ベルゲン世界選男子エリートはスロバキアのサガンが史上初の３連覇を達成

　
ノルウエー西部のベルゲンで開催されていたＵＣＩロード世界選手権は、９月24日に男子エリートのロードレースを競い、スロバキアのペテル・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）が集団ゴールスプリントで地元のノルウエーのアレクサンダー・クリストフ（チームカチューシャ・アルペシン）を下し、2015年、2016年に続く勝利を収め、史上初の３連覇を成し遂げた。３位はオーストラリアのマイケル・マシューズ（チームサンウェブ）だった。

 
レースは最終周回のサーモン・ヒルで、70人ほどに減った集団からフランスのジュリアン・アラフィリップ（クイックステップフロアーズ）が単独アタックを決め、独走で丘を越えた。そこに下りでイタリアのジャンニ・モスコン（チームスカイ）が合流し、集団に10秒近いタイム差を付けて逃げ続けた。

そして残り4.3kmの石畳の上り坂でアラフィリップがモスコンを置き去りにしてふたたび独走になったのだが、ここで中継バイクの映像が途切れるトラブルが発生した。残り１km地点の定点カメラがレースの先頭をとらえた時、逃げていたのはデンマークのマグヌスコルト・ニールセン（オリカ・スコット）だったが、すぐにイタリアが引く25人ほどの集団に捕まってしまった。

最後は地元の大声援を受けてクリストフが先頭でスパートしたが、ゴール目前で後方から上がってきたサガンにフィニッシュラインで差されてしまった。

日本から唯一人参加していた新城幸也（バーレーン・メリダ）は、2分32秒遅れの46位だった。

男子エリートのロードレースは44カ国の196選手が出走し、完走は132人だった。終盤にアタックしたイタリアのモスコンは、残り２周回で落車した際、集団へ復帰するためにチームカーに捕まっていたため、失格になってしまった。

　

1927年にスタートし、今年で84回目だったロード世界選の最多優勝回数は３勝で、これまでに成し遂げたのはイタリアのアルフレード・ビンダ（1927、1930、1932年）、ベルギーのリック・バンスティーンベルヘン（1949、1956、1957年）とエディ・メルクス（1967、1971、1974年）、スペインのオスカル・フレイレ（1999、2001、2004年）で、サガンは５人目になった。しかし、３年連続で世界タイトルを獲得したのは彼が初めてだった。

サガンは現在27歳で、今後世界選の最多優勝回数記録を塗り替える可能性は大いにある。しかし、来年世界選手権が開催されるのはオーストリアのインスブルックで、上りがより厳しいサーキットが設定されているため、４連覇は難しいかもしれない。
 

■世界選３連覇を果たしたサガンのコメント「簡単ではなかった。残り5kmでもう終わったと自分自身に言っていた。それから先頭が変わり、僕は逃げようと試みて、ガビリアが差を埋めようとした。その後で、スプリントのために全員が１つに戻った。信じられないよ。地元で走っているクリストフには申し訳なく思っているが、また勝ててとてもうれしいよ。

世界選で３回は、確かに特別だ。それは何も変えはしないが、本当に特別だ。僕のナショナルチーム、スロバキアと、集団にいた友人たちに感謝したい。この勝利はミケーレ・スカルポーニに捧げたい。明日は彼の誕生日だ。今年起きたことは悲しい出来事だった。彼の家族の幸運を祈っている。この勝利を妻にも捧げたい。僕たちは赤ちゃんの誕生を待っている。これはシーズンの素晴らしいエンディングだ。とてもうれしいよ」
 
 

 
■男子エリート ロードレース結果［９月23日／267.5km］
１ ペテル・サガン（スロバキア／ボーラ・ハンスグローエ）6時間28分11秒
２ アレクサンダー・クリストフ（ノルウエー／チームカチューシャ・アルペシン）
３ マイケル・マシューズ（オーストラリア／チームサンウェブ）
４ マッテーオ・トレンティン（イタリア／クイックステップフロアーズ）
５ ベン・スウィフト（英国／ＵＡＥチーム・エミレーツ）
６ グレッグ・バンアーベルマート（ベルギー／ＢＭＣレーシングチーム）
７ ミヒャエル・アルバズィーニ（スイス／オリカ・スコット）
８ フェルナンド・ガビリア（コロンビア／クイックステップフロアーズ）
９ アレクセイ・ルツェンコ（カザフスタン／アスタナプロチーム）
10 ジュリアン・アラフィリップ（フランス／クイックステップフロアーズ）
46 新城幸也（日本／バーレーン・メリダ）+2分32秒
(http://www.uci.ch/)