスタートし、頂上、本線合流付近より白旗が振られ選手が一斉にペダルを漕ぎ始める。集団で比較的フラットな蘭越町の田園地帯を下って行き、日本海で折り返したのち再び蘭越町を抜け、山岳へとむかっていく。

先に待ち構えている上りに備え誰一人逃げを打たないまま、集団は1つの固まりで蘭越町を通過。豊国橋北側を山岳へ向け上りへと差し掛かるころ、今までガマンしていた集団が我先にと5kmの上りをまるでスパートを掛けるように上る。

最終関門を右に曲がり、それまでの上り集団は、長く伸びバラバラになり一気に10kmを下る。出遅れていた選手たちも休むことなくペダルを力一杯踏み続ける。山岳から下り終わってのち、再びニセコ町方面へつづく長く急な上りが選手たちの脚を容赦なく奪い、力と気持ちを失わせていく。

ニセコ町を抜け、ひらふスキー場へとつづく3kmほど平坦なコースを走り抜け、最後のコーナーを左に折れると、300mの距離を少し上りやっと終了! 70kmと短い距離ですが、夏のニセコを十分に堪能できるアップダウンとスピードを楽しめるコースになっています。

ゴール後は、誰もが満足していた顔でした。来年も多くの選手がもう一度挑戦すると思います。

 

 

【ニセコクラシック140キロ / 実行委員会のレポート】

冬期はスキーで有名なリゾート地ニセコにおいて、公道を閉鎖して開催されたロードレースは、以前ツールド北海道で使用されたコースに平地を40km延ばした合計140kmのロードレース。総標高獲得は約2500m。2つの大きな山岳を含み、レース時間4時間超の過酷なコースだ。

メインになる山岳はアンヌプリ、チセヌプリとニセコ山系を周り、蘭越方面を日本海へむけ下っていく。40km近くの平地を、尻別川に沿いながら羊蹄山を横目に眺めつつ北海道らしい景色の中を走るので、選手を爽快な気分にさせてくれる。

ニセコグランヒラフスキー場をスタート後、最初の山岳まで逃げる選手もおらず集団で取り付くが、小さなアップダウンが続いていたので、気がつくと選手の数は全体の半分位に絞られていた。

1つ目の山岳に入ると、今回の招待選手である山本選手をはじめ、上りを得意とする第一集団がハイペースで上る。その先頭集団を見送り、あとの下りと平地のために体力を温存しようと、できるだけ周囲の選手に声をかけ集団を形成し先頭交代しながら15kmを上った。

 

 

その後、下りに入り僕らの集団は縦一列になりスピードを上げる。ここから下りと平地が終わるまでに、できるだけ先行している集団との差を縮めるために。中には先頭に出て顎を限りなくハンドルに近づけ、ダウンヒルポジションで時速90km以上を出す選手も。長い下りを終え、補給地点でドリンクを受け取るとはるか彼方に先行する集団が見える。

尻別川沿いを走り海へと続くこの平地は、美しい田園風景ながら風の影響をまともに受ける。今までこの状況を狙っていた僕らの集団は、先頭を短時間でローテーションしながらペースをあげ、先行集団を捕らえることができた。

約40キロの平地の後、レースの総距離はすでに100キロを超え、倶知安から札幌以上の距離を走っている。夏の北海道といえ、気温は30度近くなり、身体は急激に水分を失うので、中には痙攣により突然集団から脱落する選手もいた。そこから約10キロ近くある2つ目の上りが始まると、また集団はバラバラになった。

 

 

2つ目の上りが終わった後も幾度のアップダウンを繰り返すので、確実に足を使わされる。ようやく140kmを走った選手がゴールするのは、スタートと同じニセコヒラフスキー場で、ゴールスプリントも300m以上の上り坂だ。

栄えある第1回目に優勝したのは、MTBでワールドカップを転戦する山本幸平プロ。世界中のレースを経験している山本選手のブログでも、雄大な北海道の景色を楽しめるニセコクラシックコースを絶賛していた。